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IAISがICS Version 2.0のコンサルテーション・ペーパーを公表

IAISがICS Version 2.0のコンサルテーション・ペーパーを公表

2018年7月31日、保険監督者国際機構(IAIS)は、保険資本基準(ICS)のVersion 2.0の導入に向けてコンサルテーション・ペーパーを公表しました。意見募集の締切は2018年10月30日となっています。

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背景

IAISは、国際的に活動する保険グループ(IAIGs)の監督のための共通の枠組み(ComFrame)の一環として、2014年からICSの開発に着手し、複数回にわたるコンサルテーション・ペーパーの作成、およびフィールドテストを通して評価手法を検討し、2017年7月21日にICS Version 1.0を公表しました。
上記ICS Version 1.0に対するステークホルダーからのフィードバックを受けて、また並行して実施されたフィールドテストの結果等を踏まえて更なる検討が行われ、2018年7月31日にICS Version 2.0 コンサルテーション・ペーパーが公表されました。

ICS Version 2.0 コンサルテーション・ペーパーの概要

ICS Version 2.0コンサルテーション・ペーパーの概要は以下のとおりです。技術的な詳細は原文を、ICS Version 1.0の内容については過去のニュースをそれぞれ参照ください。

1.目的

ICS Version 2.0 コンサルテーション・ペーパーの目的は、「2019年後半に予定されているICS Version 2.0の完成に向けて、ICSのステークホルダーからフィードバックを求めること」とされています。

ICS Version 2.0 コンサルテーション・ペーパーは全てのステークホルダーを対象としています。ステークホルダーの多くの質問に対して対処していますが、以下のようないくつかの問題については、結果がモニタリング期間中の検討や外部の第三者に依存する可能性があるとして対象外としています。

  • 現行の監督体制からICSへの移行:モニタリング期間中に検討
  • ICSがIMFの金融セクター評価プログラム(FSAP)に加わるかどうか:今後IMFと協議予定
  • ICSと現行の管轄グループ資本フレームワークとの整合性:モニタリング期間中に検討
  • Reference ICSの構成要素とGAAP Plus評価およびICS資本要件に係る計算のその他の手法との比較可能性:今後協議予定

2.コンサルテーションのプロセス

ICSはComFrameの構成要素の1つですが、ICS Version2.0は2019年においては独立した文書として採択されることで合意されています。そのため、ICS Version 2.0 コンサルテーション・ペーパーは、ComFrameに関するコンサルテーション・ペーパーとは独立した文書として公表されています。フィードバックは2018年10月30日を締切とされています。

3.ComFrameへの統合

2017年6月、IAISは以下の手順によってICSをComFrameに統合することに合意しました。

  • ICS Version 2.0は2019年においては独立した文書として採択する
  • ICP Version 2.0が採択されるまではICP14(評価)とICP17(資本適格)の見直しは行わない
  • 2019年末までにICS Version 2.0を除いたComFrameを採択する
  • ICS Version 2.0の採択後にICS Version 2.0をComFrameに統合する

4.ICSの目標

ICS Version 2.0の目標は、監督者による実施に適したICSを提供することです。ICS Version 2.0はICS Version 1.0よりも比較可能性が改善されているものの、最終的な目標として想定されるレベルまでは恐らく到達していないものとされています。
最終的な目標は、その管轄区域にわたって同等の(つまり実質的に同じ)結果を達成するような共通の方法論を含む単一のICSを作成することです。

5.ICS Version 2.0の導入(クアラルンプール(KL)合意について)

2017年11月2日、IAISは上記の最終的な目標を促進するために、グループ資本基準の統合への道筋を発表しました。ここでの合意では、ICS Version2.0の実装が以下の2つの段階で行われることが明確にされています。

  • 5年間のモニタリング期間
  • グループ全体の規定資本要件(Prescribed Capital Requirement:PCR)としてのICSの導入
    ICS Version 2.0の導入には、重要な2つの構成要素があります。(詳細は6.および7.にて後述)
  • すべてのIAIGsに、Reference ICSに係るコンフィデンシャルレポートを報告する義務を課すこと
  • 追加報告(GAAP Plus評価とICS資本要件に係るその他の計算方法に基づくもの。グループ全体の監督者(Group-wide Supervisor:GWS)のオプションとして実施)

モニタリング期間中は、ICSはPCRとして使用されません(すなわち、ICSの結果によって監督行為が引き起こされることはありません)。GWSおよびホスト監督者は、既存のグループ資本基準や開発中の計算と比較してICSを議論し評価します。
モニタリング期間が終了しICSがPCRとして適用されると、IAIGsおよびG-SIIsの資本十分性はICS Version 2.0によって測定されることになります。これは達成すべき最低限の基準として、IAISに代表される監督当局がそれぞれの管轄区域における市場情勢を考慮して実施または提案されます。
ICSは、グループPCRの最低基準であり、各エンティティのPCRではありません。

また、KL合意は米国における集計方法(Aggregation Method:AM)の開発を認めており、AMの開発を支援する関連管轄区域からのデータを収集したうえで、モニタリング期間の終わりまでにAMがICSに相当する(つまり最終的な目標の意味で実質的に同様の)結果を提供するかどうかを評価することを目指すとしています。

6.Reference ICSの構成要素

Reference ICSのレポーティングは、以下に基づいて実施されます。

  • 単一の割引手法による市場調整評価(MAV)
  • 資本要件のための標準的手法
  • 資本の適格性に係る統合基準

Reference ICSは、IAIGs間の比較および時系列的な比較のための基礎を提供するものとされています。

6.1.単一の割引手法によるMAV

MAVは、安定的で比較可能な評価基準を構築するためにIAISが開発した評価アプローチであり、以下に基づいて調整されたイールドカーブによって保険負債を割引くことが提案されています。

  • リスク調整済みの流動的な金利スワップまたは国債(リスクフリーイールドカーブ)
  • リスクフリーイールドカーブの調整

ICS Version 2.0では、このイールドカーブの調整について、新しい手法である3バケットアプローチを使用しています。

6.2.資本要件のための標準的手法

ICSリスク費用を計算する標準的手法として、ファクターベースのアプローチ、もしくはIAISが規定するファクターとストレスを使用するストレスアプローチが提案されています。

6.3.資本の適格性に係る統合基準

資本の適格性に係る統合基準として、すべての潜在的な資本リソースについてその性質・品質・適合性を評価することで適格資本リソースを決定するフレームワークが提案されています。

7.追加報告

5.で述べたICS Version 2.0の構成要素である追加報告は、GAAP Plus評価とICS資本要件に係るその他の計算方法について報告を求めるものです。

7.1.GAAP Plus

GAAP Plusは、現在改定中の管轄地域の会計基準に密接に関係しています。IFRSおよびU.S.GAAPについては、2020年および2021年まで開発およびフィールドテスト継続する予定です。JGAAPについては、2020年に始まるReference ICSとともに、当初の5年間のモニタリング期間を維持することとしています。

7.2.ICS資本要件に係る計算のその他の手法

その他の手法は、標準的手法(1年99.5%VaR)と同じレベルのプロテクションを提供すべきであるとされています。加えて、その他の方法はICPsやICSの原則を満たすものでなければなりません。内部モデルはそのような方法の1つであり、内部モデル以外の手法についても現在検討されています。

8.グループの範囲

ICP23のComFrameに従って決定されたIAIGの統括エンティティ(the Head of the IAIG)は、IAIGの連結貸借対照表に基づいてICS比率を計算します。
IAIGの統括エンティティが管理するすべてのエンティティが連結対象に含まれますが、リスクの重要性の観点で特定の要件を満たすエンティティについては、ICSに係る計算の目的で連結の範囲から除外することが認められることとしています。また、IAIGが保険でない金融機関や金融持株会社を含む場合の取り扱いが規定されています。
グループの範囲に関する規定は、評価アプローチ(MAVまたはGAAP Plus)およびICS資本要件の算出手法(標準的手法またはその他の手法)にかかわらず適用されます。

ICS Version 2.0導入までのスケジュール

ICS Version 2.0導入までの今後のスケジュールは以下のとおりです。

  • 2018年9月:2018年フィールドテスト締切
  • 2018年10月:ComFrameおよびICS Version 2.0のコンサルテーションへのコメント締切
  • 2019年4月:2019年フィールドテスト開始
  • 2019年7月:2019年フィールドテスト締切
  • 2019年11月:IAIS年次大会でComFrameの採択(ICS Version 2.0を含む)
  • 2020年~2024年:モニタリング期間
  • 2025年以降:ICS導入フェーズ

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