RPAで業務効率・労務問題を解決に

「同僚はデジタルレイバー」第2回 - RPAの活用が期待できる業務とは?具体的な業務効率化等について紹介する。

RPAの活用が期待できる業務とは?具体的な業務効率化等について紹介する。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、ワークフローツールや光学式文字読み取り装置(OCR)技術を組み合わせることで、一連の定型的なホワイトカラー業務に対して、人間の処理と同様の活動ができるようにした業務自動化の取組みである。

RPAは、製造現場にある産業用ロボットをはじめとする物理的ロボットではなく、ソフトウエアの集合体である。これに人工知能(AI)を活用し、機械学習・ディープラーニングの認知能力や、自然言語処理などを使った学習対話能力、マイニングなどを高度化した分析能力を付加し組み合わせることで、さらに高度な判断や例外処理を含めた知的業務を実行させることもできる。
かつては人間にしかできないと考えられていたホワイトカラーの活動の一部と同様の活動ができる、単なるツールを超えた従業員に近い位置付けのものであるため、RPAはデジタルレイバー(仮想知的労働者)とも言われる。この分野に関しては既に実用化が進んでおり、先進的な企業で導入され、大きな効果を実現し始めている。

定型的でルール化されており作業マニュアルを作成できるものであれば、どのような業務でも代替できる可能性がある。今までのシステム化とは段違いに安いコスト・短い期間で導入でき、まさに新しく配属された新人に作業を教え、業務を実行してもらうような感覚である。例えば、請求書処理・入金消込・申込書入力・支払処理などの大量少品種のバックオフィス業務だけではなく、営業・企画・管理職などの業務の中にひそんでいる多品種少量のルール化できる単純業務においても効果を発揮する。主な効果としては、(1)事務ミスを激減させ業務品質の向上(2)人間が実施する数十倍から200倍程度のスピードでの業務実行(3)40~75%の業務効率化(4)単純業務の移管による高付加価値業務へのシフトの4つがある。

RPAの活用で少子高齢化による労働力不足の問題や繁閑差が激しい業務への対応など、「働き方改革」として高残業で成り立っている労働環境が改善する。さらに、本来取り組むべき付加価値業務にあてる時間を創出することでの競争力の確保など、多くの労務問題の解決にもつながる。

RPAに適した業務と効果

対象業務の例

  • 請求書処理
  • 入金消込
  • 申込書入力
  • 支払処理などの定型的な事務処理やルール化できる単純業務

 

効果

  1. 品質向上 事務処理ミス激減
  2. スピード 人間の数十倍~200倍
  3. 効率化 40~75%の業務効率化
  4. 高度化 高付加価値業務へのシフト

日経産業新聞 2017年3月31日掲載(一部加筆・修正しています)。この記事の掲載については、日本経済新聞社の許諾を得ています。無断での複写・転載は禁じます。

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