イノベーションの文化を構築する - 組織のあらゆるレベルでアジリティを向上させる | KPMG | JP
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イノベーションの文化を構築する - 組織のあらゆるレベルでアジリティを向上させる

イノベーションの文化を構築する - 組織のあらゆるレベルでアジリティを向上させる

変化のペースが加速し続ける中で、金融サービス業界全般にわたって、組織が前に進む方法が模索されています。金融機関は長期的な成功を収めるためには、金融セクターに参入しようとする新規事業者やハイパースケールの事業者との競争に必要なアジリティ(俊敏性)とデジタル能力を構築しなければなりません。

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イノベーションの基盤を築く

イノベーションの領域で成功するためには3つのステップがあります。

  1. イノベーションの文化を構築する
  2. 事業部門と協力してイノベーティブなソリューションを構築する
  3. 新たなテクノロジーを買収、提携、投資により獲得する

上記3つのステップすべてが必要ですが、成功するためにはこれらのステップに取り組まなければなりません。したがって、すべての成功するイノベーションが足場にすべき基盤は企業文化となります。また、多くの金融機関が直面する課題は、このイノベーションの文化の構築なのです。

イノベーションの文化の構築はプロジェクトや作業ではありません。イノベーションの文化は、もっと広範なビジネスの意思決定の副産物です。そのため、リーダーは、文化の変革を刺激し、その変革が長期にわたり花開くのを促すという最も重要な役割を担っています。トレンドを見ると、企業文化への影響の70%がリーダーの意思決定、ガイダンス、モデルとなる行動に起因するもので、残りの30%が研修やエンゲージメントプログラムなどの要因によるものだと推定されます。

文化の変革を刺激しようとするリーダーは、組織やそのポジションにとって適切なイノベーションの文化の基礎的要素を考える必要があります。これには、業界全体および他のセクターで何が起きているかのモニタリングや、組織内およびより広範な市場における変化の兆候の識別が含まれます。「今のビジネスはどのようなものか、そして妥当性を保つために将来のビジネスはどうあるべきか?」組織がこの問いに答えられるようになって初めて、目標を達成するために組織はどのように考え行動すべきかが明確になり、それにより前に進むためには文化の変革が必要であることが明確になります。

思考力、失敗する自由

企業文化の変革を考えるとき、ほとんどの人は大規模な行動パターンを考えます。けれども、変わるのは組織ではなく、一人ひとりです。チーム、部署、組織レベルの目に見える文化の変革は、多数のより小規模な個人の変革で成り立っています。すなわち、従業員がこれまでとは違う考え方、行動、取組み方をしようという気になるということです。ハイレベルではより広範な変革のパターンを考えなければなりませんが、文化を変えていくということは、従業員一人ひとりの心とつながる方法を探すということです。

この目標を達成するために、リーダーがすべき3つのこと

目標と期待事項を伝える
基礎レベルでは、変化は脅威となります―従業員は特に自分の役割を不要にしかねない、デジタルやテクノロジーの変化に脅威を感じています。この不安に対処するために、リーダーは変化の大局的な目的を説明し、従業員が前に進むに当たっての期待事項を明確に伝えなければなりません。変化は単なる混乱ではなく、機会なのだということを明確にして下さい。イノベーションにより、成長し、課題(pain points)を乗り越え、従業員が自らの役割で重要なことに集中できるようになる機会が得られるのです。

キャパシティを構築する
今日、あらゆるレベルの従業員の中に、ストレスを感じていない者やキャパシティの限界近くで仕事をしていると感じていない者を見つけるのは困難です。この「多忙(busyness)」の文化はほとんどの業界にありますが、特に金融セクターに蔓延しています。けれども、イノベーションを考えるには、精神的な余裕が必要です。リーダーは従業員の負担を軽減してクリエイティブになれようにキャパシティに余裕を持たせる必要があります。これは、1週間の労働時間に自由な「イノベーションの時間」を組み込むことから、協力してイノベーションプロジェクトに携わる特別な部門横断型チームまで、様々な形を取り得ます。

失敗を受け入れる
イノベーションの成功には、失敗が付きものです。にもかかわらず、多くの従業員が失敗とそれにより生じる結果を恐れています。イノベーションの文化を構築するためには、この恐れを取り除くことが必要不可欠です。そうするための1つの方法は、今までにない新たなアイデアを試すことをCEOから直接奨励することです。もう1つの方法は、イノベーションの促進、報酬プロセス、特定の結果や成果を革新的に考えることに関する重要業績評価指標(KPI)を設定することです。

イノベーションのための空間を構築する

イノベーティブな空間は大きな違いをもたらします。経験上、私たちは職場とイノベーションの文化には強い相関関係があることを知っています。これは、職場の内装がイノベーションを促進するという意味ではありません。そうではなく、従来のパーティションで区切られたスペースとは対照的に、協働や独創性を促すように設計された空間は、従業員の考え方やモチベーションにポジティブな影響を与えます。また、組織は、適切なテクノロジーへのアクセスも含めたイノベーティブな職場が人材を引き寄せたり、採用を改善したりすることに気付いてもいます。金融機関が最高の人材を求めてGoogleやAmazon等との競争を強めようとするにつれ、これが必須事項になる可能性があります。

多くの金融機関が取っているアプローチのひとつは、新しい考えを発展させられる独立したイノベーションラボの設置です。イノベーションラボは、コアビジネスの企業文化や日常業務からの分離を含む多くのメリットをもたらします。ただし、有効性を確保するためには、このようなイノベーションラボは完全に分離した組織として、孤立して機能し、ビジネスにアイデア送り込むような存在であってはなりません。そのようなアプローチを取るラボは失敗する可能性が高いのです。ソリューションが組織の戦略的方向性にほとんど寄与しなかったり、真の問題点に対応していなかったり、スケールアップできないソリューションを生み出す結果になったりする場合が多いからです。

そうではなく、イノベーションラボと事業部門は連携しなければなりません。アイデアや問題はビジネスから生じ、ビジネスがオーナーであるべきで、イノベーションラボはまず問題点を引き出す空間を作った上で、それに対応する新たなモデルやソリューションの創出を推進します。したがって、イノベーションラボの役割は、イノベーションを促進し、ビジネスの成功を支援することです。

信頼を築く――ただし、抵抗を見込んでおく

変革は一夜にして起こるものではありません。文化の変革プロセス全体を通じて、組織全体に信頼を築くことが重要です。CEO以下のリーダーは、目に見える形で「有言実行」し、自分が伝えてきたことを最後までやり通すロールモデルにならなければなりません。

漸進的イノベーションは長期的な影響は弱くなるかもしれませんが、容易に解決できる問題に対処し、従業員が日々の業務の中で気付く小さな改革を行うことは、信頼を築くために重要なステップです。変化が感じられて、従業員がイノベーションに関してこれまでとは違った考え方や行動を取るようになって初めて、ビジネスモデルの革新、新規市場や新規顧客セグメント、新たな顧客への価値提案などの大きな改革を行えるようになります。

文化の変革への道はスムーズではなく、組織は抵抗に遭うことを見込んでおく必要があります。変革とそれが個人やキャリアに及ぼす影響は怖いことであり、従業員が脅威を感じるのは当たり前です。けれども、このような抵抗には打ち勝つことができます。変革に対する組織のコミットメントを行動で示し、イノベーションがいかにビジネスと従業員の両方にメリットをもたらすか説明すれば、考え方は変わっていきます。時間と共にイノベーティブな企業文化を自律的に持続できるようになります。従業員が変革に加わりたいと考えるようになるのみならず、ビジネス全体が人材を引き寄せる磁石になるのです。

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