2015年KPMGグローバル自動車業界調査結果について | KPMG | JP

2015年KPMGグローバル自動車業界調査結果について

2015年KPMGグローバル自動車業界調査結果について

監査、税務、アドバイザリーサービスを提供するプロフェッショナルファームのグローバルネットワークであるKPMG(本部:オランダ、会長:ジョン・B・マイヤー)は、この度「KPMGグローバル自動車業界調査」の結果をまとめましたので、お知らせします。

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本調査は、世界の自動車業界の現状と将来の展望を分析することを目的に、KPMGが毎年行っている調査です。16回目となる本調査では、世界32カ国の主要自動車関連企業の幹部200名を対象にインタビューを行い、自動車関連業界の現状を調査するとともに、今後数年間の戦略を立案する上でのポイントをまとめています。今回の調査で以下のような重要な業界動向が明らかとなりました。

  • 世界の自動車業界における今後10年間の最も重要なトレンドは、依然として「新興市場の成長」である(2013年:43%、2014年:52%、2015年:56%)。
  • 次に重要なトレンドとして、「内燃機関の小型化および最適化」(49%)と「プラットフォームやモジュール標準化の推進」が挙げられている(48%)。
  • 世界では「内燃機関の小型化および最適化」が重要視されているが、日本においては今後10年間は「燃料電池車」を重要視している人が最も多く(44%)、グローバル(18%)と比較すると、2倍以上の開きとなっている。
  • 回答者の3分の2が自らの組織成長が最重要な戦略だと考えている。その次に重要な戦略として、バリューチェーンの拡大と多角化を挙げている。
  • 今後5年間に市場シェアを拡大すると予測しているブランドとして、78%の回答者が現代グループを挙げており、フォルクスワーゲングループがそれに続いている。

調査方法

調査期間 2014年7月~8月
調査対象者 自動車メーカー、サプライヤー、販売ディーラー、金融サービス会社、レンタル会社やモビリティサービスプロバイダー等、世界自動車関連企業の幹部レベル200名
調査方法 電話によるインタビュー
調査対象地域 日本・中国・韓国(25%)、西欧(22%)、東欧(15%)、北中米(13%)、南米(13%)、インド・東南アジア(10%)、その他(4%)
対象企業規模 全回答企業のうち98%が業務収益1億米ドル以上の企業であり、39%が100億米ドル以上の企業

2015年KPMGグローバル自動車業界調査エグゼクティブサマリー

本調査結果の概要は以下のとおりです。

1.モビリティ文化

モビリティ文化に対するエグゼクティブの見方は、新たに出現しつつある将来のモビリティエコシステムに向けた明確な道筋を示すというよりは、現状を反映したものとなっている。

【2025年までの自動車業界の主要トレンド】

新興市場の成長が最も重要なトレンドである。

依然として新興市場の成長が最も重要なトレンドである。

  • 革新的な重要トレンドである代替パワートレイン技術、モビリティサービス、自動車のコネクティビティ(ネットワーク化)を「2025年までの極めて重要な主要トレンド」と評価しているのは少数
2025年までの自動車業界の主要トレンド 2015年 2014年 2013年
1.新興市場の成長 56% 52% 43%
2.内燃機関の小型化および最適化 49% 40% 36%
3.プラットフォームやモジュール標準化の推進 48% 42%

※「極めて重要」と選択した回答者の割合

【2025年までの重要な自動車技術トレンド】

グローバルベースでは、約半数の回答者が内燃機関の小型化を重要視しているが、日本においては燃料電池車を重要視している人が最も多い。

  • 今後10年間の自動車業界における重要な技術トレンドとして、グローバルベースでは約半数の回答者が内燃機関の小型化を挙げている。燃料電池車を挙げた人は18%と、バッテリー式電気自動車を挙げた人(9%)の2倍となっている。
  • 日本においては燃料電池車を重要視している人が44%と最も多く、次いで内燃機関の小型化(38%)、バッテリー式電気自動車(31%)となっている。
極めて重要と
回答した率(%)
内燃機関の
小型化
バッテリー式
電気自動車
燃料電池車
グローバル 49% 9% 18%
ブラジル 40% 15% 30%
中国 44% 4% 12%
ドイツ 38% 13% 19%
インド 47% 0% 7%
イタリア 17% 0% 33%
日本 38% 31% 44%
メキシコ 25% 0% 25%
ロシア 67% 13% 13%
韓国 63% 0% 13%
英国 63% 0% 0%
米国 55% 10% 10%

【2020年までの自動車購入時の検討要因】

今後5年間、自動車購入時の検討要因に大きな変化はなく、革新的なコンセプトとオンラインサービスは重視されない。

  • 今後5年間、従来と同様に燃料効率が最も重視される
  • 近年になって製品リコールが多発していることから、前年と比較して自動車寿命の延伸や安全性がより重要視されている
自動車購入時の検討要因 2015年 2014年 2013年
1.燃費効率 67% 66% 68%
2.自動車寿命の延長 53% 45% 19%
3.安全性に関する革新 52% 48% 46%

※「極めて重要」と選択した回答者の割合

【自動車セグメントの変化】

今後5年間、成熟市場と新興市場の双方で小型車およびベーシックカーセグメントの高成長性が見込まれる。

  • 成熟市場では大型車セグメントで販売が減少する一方で、2020年までは小型車およびベーシックカーセグメントが成長する
  • BRICsではすべてのセグメントで非常に大きな成長性を見込んでいる。2020年までは小型車とベーシックカーが特に重視される
2020年までのセグメント別変化 主要三地域* BRICs
小型車およびベーシックカー 81% 79%
サブコンパクト 75% 75%
コンパクト 61% 72%
ミドルサイズ 49% 73%
大型 25% 57%
スポーツ 30% 60%
ピックアップおよびSUV 27% 59%
MPVおよびバン 27% 53%

※セグメントサイズが「増加する」と選択した回答者の割合
*主要三地域:日本、西欧、北米

【自動車の所有と利用】

2025年まで、すべての年齢層で自動車の所有を重要と考える。

  • 大多数の回答者が、25~50歳の年齢層で自動車を所有することの重要性について議論の余地のないと考えている
  • 5~10年後には、成熟市場と新興市場の双方で、モビリティサービスが重要な収益源となる
自動車保有の重要性 25歳以下 25~35歳 35~50歳 50歳以上
自動車メーカー 45% 72% 78% 45%
ディーラー 80% 100% 95% 80%
金融/サービスプロバイダー 65% 85% 90% 65%

※自動車保有が「重要」と選択した回答者の割合

モビリティソリューションが
重要な収益源となる時期
主要三地域 BRICs
既に重要 27% 16%
5年以内 34% 32%
10年以内 27% 41%
10年以上先 8% 11%
重要な収益源になることはない 4% 0%

2.技術の変化

技術開発のロードマップについては、依然として、従来の化石燃料をベースとした技術の最適化が最重視されている

【2020年までの投資の優先度】

今後5年間、パワートレインについてはダウンサイジングが依然として最大の投資領域である

  • 主要三地域においては、ダウンサイジングへの投資の勢いは前年比では低下
  • 第二の投資先は燃料電池車であり、純粋なバッテリー自動車技術から重点が移行
今後5年間のパワートレイン技術への投資 2015年 2014年 2013年
~主要3地域~
1.内燃機関の小型化 32% 46% 20%
2.燃料電池車 19% 11% 8%
3.ハイブリッドシステム 18% 11% 19%
4.プラグインハイブリッド 15% 13% 29%
5.バッテリー式電気自動車 15% 19% 24%
~BRICs~
1.内燃機関の小型化 41% 42% 33%
2.燃料電池車 23% 8% 14%
3.ハイブリッドシステム 12% 13% 14%
4.プラグインハイブリッド 17% 16% 20%
5.バッテリー式電気自動車 7% 22% 20%

※「極めて重要」と選択した回答者の割合
※バッテリー式電気自動車には、レンジエクステンダー付きのものを含む

【2020年までの電気自動車技術のトレンド】

今後5年間は、プラグインハイブリッドカーが最も需要を喚起する電気自動車技術となる。

  • プラグインハイブリッドカーは依然として最重要と評価されているものの、徐々に重要度が低下
  • 燃料電池車の需要が拡大するという回答が年々増加
今後5年間に消費者需要を
最も喚起する電気自動車技術
2015年 2014年 2013年
1.プラグインハイブリッドカー 30% 35% 36%
2.バッテリー式電気自動車 29% 31% 28%
3.燃料電池車 27% 24% 17%

※「極めて重要」と選択した回答者の割合
※バッテリー式電気自動車には、レンジエクステンダー付きのものを含む

【電気自動車の普及】

2025年には電気自動車が大きなマーケットシェアを持つという結果が出ているが、投資優先課題の結果とズレが見られる。

  • 西欧と中国では、新車登録台数全体に占める電気自動車の割合が2025年に11~15%になる
  • 北米についてはさらに楽観的で、16~20%になる
2025年における、
新車登録台数全体に占める電気自動車の割合
西欧 北米 中国
1~5% 5% 0% 4%
6~10% 20% 12% 20%
11~15% 43% 28% 68%
16~20% 18% 48% 8%
21~25% 14% 12% 0%

【コネクティビティ】

コネクティビティの最後の発展段階としての自動運転車の普及は、メディアの注目にかかわらず、まだ先になると見られている。

  • 日本や韓国といったアジアの成熟市場では自律運転技術に関して比較的楽観的で、今後20年以内に飛躍的な進展が見られると考えているのに対して、欧米や中国では慎重な予測がされている
自動運転車が実用化される時期 西欧 北米 中国 日韓
5~10年後 11% 4% 0% 17%
11~20年後 20% 8% 28% 33%
21年以上先 43% 60% 52% 29%
実用化される時期は来ない 25% 28% 20% 21%

3.ビジネスモデルの即応性

短期的には既存の自動車メーカーが変化するモビリティエコシステムに対処できると考えられる

【ビジネスモデルは崩壊する?】

今後5年間、大きなビジネスモデルの転換や破壊的な変化は起こらない。

  • 回答者の大多数は今後5年間に破壊的なビジネスモデルの変化がないと考えている
  • 自動車メーカーが依然として顧客との関係を維持し続ける
今後5年間で、破壊的なビジネスモデルの変化は訪れるか? 回答
非常にそう思う 3%
そう思う 9%
どちらともいえない 32%
そう思わない 43%
全くそう思わない 14%

 

顧客との関係を持つのは誰か? 回答
自動車メーカー 72%
小売業者 15%
モビリティソリューションプロバイダー 8%
コネクティビティプロバイダー 4%
その他 2%

※端数の四捨五入のため、合計が100%にならない

今後5年間の事業戦略や投資戦略は、依然として保守的なままである。

  • 回答者の3分の2が、自らの組織成長が最重要な戦略であると考えている
  • 前年と比較すると「バリューチェーンの拡大と多様化」や「他業界企業との連携」が増加していることから、変化するモビリティエコシステムに対処していく必要性があると考えていることがうかがえる
将来の成功のために重要と考えられる事業戦略は? 2015年 2014年 2013年
1.組織的成長 67% 63% 24%
2.バリューチェーンの拡大と多角化 54% 49% 22%
3.関係の深まる他業界企業との連携 49% 48% 20%
4.事業提携 45% 38% 34%
5.コア(あるいはノンコア)業務のアウトソーシング 30% 24% 18%
6.M&A 23% 16% 14%

※「極めて重要」と選択した回答者の割合

【新たなモビリティエコシステムへの即応性】

今後10年間は、従来の自動車メーカーのブランドが最も重要になると見込まれている。

  • 今後10年間は、高級車市場と大衆車市場の双方で、従来の自動車ブランドが顧客にとって最も重要なものであり、その次に電気自動車メーカーのブランドが続く
  • 今後10年間は、従来の1次サプライヤーのブランドよりもICT分野のブランドの方が顧客にとって重要となる
  • ダイムラー、BMW、GMといったグローバルな自動車メーカーが最も優れた態勢を整えており、フォルクスワーゲン、トヨタ、フォードがそのすぐ後を追う
  • 新規参入企業のテスラは、認知度および市場浸透率で既存の自動車メーカーに大きな遅れがある
今後10年間で、最も重要なステークホルダーは? 回答
1.プレミアムブランド(メルセデス、BMWなど) 34%
2.大衆自動車ブランド(日産、フォルクスワーゲンなど) 32%
3.純粋な電気自動車ブランド(テスラ、BMW iなど) 13%
4.ソフトウェア/インターネットブランド(Google、アップルなど) 5%
5.既存の1次サプライヤー(コンチネンタル、ヴァレオなど) 3%
6.その他のテクノロジー企業(パナソニック、IBMなど) 2%

※「極めて重要」と選択した回答者の割合
※端数の四捨五入のため、合計が100%にならない

4.成果を上げる態勢の整備

2020年までに自動車メーカーの勢力図に大きな変化はない。

  • 現代グループのグローバルマーケットシェアが拡大するとみられる
  • フォルクスワーゲンは、同社に最も近い競合企業であるトヨタやGMよりも今後の伸びが期待されている
  • 奇瑞汽車(Chery)は、2020年までのマーケットシェアの拡大という点で、中国の自動車メーカーの中では最も将来性がある
  • もうひとつの新興自動車メーカーであるタタは、極めて好ましい評価を得ており、マーケットシェアを拡大すると見られる

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KPMGジャパンは、KPMGインターナショナルの日本におけるメンバーファームの総称であり、監査、税務、アドバイザリーの3つの分野にわたる8つのプロフェッショナルファームによって構成されています。クライアントが抱える経営課題に対して、各分野のプロフェッショナルが専門的知識やスキルを活かして連携し、またKPMGのグローバルネットワークも活用しながら、価値あるサービスを提供しています。日本におけるメンバーファームは以下のとおりです。
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