「日本企業の不正に関する実態調査(2014年)」の結果について | KPMG | JP

「日本企業の不正に関する実態調査(2014年)」の結果について

「日本企業の不正に関する実態調査(2014年)」の結果について

株式会社KPMG FAS(本社:東京都千代田区、代表:知野 雅彦)は、日本企業における不正の実態把握を目的に、上場企業を対象とした「日本企業の不正に関する実態調査」を行いました。

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本調査は4回目の実施(*1)となりますが、今回の調査では、不正発覚の経緯の最多は、従来の通報制度から、業務処理統制によるものに変化しており、各企業が不正防止体制強化に注力してきた結果が表れたものとなりました。また、共謀による不正行為が約半数を占めていた点や、海外不正への対応はいまだ管理体制強化の途上にある点など、今後、各企業が不正防止体制強化を継続するにあたり、真に有効な不正防止対策とは何か、そのポイントを考えるためのヒントを含んだものとなりました。

今回の調査で明らかになった点は、以下のとおりです。

不正関連の開示件数は年々増加傾向

不正関連事案の年度別公表件数は、微増の傾向を示した。会計不正系、横領系、それぞれの件数を見ると、会計不正系は年々増加しているのに対し、横領系は減少しているという結果であった。会計不正系は、「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」が適用されたことにより、従来は開示されなかった過年度を含む会計上の修正が、過年度訂正として開示されている事例が増加しているといった要因があるものと推測される。なお、本調査において会計上の過年度訂正に関する開示は、原因が不正か誤謬かの判断が困難なものも存在するため、全ての過年度訂正は集計上、会計不正系に含めて分析の対象としている。横領系は、減少傾向を示していることから、不正防止体制強化の効果が出ているとも考えられるが、不正実施期間との関連もあることから、これを結論づけるには、今後も推移をみる必要がある。

不正関連の開示を行った企業は、全上場企業の4%

調査対象期間において、不正に関する開示を行った企業数は138社であった。これは、2013年12月末時点における上場企業数の4%にあたる。業種別の開示企業割合を分析すると、「流通」「サービス」において比較的高いという結果となった。

経営者が関与した不正は不正全体の26%

経営者が関与した不正(以下、「経営者不正」という)は、全体の26%、つまり4分の1が経営者不正であった。一方、不正発生割合は、上場市場全体の4%である、つまり、上場企業の1%がこのような不誠実な経営者によりコントロールされた企業であるということであり、公正な市場という観点から一考の必要がある数字であると考える。

不正の発覚経路は業務処理統制が最も多い

不正発覚の契機は、過去3回の調査では通報制度を契機として発覚したものが最も多いという結果になっていたが、今回は業務処理統制が最も多いという結果になった。この理由としては、内部統制報告制度が定着し、内部管理が強化されたためではないかと考えられる。この点からは、不正防止体制強化は一定の成果が出つつあることが明らかとなった。また、不正の発覚経路として、当局調査による発覚件数も20件を超えていた。当局調査により発覚した不正には、証券取引等監視委員会により指摘を受けた会計不正や、税務調査を契機として発覚したキックバック不正等があった。

外部委員会による調査は不正全体の29%

全体の29%の不正事案において、外部委員会による調査が行われていた。また、不正による損失額の純資産に対する割合が50%を超える事案では、60%超の割合で外部委員会による調査が行われていた。不正による損失額が大きい事案は、市場や企業経営に与える影響が大きくなりやすいことから、より客観的な調査を行う必要があったためであると思われる。

多くの企業は、不正防止を重要な経営課題の1つとして位置付け、ここ数年、不正防止体制強化に多くのリソースを投入してきました。ただし、どんなに強固な不正防止体制を構築しても、不正発生をゼロにはできません。よって、今後は不正防止体制強化を行うと同時に、不正発生時の損失の最小化が重要です。そのためにはできるだけ早期に不正を発見することが重要であり、内部管理の運用強化によりこれを達成することが望まれます。

調査対象 東京証券取引所が運営する「適時開示情報閲覧サービス」に公開された適時開示情報
調査対象範囲 全上場企業
調査対象期間 2011年1月1日~2013年12月31日
調査方法 「適時開示情報閲覧サービス」に公開されている適時開示情報のうち、会計不正系、横領系の不正(資産の横領、不正支出、キックバックを含む)の事案を抽出し、分析を行った。なお、会計情報の過年度訂正に関する開示については、開示情報のみでは不正か誤謬かの判断(背景に不正の意図があるか否かの判断)が困難なものが存在したが、本調査ではそれらの過年度訂正は会計不正系に含めて分析の対象とした。
分析事案数 148事案(138社)

(*1)日本企業の不正に関する実態調査は2006年、2008年、2010年にも実施しており、本調査で4回目となります。前回までは、全上場企業に対して書面アンケートを送付し、回答を得る方式を採用しておりましたが、今回は開示対象となった不正の分析に焦点を絞ることを目的とし、各企業が開示した情報を集計し分析する方式を採用いたしました。

日本企業の不正に関する実態調査(2014年)については、こちらからご請求いただけます。

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KPMG FASは、フィナンシャル・アドバイザリー業務を提供する会計系アドバイザリーファームのリーディングファームとして、企業が抱える様々な経営課題の解決や企業価値向上を支援しているプロフェッショナルファームです。リストラクチャリング(企業・事業再生)、コーポレートファイナンス(M&Aアドバイザリー、バリュエーション)、トランザクションサービス(デューデリジェンス)、ストラテジーグループ(経営戦略)、フォレンジック(不正調査)の5つのサービスラインを有し、企業活動のあらゆるニーズに対応すべく、ワンストップサービスを提供しています。

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不正公表年別件数

不正カテゴリ別、公表年度別発生件数

不正発生に関する開示を行った企業の業種別割合

経営者の関与

不正発覚経路と不正カテゴリ

調査委員会の構成

調査委員会の構成と純資産影響割合

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