「コーポレートガバナンスOverview 2016」の発行について | KPMG | JP

「コーポレートガバナンスOverview 2016」の発行について

「コーポレートガバナンスOverview 2016」の発行について

KPMGジャパン(本部:東京都新宿区、チェアマン:高橋 勉)の日本におけるコーポレートガバナンス改革の動向を調査・分析・発信を行う組織、KPMGジャパン コーポレートガバナンス センター・オブ・エクセレンス(CoE)が、このたび「コーポレートガバナンスOverview 2016」を発行しましたので、お知らせします。

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2015年の「コーポレートガバナンス改革元年」を経て、日本企業は変わりつつあります。それを踏まえ、本レポートでは、「実効性あるコーポレートガバナンスとは何か」、「それをどのように企業価値向上につなげていくのか」など、コーポレートガバナンスを巡る現状の課題と今後の方向性について分析を行っています。本レポートの主な内容は、以下のとおりです。

企業価値向上を目的としたコーポレートガバナンス改革

我が国のコーポレートガバナンス改革は、適切な規律を導入することで経営陣によるリスクテイクを促進し、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的としている。そのため、ガバナンス上の課題に自律的に対応する企業とスチュワードシップ責任を果たす投資家とが「協創関係」を構築し、「建設的な対話」を行うことで、投資家が中長期志向へと投資を転換すること、および企業が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上へと行動していくことが期待されている。

ダブルコードによる対話への機運の高まりとコーポレートガバナンス・コードの実施率の上昇

「日本版スチュワードシップ・コード」と「コーポレートガバナンス・コード」(ダブルコードと総称)の適用以降、投資家と企業との対話の機運が高まるとともに、2016年6月以降に開示された2度目のコーポレートガバナンス報告書による原則への「コンプライ・オア・エクスプレイン」状況は、「コンプライ」している割合(以下、実施率)が同年3月末までと比較して大幅に上昇している(実施率100%の企業は3月末の11%から6月以降は22%へと倍増)。
また、独立社外取締役の複数選任、監査等委員会設置会社への移行急増、任意の指名・報酬諮問委員会設置の急拡大など、一定の改革の成果がみられており、「形」の改革は急速に進んでいる。

ガバナンス改革の方向性(「形」から「運用」、「人材」へ)と「取締役会の実効性評価」への期待

「形の改革」を実効性のあるものにするため、取締役会の役割を見直し、取締役会活性化に資する「運用の改革」が求められる。取締役会の議案の絞り込み、重要案件への時間配分、議事進行方法の見直しなどの取締役会の審議の質の向上および社外取締役の意見の活用などが議論されている。さらに、取締役会に必要な知見と期待される役割の定義を明確にして、社外を含めた取締役・経営陣幹部の指名・選任プロセスの透明性の確保、取締役のトレーニングおよび次世代経営層の育成など「人材の改革」を進めることが期待される。
また、「取締役会の実効性評価」は、企業価値向上に向けて自社の取締役会が目指すべき姿と現状とのギャップから課題を抽出し改善の方向性を見定めることを目的とし、「目指している姿が実現できていること」を評価基準とすることが考えられる。しかし、コーポレートガバナンス報告書では「実効性に疑義はない」だけの開示や「取締役会の議論が活発に行われていることを根拠に実効性ありとしている」など「コンプライ」には不足感があるものも多く、「形」だけの評価・開示となっていないか、また目的に合致した評価ができているかなど、今後比較検討されていくものと考えられる。

投資家との対話における企業による「投資家目線」の理解と非財務的価値の開示の検討

日本のコーポレートガバナンスに満足している国内外の機関投資家はわずか23%※という調査結果から明らかなように、投資家は日本のコーポレートガバナンスでは資本コストを上回るリターンを上げること、すなわち投資家目線での企業価値向上には現状つなげられていないと判断している。その原因として企業価値の定義および期待値に企業と投資家の間で乖離が存在していることが想定され、投資家と「建設的な対話」を実現するには、企業が「投資家目線」を理解した対応が必要となる。
また、自社の事業戦略、財務戦略、成長戦略や資本効率、現在の株価に対する冷静な分析に加えて、非財務的価値についても財務的価値との関連性を意識した開示の強化が重要である。このような情報を開示する手段として統合報告書が注目されてきている。
※エーザイCFO・早稲田大学大学院会計研究科兼任講師 柳 良平氏調査(2015年)

企業と投資家との対話に必要な環境整備の動向

諸外国と比較して、日本の株主総会プロセスにおける対話期間が十分に確保されていない現状が明らかになっている(招集通知の発送から定時株主総会日までの平均期間:日本21日、米国42日、英国40日)。効果的な対話期間の確保を目的に、早期のウェブ開示や議決権行使プラットフォームの活用等、株主総会プロセスの電子化に取り組む企業が増えている。それに加えて、株主総会基準日の柔軟化は今後避けて通ることのできない論点と考えられる。

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