「Harvey Nash/KPMG 2016年度CIO調査」日本語版を刊行

72%のCIOが「デジタルイノベーションの潮流への対応に苦慮している」との調査結果が、KPMGとHarvey Nash社が実施した世界最大規模のグローバルITリーダーを対象に実施した合同調査で明らかになりました。

72%のCIOが「デジタルイノベーションの潮流への対応に苦慮している」との調査結果が、KPMGとHarvey Nash社が実施した合同調査で明らかになりました。

KPMGコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:森 俊哉、以下:KPMGコンサルティング)は、KPMGがハーヴィー・ナッシュ社(本部:英国・ロンドン、CEO:Albert Ellis)と合同で実施した世界最大規模のグローバルITリーダーを対象にした意識調査、「Harvey Nash/KPMG 2016年度CIO調査」(以下、CIO調査)の日本語版を刊行いたしました。

今回の調査では、グローバル企業のIT責任者の最大の関心ごとの1つである「デジタルイノベーションへの対応」について、日本企業のCIO(最高情報責任者)やIT責任者の72%が、「世界的なデジタルイノベーションの潮流への対応に苦慮している」との回答結果が明らかになりました。また、日本企業のIT部門リーダーの多くが、近年の世界的に進むデジタルイノベーションとのギャップを感じていることが窺えます。

日本企業のCIOは、デジタルイノベーションへの対応に苦慮

42%の日本企業のCIOが、「自社のIT予算が前年に比べ増額された」と、回答している反面、76%が世界的に進むデジタルイノベーションの潮流への対応に苦慮している要因として「人材の不足」を挙げています。この数字は、グローバル全体と比較して11%高く、アジア・パシフィック地域のCIOと比べても7%高くなっており、日本企業のCIOが「世界とのスキルのギャップ」を最も懸念していることが窺えます。また、日本のCIOの36%が「今後自社IT人材の増員を検討している」としていますが、グローバル全体(44%)と比較して8%低く、アジア・パシフィック地域(47%)とは11%も低い結果となっています。

世界のCIOが求める人材スキルのトップは「データ分析力」

日本のCIOが人材に求めるスキルにおいては、グローバル全体の結果とおおよそ同じ結果が示され、「データ分析力」が最も求められるスキルとなり、「プロジェクト管理能力」が続き、3番目に「ビジネスアナリシス」と「IT戦略」が同率で続きましたが、「デジタル」と回答したCIOが前年比21%も増えるとともに、「セキュリティ」も17%増加しています。

「過去2年間に自社がサイバー攻撃を受けたことがある」と回答したCIOは30%

さらに、調査結果からは日本のCIOの30%が「過去2年間に自社がサイバー攻撃を受けたことがある」と回答しています。これは、グローバル全体の結果(28%)よりも高い数字でしたが、逆に「自社がサイバー攻撃を受けた際への対策が出来ている」と回答した日本のCIOは僅か11%に留まり、グローバル全体(22%)と大きな開きがあることが明らかになっています。

「今年の調査結果からは、グローバル金融危機の影響もあり日本のCIOの多くが業務を遂行するうえでスキル人材の不足に悩まされたことが窺えます」ハーヴィ-・ナッシュ・ジャパンのマネージング・ディレクターを務めるジョージ・ジョンソン氏は述べています。また、「日本のCIOの39%が「来年度の自社IT予算が今年度に比べ増額される」と回答していることから、企業のITテクノロジーへの投資が増えることが見込まれるが、調査結果からは日本企業が直面している問題の本質は適切な人材の確保です。今後 ますます増えることが予想されるサイバー攻撃への対応をはじめデジタルイノベーションの推進など、日本のCIOはこれまでに経験したことのない役割に挑戦していかなければなりません」とジョンソン氏は語っています。

KPMGコンサルティングのCIOアドバイザリー部門責任者の松本剛は次のように述べています。「CIO 調査における最も重要なメッセージは、CIOの役割が根本的に変化しつつあるという点です。CIOの34%がCEOに直属し、57%が経営委員会またはそれに準ずる委員会に所属しているという状況は、いずれも過去最高を記録するとともに、67%が「2016年にCIOの戦略的影響力がさらに高まる」と予測しています。」さらに、「CIOにはクリエイティブであることが強く求められています。「テクノロジーやビジネスのイノベーションを推進するため、明確なリソース配分の方針が整備されている」という回答はわずか31%に過ぎません。日本のCIOに関しては役割や責任の範囲があいまいであり、既存IT資産の管理を主に行う役割に過ぎないと言われることも多いようです。しかし調査結果からは、たとえ権限が限定されていたとしても主体的に取り組める領域は多々ある、という示唆が得られます。」

日本のCIOに関する主な調査結果

  • 33%のCIOが「自社には組織横断のデジタル戦略がある」と回答する一方、15%のCIOが「自社には組織横断のデジタル戦略がない」と回答しています。
  • 72%のCIOが「社内リソースや予算の不足から、イノベーションを起こせないでいる」と回答しています。
  • チーフデジタルオフィサー(CDO)を設置している日本企業の割合は17%に留まり、グローバル全体平均の19%と比べ「デジタル」への取組みの遅れが窺えます。
  • 「アウトソース予算を増加させる」と回答した日本のCIOは37%(グローバル全体平均:50%)と少なく、社外リソースの活用が進んでいないと言えます。

 

なお、10月6日(木)、CIO賢人倶楽部主催により開催される公開セミナー『常に変化していくCIOの役割とは』において、KPMGコンサルティングのCIOアドバイザリー部門責任者の松本剛が、本CIO調査の詳細について解説を行います。

CIO賢人会セミナー開催概要

開催日時:平成28年10月6日(木)13:00~17:00(12:30より受付開始)
会場:あずさ監査法人 研修室
(住所:東京都新宿区津久戸町1番2号 あずさセンタービル4階)
定員:100名(予定、申し込み者多数の場合は先着順)
受講料:無料

「Harvey Nash/KPMG 2016年度CIO調査」について

「Harvey Nash/KPMG 2016年度CIO調査」は、世界最大規模の回答者数を誇るITリーダーを対象とした調査です。世界82ヵ国、総勢3,352名のCIOおよびテクノロジーリーダーを対象に、2015年12月12日から2016年4月10日にかけて調査を実施いたしました。

ハーヴィ-・ナッシュについて

ハーヴィ-・ナッシュは、エグゼクティブサーチ、高度専門職の紹介、ITアウトソーシングのパイオニア企業です。1988年に創業されて以来、競争が加速し技術力が大きく左右する世界での成功に不可欠である高い技術を持った人材の雇用、人材マネジメントなどに関して、世界のリーディングカンパニーにサービスを提供してきました。 当社のグローバル・グループは米国、ヨーロッパ、アジアにおいて、40以上の拠点を持ち、7,000人のプロフェッショナルが勤務しています。

KPMGインターナショナルについて

KPMGは、監査、税務、アドバイザリーサービスを提供するプロフェッショナルファームのグローバルネットワークです。世界155ヶ国のメンバーファームに174,000名のプロフェッショナルを擁し、サービスを提供しています。KPMGネットワークに属する独立した個々のメンバーファームは、スイスの組織体であるKPMG International Cooperative(“KPMG International”)に加盟しています。KPMGの各メンバーファームは法律上独立した別の組織体です。

KPMGコンサルティングについて

KPMGコンサルティングは、KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジー、リスク&コンプライアンスの3分野でサービスを提供するコンサルティングファームです。戦略、BPR、人事・組織、PMO、アウトソーシング、ガバナンス・リスク・コンプライアンス、ITなどの専門知識と豊富な経験を持つコンサルタントが在籍し、金融、保険、製造、自動車、製薬・ヘルスケア、エネルギー、情報通信・メディア、サービス、パブリックセクター等のインダストリーに対し、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。

本調査に関するお問い合わせ先

KPMGコンサルティング株式会社
ITA/CIOアドバイザリー
担当:松本
jp-fmcioa-marketing@jp.kpmg.com

本ニュースリリースについてのお問合せ先

KPMGコンサルティング株式会社
マネジメント・コンサルティングユニット
担当:高橋・鈴木
kc@jp.kpmg.com
03-3548-5111(代表)

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