「KPMG再生可能エネルギー業界M&A調査2012」について

「KPMG再生可能エネルギー業界M&A調査2012」について

監査、税務、アドバイザリーサービスを提供するプロフェッショナルファームのグローバルネットワークであるKPMG(本部:オランダ アムステルフェーン、会長:マイケル・J・アンドリュー)は、この度「KPMG再生可能エネルギー業界M&A調査2012」を発表(英語版/日本語版対訳)しました。

関連するコンテンツ

本調査は、再生可能エネルギーセクターにおける全世界的なM&Aの現状と動向を把握することを目的に、2008年からKPMGが毎年行っている調査です。5年目となる今回の調査では、世界各国で再生エネルギーに従事する企業、規制当局、金融機関等から500名の幹部を対象に調査を行うとともに、11名の幹部には直接インタビューを行い、再生可能エネルギー業界を取り巻くM&Aの環境と今後の傾向について分析しました。

調査結果から浮かび上がってきた世界の再生可能エネルギー業界M&Aの現状と、多くの業界関係者が考える今後の動向は以下のとおりです。

電力会社によるポートフォリオの再編

この一年は、欧州の大手電力会社による相次ぐ再生可能エネルギー関連の資産の売却および新規買収の抑制が顕著であった。しかし業界関係者は大手電力会社が再生可能エネルギー投資に関する従来の方針を大きく転換したとはみておらず、投資効果の低い地域のノンコア事業を売却していると位置付けている。また、欧州の大手電力会社の多くは、現在、既存の再生可能エネルギープロジェクト・ポートフォリオの開発と運転開始へと重点を移している。

ようやく動き始めたアジア

アジア企業は2011年、アジア域外の29件、総額21億ドルの再生可能エネルギー関連の買収を公表した。これは、2010年の取引件数を50%超上回り、今後も勢いが衰える兆しはみえない。

回答者の40%超が再生可能エネルギー分野の新たな投資家は中国から出現する可能性が最も高いと考えているが、25%は日本から出現すると考えている。

米国-投資家に最も人気が高い国に立ち込める規制関連の暗雲

回答者の46%超が今後18カ月の間に米国を対象とすることを計画しており、米国は再生可能エネルギーの投資家にとって、引き続き最も魅力的な市場である。

しかし、現在米国は政策上の不透明感によって厳しい時期を迎えている。米国の風力発電プロジェクトの資金調達面で最も重要であった風力エネルギーの生産税控除(PTC)が2012年末に期限切れとなる予定で、更新される見通しは立っていない。回答者の80%超は、PTCの延長が米国の風力セクターへの投資に最も重要であると考えている。

再生可能エネルギーの進展を後押ししてきた助成金制度が2011年末に期限切れになった。当該助成金制度の代替として、タックス・エクィティ市場の復活の兆候が2012年当初に認識されている。しかし、助成金制度の代替としてタックス・エクィティだけでは不十分というのが一般的な回答である。

ユーロ圏の危機:各国政府は補助政策のコミットメントを撤回するのか?

PIIGS諸国(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ及びスペイン)は好景気時に実施した再生可能エネルギーの補助政策のツケを、景気低迷期である現在、支払わねばならなくなっている。当時の補助政策を国が遡及的に撤回しようとしたために市場に不透明感が漂い、投資家による異議申し立てが起こった。

ユーロ危機が将来のM&A活動に与える影響は、各国市場によって異なる。ギリシャでは沈滞が続き、スペインでは既存のFiTを遡及的に変更する可能性がある限り、投資家は慎重姿勢を維持する可能性が高い。イタリアでは、2011年の過剰投資の結果、再生可能エネルギー関連の資産が売却される可能性が高く、中期的なM&A市場は活発な見込みである。

一方、相対的に安全な市場とみられているドイツや北欧諸国では、再生可能エネルギー関連の資産をめぐる投資家間の競争激化が予想される。

洋上風力:適切な資金調達スキームの確立

洋上風力発電は大規模事業のため、投資家やM&Aプレーヤーの多くは大手電力会社や日本の商社のような戦略的投資を行う事業会社、あるいは年金基金や生保等の直接投資を行う大手金融機関に限られる。そのため、洋上風力は再生可能エネルギーの中で2番目に人気が低い(回答者のうち、今後18カ月以内に洋上風力発電資産に投資を考えているのは21%である)。

洋上風力プロジェクトに伴う建設リスクは、洋上風力の稼働実績が限られているため、インフラ投資ファンド等の参入が容易ではないことである。

一方、多くの銀行は洋上風力プロジェクトへの資金提供に以前より積極的になってきている。回答した銀行の内、約45%が今後18カ月以内に洋上風力プロジェクトへの資金提供を計画している。

今やコスト効率が全て

長年、再生可能エネルギー業界では、グリッド・パリティは達成されるのか、という疑問が呈されていた。しかし今や、達成の成否ではなく「いつ達成するのか」という時間の問題になりつつある。

2011年も再生可能エネルギーのコストは大幅に下がり続けた。ソーラー発電のコストは東アジアのサプライチェーンの大幅拡大によって低下し、また陸上風力のコストも急速に下がっている。

回答者の多くは、継続的にコスト効率が改善するため、再生可能エネルギーの新規建設は各国の補助政策の影響はさほど受けないとの見解を示している。また、回答者の75%は技術の進歩によって技術において、数年以内にグリッド・パリティが達成されるため、新規建設は安定的に推移すると予想している。

調査方法

調査期間
2012年2月~4月
調査対象者
事業会社、金融機関、市場における資金提供者、政府およびサービス提供者を含む再生可能エネルギー業界関係企業・団体の幹部レベル500名。
調査方法 アンケートおよびインタビュー
調査対象地域 欧州30%、北米30%、アジア太平洋30%に加え中東、アフリカ、及び南米をカバーしている

「Green Power 2012」の日本語版対訳と英語版は下記のページからご覧いただけます。

日本語版対訳の資料全文をご希望の方は、資料請求ページからお申し込みください。

お問合せ

 

RFP(提案書依頼)

 

送信

新デジタルプラットフォーム

新機能の実装と新デザイン