「日本企業の不正に関する実態調査2016」の結果について

「日本企業の不正に関する実態調査2016」の結果について

株式会社KPMG FAS(本社:東京都千代田区、代表:知野 雅彦)は、日本企業における不正の実態把握を目的に、上場企業を対象とした「日本企業の不正に関する実態調査」を行いました。2006年に実施した第1回から数え、本調査は今回で5回目となります。

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この10年の間で最も注目すべき変化は不正発覚の経緯にあります。当初は、内部および外部からの通報によっていたのに対し、最近の調査では業務処理統制による発覚となっています。この調査を始めた当初は、企業の不正リスクに対して特別な管理体制を取るということは一般的ではありませんでしたが、その後米国のエンロン、ワールドコムといった巨額の粉飾事件を受けて、日本でも2009年から財務報告に係る内部統制報告制度が導入されました。しかし、その後も我が国の経済の根幹を揺るがすような重大な企業不正事件の発覚が相次ぎました。これら不正が発生した企業の顛末を目の当たりにし、それを回避するためには、従来型の内部統制とは別に、不正リスクに対する積極的な取組みが必要であるとの認識が定着してきました。このような背景もあり、業務処理統制による不正発覚が増加したという結果になりました。また、昨年はM&Aによって取得した会社からの不正発覚が目立ったため、今回の調査ではM&Aでの不正リスクマネジメントについて新たに質問を設けました。

今回の調査で明らかになった主な点は以下のとおりです。

上場企業の3社に1社の割合で不正が発生している

過去3年間に不正が発生したと回答したと回答した企業は約29%であり、2010年の35%から比べて若干低下した。これは内部統制や内部監査等の管理体制の強化が進められた成果と考えられるが、依然として約30%の企業で不正が発生していることとなり、不正は企業経営における大きなリスク要因となっていることがわかる。

発生率が高いのは「横領・キックバック」、損失額が高額になりやすいのは「会計不正」や「贈賄・カルテル」

2010年の結果と同じく、「横領・キックバック」の割合が最も多かった。この不正の行為者としては管理職以外の正社員が最も多く、またこれによる損失額は1000万円未満のケースが多かった。
一方、「会計不正」は件数としては少なかったものの、取締役や管理職が関与しており、損失額が高額になる傾向がみられ、「贈賄・カルテル」にかかわる不正の多くは1億円以上の損害が生じているという結果になった。

最も多く不正が発覚した経緯は「業務処理統制」から。不正発生の根本的原因として多いのは「属人的な業務運営」

2010年時の調査で最も多かった不正の発覚経緯は「内部通報」であったが、本年の調査で最も多かったのは「業務処理統制(60%超)」であり、「内部通報」は40%に留まった。「業務処理統制」による発覚経緯は2008年の約7%、2010年の約26%から継続して増加傾向にある。

また、「会計不正」が発見されたと回答した企業が多く、これは内部統制の運用が浸透してきた結果と言える。

調査対象 全上場企業。また、企業においてリスク管理に従事されている方や、不正調査の従事経験が豊富な弁護士・公認会計士へのインタビューを実施し、本報告書に有識者コメントとして付記。
調査対象期間 2013年1月1日~2015年12月31日
調査方法 書面でのアンケートおよび対面インタビュー
調査対象会社 2016年5月末時点の全上場企業3,633社
(REIT、外国企業、日本銀行を除く)
回答企業者数 376社(回答率10.3%)

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