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税務情報(2018.4-5)

税務情報(2018.4-5)

本稿は、2018 年4月から5月に財務省・国税庁等から公表された税務情報ならびにKPMG税理士法人のウェブサイトに掲載している情報をまとめてお知らせするものです。

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本稿は、2018年4月から5月に財務省・国税庁等から公表された税務情報並びにKPMG税理士法人のウェブサイトに掲載したKPMG Japan tax newsletter及びKPMG Japan e-Tax Newsの情報をまとめてお知らせするものです。

I.2018年度税制改正

1.税制改正関連法案の成立・公布

5月16日、2018年度税制改正に関連する「生産性向上特別措置法案」及び「産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」が可決・成立し、5月23日に公布されました。


(1)生産性向上特別措置法

2018年度税制改正で創設された、「情報連携投資等の促進に係る税制(IoT税制)」及び「中小企業の固定資産税の軽減措置」の関連法です。
この法律は、生産性向上特別措置法施行令・施行規則とともに6月6日から施行されます。


(2)産業競争力強化法等の一部を改正する法律

「産業競争力強化法」、「中小企業等経営強化法」及び「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」等の改正法です。
2018年度税制改正では、「産業競争力強化法」の改正を前提とする税制措置として、特別事業再編(自社株対価M&A)の特例が設けられています。
この法律の施行日は、原則として、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日とされていますが、政令は執筆時現在(6月1日)公布されていません。

2.国税庁 - 「収益認識に関する会計基準」に対応した改正法人税基本通達等の公表

企業会計基準委員会は2018年3月30日、収益認識に関する包括的な会計基準となる企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(収益認識基準)を公表しました。これに伴い、2018年度税制改正では、法人税における収益の認識時期等に関する見直しが行われています。
これを受け、国税庁は6月1日、収益認識基準の導入に伴う改正に対応した「法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」を5月30日付で発遣しました。


(1)改正法人税基本通達の概要

改正法人税基本通達においては、例えば以下の取扱いが明らかとされています。

  • 資産の販売等(資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供)に係る収益の額は、個々の契約ごとに計上することを原則としつつ、実質的な取引の単位に区分して計上することもできること。
  • 資産の販売等に係る収益の額は、原則として第三者間で取引されたとした場合に通常付される価額(時価)であるが、変動対価(値引き、値増し、割戻しその他の事実(貸倒れ及び買戻しを除く。)により変動する可能性がある部分の金額)がある場合において、一定の要件を満たすときは、収益の額から控除等することができること。
  • 棚卸資産や固定資産、役務の提供などの区分に応じた資産の販売等に係る収益の計上時期
  • 資産の販売等に係る収益の計上時期の原則である「引渡し等の日」(目的物の引渡し又は役務提供の日)及び例外として認められている「引渡し等の日に近接する日」の具体例

なお、改正前と改正後の通達の構成をまとめた「収益等の計上に関する改正通達(法人税基本通達第2章第1節部分)の構成及び新旧対応表(PDF:456kb)」も公表されています。


(2)「収益認識に関する会計基準」への対応について

国税庁は6月1日、ウェブサイトに「収益認識に関する会計基準」への対応についてというページを設けて、以下の資料を掲載しました。

  • 「収益認識に関する会計基準」への対応について~法人税関係~

収益認識基準とそれに伴う法人税法の改正内容を概説するとともに、改正法人税基本通達のうち主要なものについて図入りで説明する、全37ページの解説資料です。

  • 収益認識基準による場合の取扱いの例

取引によっては、収益認識基準に沿って会計処理を行った場合の収益の計上額、法人税法における所得金額の計算上益金の額に算入する金額及び消費税における課税資産の譲渡等の対価の額がそれぞれ異なることがあるため、この資料では、会計・法人税・消費税のいずれかの処理が異なることとなる6つの典型的なケースについて、それぞれの取扱いが具体例とともに示されています。


上記に関するe-Tax News

KPMG Japan e-Tax News No. 154(2018年6月4日発行)

3.国税庁 - 電子申告の義務化に関する情報の公表

2018年度税制改正では、社会全体のコスト削減及び企業の生産性向上を図るため、一定の法人が行う2020年4月1日以後に開始する事業年度に係る法人税等の申告は電子情報処理組織(国税はe-Tax)により提出しなければならないこととされました。
この改正を踏まえ、国税庁は「大法人の電子申告の義務化の概要について」というページを開設し、以下の情報を掲載しました。なお、これらの情報については、今後、随時更新される予定です。


(1)電子申告の義務化の概要

電子申告の義務化の対象法人、税目及び手続等の概要が記載されています。また、参考資料として、「電子申告の義務化の対象法人一覧表」及び「電子申告の義務化の適用開始時期一覧(例)」も掲載されています。


(2)電子申告の義務化に伴い導入する利便性向上施策等

法人税等に係る申告データを円滑に電子提出するための環境整備として、国税庁は電子申告の利便性向上に向けた施策を順次実施していく予定です。
「利便性向上施策等一覧(施策別)」には、利便性向上のために講じられる16の施策について、その概要をまとめたPDF(改正(見直し)前後の取扱いも掲載されています。)のリンクが掲載されているとともに、適用開始時期(予定)が記載されています。


(3)Q&A

「電子申告の義務化についてよくある質問」のページには、よくある質問及び回答ページへのリンクが7つのカテゴリー(「対象法人関係」、「適用開始関係」、「対象書類関係」及び「利便性向上施策関係」等)に分けて掲載されています。
なお、国税庁は5月18日に、電子申告の義務化の概要を簡単に解説する以下のパンフレットも公表しています。


上記に関するe-Tax News

KPMG Japan e-Tax News No. 151(2018年4月16日発行)

5.総務省 - 地方税に関する改正取扱通知等の公表

2018年度税制改正に伴い、総務省はウェブサイトの「通知・通達」のページに、地方税に関する以下の改正取扱通知等を4月1日付で公表しました。


(1)地方税法、同法施行令、同法施行規則の改正等について

地方税法に関する改正事項の概要をまとめたものです。


(2)地方税法の施行に関する取扱いについて(道府県税関係)の一部改正について

2018年度税制改正に伴い改正された道府県税関係の取扱通知の新旧対照表です。2018年度税制改正では、内国法人が外国子会社合算税制の適用を受ける場合に、外国関係会社に対して課された日本の所得税等の額のうち合算対象とされた所得に対応する部分に相当する金額(控除対象所得税額等相当額)について、その内国法人の法人税及び地方法人税から控除しきれなかった金額を、法人住民税から控除することができることとなりました。改正取扱通知では、その運用に当たっての留意点を示す取扱通知(第2章第3節 46の2)などが新設されています。


(3)地方税法の施行に関する取扱いについて(市町村税関係)の一部改正について

2018年度税制改正に伴い改正された市町村税関係の取扱通知の新旧対照表です。上記の道府県税関係と同様、控除対象所得税額等相当額の控除に係る運用に当たっての留意点を示す取扱通知(第2章第3節第8 51の2)などが新設されています。

6.中小企業庁 - 事業承継税制に関する情報の公表

2018年度税制改正では、事業承継税制について10年間限定の特例措置が設けられました。これを受け、中小企業庁は4月2日、ウェブサイトに「平成30年4月1日から事業承継税制が大きく変わります」というページを設けて、改正の概要を解説するスライドや申請の手引き・記載例、申請書類の様式やマニュアル等を掲載しました。(詳細な手引きや記載例、一部のマニュアルについては順次掲載予定とされています。)

II.消費税

1.国税庁 - 適格請求書等保存方式に関するパンフレットの公表

2019年10月1日に予定されている消費税率の8%から10%への引上げの際に、飲食料品の譲渡等については軽減税率を適用する複数税率制度が導入されることとされています。また、複数税率制度のもとで仕入税額控除を適正に行うため、適格請求書等保存方式(インボイス制度)も導入され、2023年10月1日から適用が開始される予定です。
インボイス制度は、適用開始時期が軽減税率の導入から4年後とされていることもあり、2016年度税制改正において法律は整備されたものの、その詳細を定めた政省令は未整備となっていましたが、軽減税率制度とともにインボイス制度へのシステム対応を同時に行いたいという事業者のニーズなどを踏まえ、2018年度税制改正において政省令が整備されました。
これを受け、国税庁は4月10日付で、以下のパンフレットを公表しました。インボイス制度の概要をまとめたもので、政省令で明らかとされた事項も含まれています。

2.「消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について」の公表

2019年10月1日から実施される消費税の軽減税率制度においては、「酒類及び外食を除く飲食料品」の譲渡等が軽減税率の対象とされています。そのため、テイクアウトや出前(テイクアウト等)には軽減税率が適用される一方、店内飲食には標準税率が適用されることになり、テイクアウト等と店内飲食の双方を行う事業者は、同一の飲食料品の販売につき異なる消費税率が適用される場面が想定されます。
5月18日、消費者庁、財務省、経済産業省及び中小企業庁は、連名で以下の情報を公表し、上記のような場面における小売店等の価格表示の具体例等を明らかにしました。

具体的な表示方法及び主な留意点は以下のとおりです。(公表資料には価格表示の具体例が図入りで示されています。)


(1)テイクアウト等と店内飲食で異なる税込価格を設定する場合

  • テイクアウト等と店内飲食の両方の税込価格を表示する方法

この場合、両方の税込価格に併せて、税抜価格又は消費税額を併記することも認められます。

  • テイクアウト等又は店内飲食のどちらか片方のみの税込価格を表示する方法(店内掲示等を行うことが前提)

この場合、景品表示法上の有利誤認表示に該当する恐れもあり、また、消費者の利便性の確保の観点から、店内掲示等により、店内飲食(又はテイクアウト等)では価格が異なる旨の注意喚起を行うことが望ましいとされています。


(2)テイクアウト等と店内飲食の税込価格を統一する場合

  • 同一の税込価格を表示する方法

どのような価格設定を行うかは事業者の任意であるため、事業者の判断により、テイクアウト等と店内飲食の税込価格が同一になるようにテイクアウト等の税抜価格を高く設定、又は店内飲食の税抜価格を低く設定することで同一の税込価格とすることも可能です。
この場合、同一の税込価格であっても適用税率は異なることから、「全て軽減税率が適用されます」や「消費税は8%しか頂きません」といった表示は景品表示法等により禁止される点、テイクアウト等の価格を店内飲食に合わせて値上げする場合には、消費者から問われた際に合理的な理由を説明する点に留意する必要があります。


上記に関するe-Tax News

KPMG Japan e-Tax News No. 152(2018年5月30日発行)

III.共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換

国税庁 - 「共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換」に関する情報を更新

国税庁は、ウェブサイト上の「共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換(「CRSコーナー」)」に設けられている「制度の概要(リーフレット等)」のページを更新し、「非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度に関するチェックシート」を公表しました。
共通報告基準(CRS: Common Reporting Standard)とは、外国の金融口座を利用した国際的な脱税及び租税回避に対処することを目的としてOECDが策定した、非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための国際基準です。
日本はCRSに基づいた情報交換を実施する観点から、2015年度税制改正において、一定の金融機関等(報告金融機関等)が報告対象国の居住者等の金融口座情報を所轄税務署長に報告する制度を創設しており、2018年5月1日(4月30日が祝日であるため)までに報告金融機関等から初回の報告が行われることとされています。
今回公表されたチェックシートは、この報告制度における報告金融機関等向けに作成されたもので、64の確認内容に対して確認結果を記載し又は回答を選択して作成する形式のエクセルシートです。
報告金融機関等が実施する各手続等において自主的な点検を行う際に活用されることを目的として公表されたものですが、チェックシートは報告事項の提供に関する調査の参考とされる予定です。


上記に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No. 151(2018年4月16日発行)

IV.租税条約

ペルーとの租税条約 - 締結交渉開始

財務省は5月8日、日本国政府がペルー共和国政府との間で、租税条約を締結するための交渉を5月9日より開始することを公表しました。


財務省プレスリリース

日本語:ペルーとの租税条約の締結交渉を開始します
英語:Negotiations for Tax Convention with Peru will be Initiated

執筆者

KPMG 税理士法人

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