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税務情報(2018.8-9)

税務情報(2018.8-9)

本稿は、2018 年8月から9月に財務省・国税庁等から公表された税務情報ならびにKPMG税理士法人のウェブサイトに掲載している情報をまとめてお知らせするものです。

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I.2018年度税制改正

1.経済産業省 - 「賃上げ及び投資の促進に係る税制」に関するガイドブック及びQ&A集を公表

8月8日、経済産業省は、2018年度税制改正で創設(所得拡大促進税制から改組)された「賃上げ及び投資の促進に係る税制」(租税特別措置法第42条の12の5)について、大企業向けに作成された以下の資料をウェブサイトの「賃上げ・生産性向上のための税制」というページに公表しました。

  • 平成30年度創設 賃上げ・生産性向上のための税制 ご利用ガイドブック

全19ページのガイドブックで、制度の概要や適用要件の詳細な解説等が掲載されています。

  • 平成30年度創設 賃上げ・生産性向上のための税制 よくあるご質問Q&A集

以下の4章で構成されているもので、全77問のQ&Aが掲載されています。

  1. よくあるご質問(旧所得拡大促進税制(大企業)と同様)
  2. よくあるご質問(主に、旧所得拡大促進税制(大企業)との変更点)
  3. 設備投資について
  4. 教育訓練費について


上記に関するe-Tax News

KPMG Japan e-Tax News No. 159(2018年8月10日発行)

2.中小企業者等に対する固定資産税の特例措置に関する情報

2018年度税制改正では、中小企業者等が機械設備等を取得した場合に、その機械設備等に係る固定資産税が3年間、ゼロから1/2までの各市区町村の条例で定める割合に軽減される特例措置が創設されました。この固定資産税の特例措置に関して、中小企業庁及びリース事業協会から以下の情報が公表されました。


中小企業庁

固定資産税ゼロの措置を講じた市区町村の一覧表で、東京23区を含む1,500以上の市区町村が掲載されています。
また、中小企業庁のウェブサイトの「経営サポート『生産性向上特別措置法による支援』」というページには、この一覧表のほか、固定資産税の特例措置に関する概要資料、手引き、Q&Aや申請書の様式等も掲載されています。


リース事業協会

この手引きは、中小事業者等がファイナンス・リース取引により設備を導入した場合の固定資産税の特例措置の適用関係を解説するもので、制度の概要や手続きのほか、全32問のQ&Aなども含まれています。
また、リース事業協会のウェブサイトの「設備投資減税」というページには、この手引きのほか、2016年度税制改正で措置(2017年度税制改正で対象設備が拡充)された中小企業等経営強化法に基づく固定資産税特例措置の手引きや、ファイナンス・リース取引により設備を導入した場合に適用が受けられる設備投資減税を紹介するパンフレット、Q&Aなども掲載されています。

II.タックスヘイブン対策税制

国税庁 - タックスヘイブン対策税制に係るQ&Aを更新

国税庁は8月31日、2018年1月公表の「平成29年度税制改正 外国子会社合算税制に関するQ&A(情報)」の内容を更新した、以下のQ&Aを公表しました。

このQ&Aでは、1月に公表された初版の内容に、以下の2つの解説及びQ&Aが追加等されています。


(1)ペーパー・カンパニーの判定における実体基準又は管理支配基準を満たすことを明らかにする書類等について

2017年度税制改正により、国税当局の職員が、内国法人に係る外国関係会社が実体基準又は管理支配基準を満たすこと(ペーパー・カンパニーに該当しないこと)を証明する書類の提出等を求めた場合において、その職員が定めた期限までにその提出等がないときは、その外国関係会社は実体基準又は管理支配基準を満たさないものと推定することとされる規定が設けられました(租税特別措置法第66条の6第3項)。
今回、Q&AにQ8の2が追加され、実体基準又は管理支配基準を満たすことを証明する書類等の具体例が示されました。


(2)ペーパー・カンパニー等の整理に伴う一定の株式譲渡益の免除特例について

2018年度税制改正では、内国法人が外国企業を買収した場合に、その傘下に存在するペーパー・カンパニー等を整理(譲渡)する際に生ずる一定の株式譲渡益を会社単位の合算課税の対象から除外することとする措置が講じられました(租税特別措置法施行令第39条の15第1項第5号、第2項第18号)。
新たなQ&Aでは、Q8の3において、この措置の適用関係を具体例に基づき整理しています。
また、この措置の適用を受けるためには、ペーパー・カンパニー等の譲渡が一定の事項を記載した「統合計画書」に基づいて行われるものであることが必要ですが、この統合計画書に関する以下の情報も掲載されています。


統合計画書の具体例

経済産業省は、8月31日、財務省及び国税庁の確認のもと、「CFC税制(租税特別措置法施行令第39条の15第1項第5号二)における統合計画書(PMI計画書)の具体例について」を公表しており、このリンクも紹介されています。


統合計画書の作成時期等

統合計画書は本特例措置の対象となる株式の譲渡が行われる前までに作成する必要があるとともに、統合計画書の内容につき変更すべき事項があれば、その譲渡が行われるまでに変更していれば本特例措置の対象となることが明らかにされています。


上記に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No. 160(2018年9月3日発行)

III.消費税

国税庁はウェブサイトに「消費税の軽減税率制度について」というページを設け、軽減税率やインボイス制度に関するさまざまな情報を掲載しています。
このページに、下記の新たな情報が掲載されました。

1.消費税軽減税率制度の手引き

国税庁は8月9日、「消費税軽減税率制度の手引き」を公表しました。

2019年10月1日に予定されている消費税率の8%から10%への引上げに伴い、飲食料品の譲渡等については軽減税率を適用する複数税率制度が導入されます。この手引きは、事業者の方に対し、消費税の軽減税率制度が、取引や日々の業務にどのような関係があるかについて、理解を深めていただくために作成されたもので、7つのセクションを通して制度の概要が網羅的に説明されています。

IV.租税条約

1.BEPS防止措置実施条約(MLI) - 発効

財務省は9月27日、「税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約」(BEPS防止措置実施条約)の受託書を、9月26日に本条約の寄託者である経済協力開発機構(OECD)の事務総長に寄託したことを公表しました。これにより、BEPS防止措置実施条約は、日本について、2019年1月1日に発効することになります。
BEPS防止措置実施条約とは、BEPSプロジェクトにおいて策定されたBEPS防止措置のうち租税条約に関連する措置を、本条約の締約国間の既存の租税条約に、同時かつ効率的に導入するための仕組みです。


財務省プレスリリース
日本語:BEPS防止措置実施条約が発効します
英語:Convention to Implement Measures to Prevent BEPS will Enter into Force


上記に関するKPMG Japan tax newsletter (2018年9月28日発行)
BEPS防止措置実施条約(MLI)(日本語)
Multilateral Instrument(MLI)(英語)

2.エクアドルとの租税条約 - 締結交渉の開始及び実質合意

日本国政府とエクアドル共和国政府は、租税条約の締結交渉を2018年8月27日より開始していましたが、財務省は9月5日、両政府が実質合意に至ったことを公表しました。
この条約は、両国政府内における必要な手続を経たうえで署名され、その後、両国における承認手続(日本の場合は、国会の承認を得ることが必要)を経たうえで発効することとなります。


財務省プレスリリース
日本語:エクアドルとの租税条約の締結交渉を開始します
エクアドルとの租税条約について実質合意に至りました

英 語:Negotiations for Tax Convention with Ecuador will be Initiated
Tax Convention with Ecuador Agreed in Principle

3.リトアニアとの租税条約 - 発効

財務省は8月31日、「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とリトアニア共和国との間の条約」(2017年7月13日署名)を発効させるための外交上の公文の交換が同日に行われたことを公表しました。これにより、本条約は2018年8月31日から効力を生じ、日本においては、原則として、次のものについて適用されます。

  • 課税年度に基づいて課される租税:2019年1月1日以後に開始する各課税年度の租税
  • 課税年度に基づかないで課される租税:2019年1月1日以後に課される租税


財務省プレスリリース
日本語:リトアニアとの租税条約が発効しました
英語:Tax Convention with Lithuania Entered into Force

4.エストニアとの租税条約 - 発効

財務省は8月31日、「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とエストニア共和国との間の条約」(2017年8月30日署名)を発効させるための外交上の公文の交換が8月30日に行われたことを公表しました。これにより、本条約は2018年9月29日から効力を生じ、日本においては、次のものについて適用されます。

  • 課税年度に基づいて課される租税:2019年1月1日以後に開始する各課税年度の租税
  • 課税年度に基づかないで課される租税:2019年1月1日以後に課される租税


財務省プレスリリース
日本語:エストニアとの租税条約が発効します
英語:Tax Convention with Estonia will Enter into Force

5.ロシアとの新租税条約 - 発効

財務省は9月11日、「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国政府とロシア連邦政府との間の条約」(2017年9月7日署名)を発効させるための外交上の公文の交換が9月10日に行われたことを公表しました。これにより、本条約は2018年10月10日から効力を生じ、日本においては、原則として、次のものについて適用されます。

  • 課税年度に基づいて課される租税:2019年1月1日以後に開始する各課税年度の租税
  • 課税年度に基づかないで課される租税:2019年1月1日以後に課される租税


財務省プレスリリース
日本語:ロシアとの新租税条約が発効します
英語:New Tax Convention with Russia will Enter into Force


上記に関するKPMG Japan tax newsletter (2017年9月26日発行)
新日露租税条約(日本語)
New Tax Treaty with Russia (英語)

6.オーストリアとの新租税条約 - 発効

財務省は9月28日、「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国政府とオーストリア共和国との間の条約」(2017年1月30日署名)を発効させるための外交上の公文の交換が9月27日に行われたことを公表しました。これにより、本条約は2018年10月27日から効力を生じ、日本においては、原則として、次のものについて適用されます。

  • 課税年度に基づいて課される租税:2019年1月1日以後に開始する各課税年度の租税
  • 課税年度に基づかないで課される租税:2019年1月1日以後に課される租税


財務省プレスリリース
日本語:オーストリアとの新租税条約が発効します
英語:New Tax Convention with Austria will Enter into Force

V.その他

経済産業省 - 「スピンオフ」の活用に関する手引を改訂

経済産業省は、スピンオフ(特定の事業部門や完全子会社を切り出して資本関係のない別会社とし、経営を独立させる取組)の円滑な実施を支援するため、2018年3月に「『スピンオフ』の活用に関する手引」を公表しましたが、8月31日、この手引の改訂版が公表されました。

手引に含まれるQ&Aに、2018年度税制改正の内容(1.スピンオフ準備のための完全支配関係内の組織再編の適格要件の緩和(Q20)及び2.スピンオフ元の会社による証券会社への分割割合等の通知義務(Q10))が反映されているほか、「参考2」に改正産業競争力強化法におけるスピンオフに関する会社法特例の内容が追加されています。

執筆者

KPMG 税理士法人

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