ベトナムで就労する外国人労働者の強制社会保険に関するガイダンス

2018年10月15日、ベトナム政府は社会保険法及び労働安全衛生法における、ベトナムで就労する外国人労働者の強制社会保険に関する詳細なガイダンスDecree 143/2018/NDCP(以下、「Decree143」という)を発行しました。

2018年10月15日、ベトナム政府は社会保険法及び労働安全衛生法における、ベトナムで就労する外国人労働者の強制社会保険に関する詳細なガイダンスDecree 14 ...

強制社会保険加入の対象者

ベトナム当局より発行された労働許可証、実務証明書あるいは実務公認書を有し、無期限労働契約又は1年以上の労働契約を有する、ベトナムで就労する外国人は、強制社会保険加入の対象になります。
ただし、上記条件に該当しても、Decree 11/2016/ND-CP第3条1項で規定される企業内人事異動で就労する外国人、就労年齢(男性60歳、女性55歳)を経過した外国人は強制社会保険加入の対象にはなりません。
孫会社や兄弟会社への出向など、直接投資会社外からの出向についても企業内人事異動に該当するか不透明なため明確化が待たれます。

社会保険料率及び算出基礎額

保険料率


2018年12月1日~2021年12月31日

負担者 疾病及び
妊娠出産基金
労働災害及び職業病基金 退職年金及び遺族基金 合計
従業員負担 - - - -
雇用主負担 3% 0.5% - 3.5%


2022年1月1日以降

負担者 疾病及び
妊娠出産基金
労働災害及び職業病基金 退職年金及び遺族基金 合計
従業員負担 - - 8% 8%
雇用主負担 3% 0.5% 14% 17.5%



社会保険料の算出基礎額は、労働契約で規定される基本給、賃金性手当及びその他の補充額の合計となります。
なお、算出基礎額は政府が規定する公務員の最低賃金(1,390,000VND/月)の20倍が上限となります。

強制社会保険に加入した外国人に適用される便益

外国人は疾病、妊娠出産、労働災害、職業病、退職及び死亡(遺族が受給)の際に給付金を受給することができます。
以下のケースで、外国人は社会保険一時金を受給することができます。

  • 定年に達したものの社会保険料納付期間が20年未満の場合
  • 保健省の定める重疾病に罹った場合
  • 退職年金を受給する権利があるが今後ベトナムに居住しない場合
  • 労働許可証の有効期限が満了したものの延長をしない場合

2014年公布の社会保険法に従い、社会保険料納付期間1年につき、社会保険料の算出に用いた平均月給の2カ月分に相当する金額を受けることができます。
ベトナム政府は労働傷病兵社会省に関連する当局と連携し、社会保険に関する二国間又は多国間の協定を締結するよう指示しました。
Decree143とベトナムが加盟する国際協定で規定される取扱いが異なる点があれば、国際協定の取扱いが優先されます。
Decree 143は2018年12月1日から有効となります。

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