「IFRSの年次改善」(2018-2020年サイクル) - IFRICニュース2020年4月

IFRS解釈指針委員会ニュース(2020年4月) - 「IFRSの年次改善」(2018-2020年サイクル)については、2020年5月14日に公表された最終基準の内容に更新しています。

IFRSの年次改善」(2018-2020年サイクル)については、2020年5月14日に公表された最終基準の内容に更新しています。

1.金融負債の認識の中止に関する10%テストに含めるべき手数料及びコスト

関連IFRS、概要は下記の通り。

関連IFRS

IFRS第9号「金融商品」、IAS第39号「金融商品 - 認識及び測定」

概要

IFRS第9号は、現在の借手と貸手との間で、大幅に異なる条件による負債性金融商品の交換が行われた場合、又は、現存する金融負債もしくはその一部分の条件の大幅な変更が行われた場合は、従前の金融負債の認識を中止し、かつ新しい金融負債を認識することを求めている。ここで、大幅に条件が異なる、とは、新たな条件によるキャッシュ・フローの割引現在価値(受取手数料を控除後の支払手数料を含み、当初の実効金利で割り引く)が、当初の条件下でのキャッシュ・フローの割引現在価値と比較して少なくとも10%異なる場合をいう(10%テスト)。

IFRS第9号「金融商品」B3.3.6項の修正により、金融負債の認識の中止に関する定量的判定基準である10%テストに含めるべき手数料及びコストは、借手・貸手間で受け払いされる手数料及び借手又は貸手が他方に代わって受け取った、又は支払った手数料のみである旨が明確化された。

本改訂は、2022年1月1日以降開始する事業年度から適用される。早期適用は認められる。

ステータス

最終基準公表時期

公表済

2.公正価値測定における課税に関するキャッシュ・フローの取扱い

関連IFRS、概要は下記の通り。

関連IFRS

IAS第41号「農業」

概要

IAS第41号第22項は、生物資産の公正価値を測定するためにキャッシュ・フローを見積もる際に課税に係るキャッシュ・フローを含めないこととしている。

一方で、2008年5月のIAS第41号の改訂において、生物資産の公正価値の測定にあたり割引キャッシュ・フロー(DCF)法を採用する場合、税引前の割引率を用いるとする要求事項が削除された。従って、公正価値の測定に使用する割引率は税引前か税引後のいずれかとなるのに対して、キャッシュ・フローの見積りにあたっては課税に係るキャッシュ・フローを含めないこととされているため、公正価値の測定に使用する割引率とキャッシュ・フローが不整合となっていた。

本改訂により、IAS第41号「農業」第22項から、公正価値の測定にあたりキャッシュ・フローの見積りには税金を含めないこととする要求事項が削除された。

本改訂は、2022年1月1日以降開始する事業年度から適用される。早期適用は認められる。

ステータス

最終基準公表時期

公表済

3.親会社より後に子会社が初度適用企業となる場合の、換算差額累計額(IFRS第1号に関連)

関連IFRS、概要は下記の通り。

関連IFRS

IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」

概要

IFRS第1号D16項(a)は、親会社より後に子会社が初度適用企業となる場合、親会社のIFRS移行日に基づいて親会社の連結財務諸表に含められていたであろう帳簿価額により当該子会社が「資産及び負債」を測定することを認めている。ここで、資本項目である在外営業活動体に係る換算差額累計額についても「資産及び負債」と同様に実務上の救済措置を設けるため、IFRS第1号を改訂し、同項の免除規定の範囲を換算差額累計額にも広げることが要望されていた。

本改訂において、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」にD13A項を追加したことにより、すでにIFRSに移行済みの会社の子会社、関連会社および共同支配企業が、その資産負債を親会社等のIFRS移行日に基づいて測定することを選択していた場合、換算差額累計額の測定についても同様の扱いとできる旨が明確化された。

本改訂は、2022年1月1日以降開始する事業年度から適用される。早期適用は認められる。

ステータス

最終基準公表時期

公表済

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