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企業価値を最大化するためのグローバル税務戦略

企業価値を最大化するためのグローバル税務戦略

本稿は、ダイヤモンド社『週刊ダイヤモンド(2018年7月21日号)』に掲載された特別広告企画「企業価値を最大化するためのグローバル税務戦略 グローバル・タックスマネジメントで真のROE経営の実現へ」の内容を転載しております。

グローバル・タックスマネジメントで真のROE経営の実現へ

 

グローバル・タックスマネジメントで真のROE経営の実現へ

企業にとって税金は「管理すべきコスト」

「企業は誰のものか?」。欧米企業にとって、それは端的に株主である。経営者は株主へのリターンの最大化を使命とし、株価を高め、配当を増やすために、「税引後利益」を最大限確保することに注力している。彼らにとって税金は「管理すべきコスト」であり、税務戦略は重要な企業戦略の一部に位置付けられる。

一方、「三方よし」を美徳とする日本企業にとって、納税は「社会貢献」の一環であり、税金は利益に応じて当然支払うものという意識が強い。加えて、経営指標についても税引前の営業利益や経常利益を重視する傾向があり、税務は利益が確定した後の「事後処理」と見なされることも多い。

「プランニングするというよりは、計算して支払うものという認識であり、その結果、企業における税務部門の位置付けも低いままです」。こう指摘するのは、KPMG税理士法人の代表を務める駒木根裕一氏である。

グローバル展開を加速させる日本企業にとって、税務ガバナンスの強化、税務リスクの管理、グローバル・タックスマネジメントの実践は喫緊の課題だ。

「なぜ、グローバルな税務が重要なのか。例えば、会計との比較でいうと、国際財務報告基準(IFRS)の適用は任意ですが、BEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトが策定した国際課税のルールは罰則付きの強制適用です。待ったなしで対応しないと、余計な費用を支払うこととなり、税引後利益を減少させ、ROEが低下し、国際競争力を毀損してしまうことにもなりかねません」。KPMG税理士法人のパートナー、角田伸広氏はそう指摘する。

欧米企業は、配当や新たなR&D投資にいかに資金を回していくのかを念頭にタックスプランニングを行う。税務はキャッシュを生み出すための事業の一部となっているのだ。

また、ESG(環境・社会・ガバナンス)インデックスとして知られる「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」では、税務戦略がアセスメントの際の質問項目の一つに取り上げられるなど、投資家にとっても企業価値評価の重要な要素となっている。だが、日本企業にはそうした理解が不足している。

KPMG税理士法人 (写真左)駒木根 裕一/(写真右)角田 伸広

(左)KPMG税理士法人 代表 パートナー/税理士 駒木根 裕一
(右)KPMG税理士法人 国際事業アドバイザリー 移転価格グループ パートナー/税理士 角田 伸広

税務部門が取り組むべき課題を10項目に集約

「税務戦略は事業の一部であるという認識を持つべきです」と駒木根氏は強調する。例えば、海外に子会社を設立する場合、資本金の設定や商流のつくり方、会社の形態などによって、現地での課税額は大きく変わる。課税額が増えれば増えるほど、税引後の利益は圧縮されてしまうため、本来、税務を事業と切り離して考えることはできないはずなのだ。

「グローバル・サプライチェーンを構築する際、欧米企業の場合は、税務部門の担当者が関与し、税務の観点からグローバル最適化を図ろうとします。企業買収や事業再編などに当たっても、意思決定時においてCTO(チーフ・タックス・オフィサー)やタックス・ダイレクターといった税務担当責任者のサインがなければ、物事が進まないことも多く見られます」(駒木根氏)。

日本企業の特徴である事業部制の強さも、時には税務戦略に取り組む際の大きな障壁になる場合がある。日本企業の場合、各事業部が主導する形で海外ビジネスが進められることも多い。営業利益をKPI(重要業績評価指標)とする事業部と税引後利益を重視する税務部門とでは認識が一致せず、税務のグローバル最適化を図ろうとすると、事業部が抵抗勢力になることもあるという。

KPMG税理士法人では、こうした「組織風土・意識改革」を含め、「組織整備」「インフラ整備」「業務・プロセス改革」といった観点から、グローバル・タックスマネジメントを実現するために、日本企業の税務部門が取り組むべき課題を整理し、「10 Things To Do」として、10項目にまとめている(図表参照)。

「これらの10項目は、実際にわれわれがクライアント企業の中に入って、グローバル・タックスマネジメントの実現には何が重要なのかを積み上げてきた結果、集約したものです。決して理念的、概念的なものではなく、実践的内容になっているのが大きな特徴です」(角田氏)

豊富な知見に基づく実践的アドバイスが強み

最初のステップとして取り組むべきは、「インフラ整備」に関わる3項目だ。

「日本企業の多くは、海外子会社の税務を現地に一任しているのが現状です。ポストBEPSの世界では、それは通用しません。日本本社が主導して各国の税制改正や税務調査の動向について情報収集を行うとともに、各国の税務ポジションを“見える化”し、一元管理していくような仕組みが不可欠です」(駒木根氏)

BEPSプロジェクトの最終報告書を契機に、インフラ整備に着手する企業も増えているという。

一方、数百人規模の専門スタッフを擁する欧米企業に比べて、日本企業の税務部門は大きく見劣りし、社内リソースは限られる。グローバル・タックスマネジメントの実現に当たっては、シェアードサービスやアウトソーシングなど、外部のリソースを戦略的に活用することも重要だ。

「グローバル企業へのさまざまな税務管理・国際税務サービスの提供により培った豊富な“臨床経験”に基づいて、日本企業のニーズや実態に応じた最適な“処方箋”を書けるのがわれわれの強みです。ハイエンドなプランニング業務からコンプライアンス業務まで、実践的に日本企業をサポートします」(角田氏)

グローバル税務のプロセス管理を行う「LINK360」や、基幹システムと連携し、税務データをリアルタイムで分析する「TIS(Tax Intelligence Solution)」など、インフラ整備を支援するITツールの開発・提供もKPMGならではのサービスである。社内リソースが限られた日本企業にとっては、導入の余地が大きく、これを契機にグローバル・タックスマネジメントの第一歩を踏み出したいところだ。

「税引後利益の拡大に効果をもたらすグローバル・タックスマネジメントは、真のROE経営を実現するためにも必須の施策です。経営マターとして、CEOやCFO(最高財務責任者)が自ら率先して全社的な意識改革を進めていただきたい」。駒木根氏はこう締めくくった。

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