変化し続ける破壊的テクノロジー2018 - テクノロジー・ハブが勝者への道を拓く | KPMG | JP
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変化し続ける破壊的テクノロジー2018(第1部) - テクノロジー・ハブが勝者への道を拓く

変化し続ける破壊的テクノロジー2018 - テクノロジー・ハブが勝者への道を拓く

シリコンバレーのテクノロジーの優位性は明らかである一方で、影響力の分散化が生じています。新たなテクノロジー・リーダーとなるべく進化を続ける世界のテクノロジー・イノベーション・ハブ。今後4年間でシリコンバレーに追随すると予測される国・都市を明らかにすると共に、KPMGのプロフェッショナルの視点から各市場の強みと課題を解説します。

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イノベーションは世界中の多くの都市に分散し、大きな進歩を遂げている一方で、マクロ経済やインフラの問題に苦慮している都市も存在します。政府の政策やインセンティブ、アクセラレーター、テクノパーク、企業投資や最先端のインフラといった多くの要因が、都市がイノベーション・ハブとして認められるかに影響を与えているのです。
世界のテクノロジー業界におけるイノベーション経営のトレンドとして、経営幹部クラスがますますイノベーションに対してイニシアチブを発揮するようになってきていることが挙げられます。
起業家精神に溢れたカルチャーの醸成により発展を遂げたシリコンバレーの成功が、世界中の国や都市のテクノロジー・イノベーション・ハブへの道に拍車をかけています。そこには、先進地域と新興地域におけるすべての企業と消費者の双方に、明るい未来が約束されています。

主要なテクノロジー・イノベーション・ハブ

リーダーシップを発揮している国

国別の回答としては、米国と中国が、テクノロジー・リーダーシップのチャートを席巻しています。世界のテクノロジー業界のリーダーの60%が、この2大国家を、世界的なインパクトをもたらす破壊的テクノロジーのブレークスルーを生み出すリーダーであると指摘しています。
今年の調査でも、回答者の3分の1以上(34%)が、米国がトップであるとみなしており、米国は世界のテクノロジー・イノベーションのリーダーとしての地位を引き続き確固たるものとしています。この評価は、米国がトップの地位を得た前年調査の26%から増加しています。
中国は26%の評価を獲得し、2番手の地位を維持しています。中国では、政府と業界のコラボレーションや、最大手テクノロジー企業によるスタートアップ企業や大規模市場への積極的な投資が、イノベーションを促進するとともに、地方政府もまた、人材を引きつけるためにテクノロジー・ハブの構築に投資しています。
インドは躍進を遂げ、第3位にランクインしており、世界のテクノロジー業界のリーダーの13%が、テクノロジーが躍進する可能性を指摘しています。
そのほか、英国、日本が本調査で高い評価を獲得しています。日本は、ロボティクスとモノのインターネット(IoT)の専門性で強さを発揮し続けています。さらに、破壊的テクノロジーの開発ペースは、2020年夏の東京オリンピックへの取組みによって加速されると想定されています。
地域別の回答としては、アジア太平洋地域のテクノロジー・イノベーションの進化が明らかになっており、オーストラリア、中国、インド、日本、韓国、台湾への回答数を合計すると53%に上ります。欧州・中東・アフリカは、これに比較すると低くなっています(10%)。

イノベーションでのシリコンバレーの地位

世界全体の回答者の45%がイノベーションの中心が2021年までにシリコンバレーから移動すると考えており、残りは「移動する可能性が低い」と「どちらとも言えない」にほぼ二分されています。テクノロジー・リーダーを巡る米国と中国の競争の激化を浮き彫りにする興味深い動きとして、シリコンバレーがその地位を失うと回答しているのは米国の回答者ではわずか9%であるのに対し、中国の回答者の半数がシリコンバレーの衰退を予測しています。
世界のテクノロジー・イノベーションの中心がシリコンバレーから移動すると答えた回答者のうち、約3分の1が中国を将来のテクノロジー・ハブになるとみなしています。米国内のそのほかの都市を競合相手として選んだのは24%であり、その数は増加しています。インドは引き続き強力な競合国となっており、今年も16%の回答者から選ばれています。

競争に打ち勝つ都市

今後4年間で主要なテクノロジー・イノベーション・ハブとなる都市として挙げられたのは、第1位が上海、第2位が東京となりました。ロンドンとニューヨークは同率で第3位となっています。
中国の明るい見通しに歩調を合わせて、(3年連続で)上海が世界のリーダーとなりました。上海(中国)は居心地の良い環境として有名であり、世界全体の回答者の4分の1、中国国内の回答者の38%から選ばれています。東京は、テクノロジーにおけるリーダーシップとロボティクスへの重点的な取組みにより、第2位にランキングされており、世界全体の回答者の20%から選ばれています(日本国内の回答者では43%)。
欧州では、都市に対する世界的な見通しにはばらつきがありますが、ロンドンは、当時からEU離脱の懸念があったにもかかわらず、「シリコン・ラウンドアバウト」の認知もあり19%の得票率を得ています。
北米では、ニューヨークのシリコンアレーをはじめとするいくつかの米国の都市が世界的に高い順位を獲得しています。ニューヨークは、世界全体の回答者の19%から、自国を高く評価する傾向を示す米国国内の回答者の28%から選ばれています。

今後4年間で、シリコンバレーやサンフランシスコに加え、主要なテクノロジー・イノベーション・ハブになると思われる都市を3つ挙げてください。

イノベーション経営のトレンド

世界の全地域において、従業員のモチベーションを喚起するものとして最も重要視されていたのは、昇進でした。4分の1以上の回答者が昇進をインセンティブに利用しており、これは前年の24%から増加しています。金銭的なインセンティブとキャッシュを合わせたものが30%で、前年の33%から減少しました。
イノベーションの価値を評価する上位指標としては、直接的な業績結果を用いるという明確なパターンが、今年の結果でも全地域ではっきりと示されています。世界的な調査を実施した中規模から大規模の企業では、売上高成長率、マーケットシェア、投資利益率(ROI)のそれぞれが、主要なイノベーション指標の約3分の1を占めていました。
「貴社のイノベーションを推進する責任を担っているのは、どの職務/役割ですか?」という質問に対しては、最高情報責任者(CIO)が世界全体でのランキングのトップ(29%)を獲得しており、次に最高イノベーション責任者(27%)が中規模から大規模の企業にイノベーション施策を推進する最大の責任を担っています。最高情報責任者(CIO)と最高イノベーション責任者に続くのは、最高経営責任者(CEO)の21%です。これは、イノベーションが経営幹部クラスのアジェンダの中心になっていることを明確に示しています。他のほとんどの国がこの結果に倣う一方で、日本は最高情報責任者(CIO)の役割を特に重視していました(53%)。
このほか、本レポートでは、Googleをはじめとする、明確なビジョンを持ってテクノロジー・イノベーションを推進するリーダー企業や、イーロン・マスク氏をはじめとする、イノベーションに関する先見の明のあるテクノロジー・リーダーについて、調査結果と共に解説しています。

テクノロジーのスタートアップ企業の展望

スタートアップ企業にとっては、非公開であり続けることが、将来の方向性や成長のために定められたものとなっており、前年比からもわずかな変化しか見られませんでした。合併や買収は7%で、前年の10%から若干減少しています。強気の株式市場環境においては、株式公開は前年(13%)より回答数が増加(17%)しています。新規株式公開を好む企業のうち、16%は1年以内に株式を公開したいと述べており、22%は2年以内の予定で公開すると述べています。過半数(62%)の企業は株式公開が2年より先になると述べており、前年の傾向を引き継ぐ結果となっています。
極めて有望なスタートアップ企業は、優秀な社員を成長そして保持して競争に打ち勝つことができるように、人員のニーズを慎重に見定めています。スタートアップ企業を対象とした、今後12ヵ月での雇用人数に関する質問では、強気の結果に後押しされ、回答者が新入社員の雇用にあたり、楽観的な計画を立てていることが分かりました。世界全体の回答者の90%超が、翌年に最大99人の従業員を雇用する予定であると回答しており、前年の68%から大幅に増加しています。
スタートアップ企業が雇用に前向きになっている一方で、特に専門知識を備えたエンジニアやデータサイエンティストといった人材は不足しています。テクノロジー企業は競争力の強化に向けて、最適な人材を見つけ出すための世界的なタレントプールに着目しています。

まとめ

今年の調査では、新たなテクノロジーのリーダーになるべく取り組んでいる、世界のテクノロジー・イノベーション・ハブの勃興を中心に取り上げました。このグローバル規模の調査では、各種スコア(国、都市、エグゼクティブリーダー)において、テクノロジーの発展状況に関して、米国が最高の評価を受けました。
シリコンバレーのテクノロジーの優位性は明らかですが、一方で影響力の分散化が生じています。米国では、7つの都市が将来シリコンバレーのライバルとなる可能性のある都市として認められています。他の国々は、この数には大きく及ばず、中国でも4都市(上海が第1位)にとどまっています。
アジアのテクノロジー経済の発展により、西欧諸国から極東へのパワーシフトが進んでいます。最大の変化要因は、中国です。中国は、目まぐるしく動く起業家の優位性、巨大なデジタル先進市場と政府の投資により、依然として米国に対する最大の挑戦国となっています。
経営幹部レベルは、イノベーションとビジネスの成果を一致させるための中枢として機能し、そのことが効果的な企業戦略の証しとなります。
現在の企業環境では、もはや1つの分野で優位に立つだけでは十分ではありません。将来のグローバルなテクノロジー・リーダーは、従来の企業理念とはかけ離れた多種多様なビジネスに急速に移行しています。プラットフォーム企業は、こうしたトレンドの最前線にあります。
世界では、私たちの生活と働き方を大きく変える、ますます多くのエマージングテクノロジーが登場しています。こうした進歩の迷路をうまく通り抜け、前進し続けることが、次世代のグローバルリーダーに挑み続けることになるでしょう。

本レポートでは、16人のKPMGのプロフェッショナルが、カナダ、中国、フランス、ドイツ、香港、インド、アイルランド、イスラエル、日本、韓国、ロシア、シンガポール、スペイン、台湾、英国、米国の16の国と地域について、テクノロジー・イノベーションの見通しを紹介すると共に、各市場の強みと課題を解説しています。

レポートの全文については、以下のダウンロードPDFをご参照ください。

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