M&A市場予測 2018:グローバルM&A概要 | KPMG | JP
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M&A市場予測 2018:グローバルM&A概要

M&A市場予測 2018:グローバルM&A概要

クロスボーダー案件およびクロスセクター案件のトレンドと、2018年の世界のM&A市場を概観します。

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2018年は取引に対する投資需要と投資余力の増加に伴い、グローバルでM&A活動が活発な年になると予想されます。私たちの『M&A市場予測』のデータに基づけば、今後一年において、M&A案件への予想投資需要はグローバルで5%増加し、一方で予想投資余力は同期間で17%増加すると予想されています。

グローバルM&A市場予測2018

出典:CapitalIQ 及びKPMGによる分析
12017年12月31日時点と2016年12月31日時点の比較
22017年12月31日~2018年12月31日と2016年12月31日~2017年12月31日の比較

2018年第1四半期における取引実績では、案件数と取引総額が逆方向に動く2017年来のトレンドが継続しています。2017年の案件数では、前年の37,484件から約7%増の39,968件となりましたが、取引総額においては前年の3兆7,970億米ドルから8%減の3兆4,790億米ドルとなりました。しかしながら、2018年の実績は、予想される投資需要に改善が見込まれている通り、既に大幅な堅調さを示しています。

2018年第1四半期は、案件数こそ前年同期比17%減の8,537件となった一方で、取引総額は1兆米ドルを上回りました。その結果、平均取引額は過去10年間で最高となる1億2,460万米ドルとなり、前年同期比で42%と大幅に増加しています。

2017年のM&A活動は、2016年と酷似していました - 最高水準を記録した2015年からは幾分か鈍化したものの、ミドルマーケットの取引が引き続き案件数を牽引したことで、M&A市場は明らかに堅調でした。2017年の実績に正負両面の影響を及ぼしたグローバル要因には、低金利、地政学問題、および法制化が進行していた米税制改正等がありました。2017年は、第3四半期にM &A活動が活発化し始め、第4四半期を通して加速し、高い実績で一年を締めくくっています。12月は案件規模で年間の上位2案件が成立したこともあり、2017年の月間最高額を記録しています。

過去10年間のグローバル案件数及び取引総額の推移

今後の展望については、巨額の現金を保有する大企業であれ、案件を求めるプライベート・エクイティの資金であれ、優良な資産や企業に対する需要は引き続き高い状態が続くとみられます。潤沢なプライベート・エクイティの手元資金は、活用機会に恵まれず、無期限に待機し続けることはできません。M&Aを行うプレーヤーは、株価が歴史的に高い水準のマルチプルで推移しているにもかかわらず、積極的に高いバリュエーションを競っています。

テクノロジー企業に対する継続的な関心が、引き続き案件数の重要な牽引役となり、それに伴ってM&Aの構成も変化しています。全ての業種の企業がテクノロジー企業や、新たな技術能力を求めるようになっており、その影響により、M&Aの取引額が小さくなる傾向にあります。2018年第1四半期において、クロスセクター案件の平均取引額は6,200万米ドルであったのに対し、グローバル全体の平均は1億2,500万米ドルでした。

2018年は旺盛な投資需要と投資余力を背景に、全体として案件数が回復すると見込んでいます。特に、継続的なクロスボーダー案件への高い関心が示すように、ミドルマーケットのプレーヤーがますます案件数増の牽引役として存在感を増すと予想されます。

米国が引き続きM&A市場を席捲

2017年における世界のM&Aの上位100件のうち、54件に米国が関与しています。そのうちの大半である33件が国内案件である一方で、10件はクロスボーダー案件においてUSが買い手であり、また、11件は買収対象でした。世界の上位100件における米国とその他の国の差が大きく、この傾向は2018年も継続する、もしくはその差はさらに広がると予想されます。

KPMG米国ディール・アドバイザリーのトランザクション・サービス グローバルヘッドのダニエル・ティエマンは、次のように述べています。「米国における案件数は、過去数年にわたって堅調に推移しています。高い消費者信頼感が市場の安定に繋がっています。直近の米税制改正は、より多くの資金を米国に還流し、また企業が引き続き成長を目指す姿勢を維持する中で、さらにM&Aをけん引すると私たちは予想しています。」

クロスボーダー案件

2017年のクロスボーダー案件数は、前年の8,963件から微増の9,037件で、取引総額は、前年の13億6,000万米ドルから10億4,000万米ドルに減少しました。平均取引額も前年の1億5,200万米ドルから減少して1億1,590万米ドルになりましたが、全世界の平均M&A取引額の8,700万米ドルよりもはるかに高い水準となりました。2017年の案件総数39,968件に対して、クロスボーダー案件は9,037件となり、クロスボーダー案件が全体に占める割合は、過去8年間を通じて22~24%で安定的に推移しています。

過去10年間のクロスボーダー案件数及び取引総額の推移

では、今後、クロスボーダー案件で注目すべきことは何でしょうか。それはミドルマーケットにおける取引が牽引する形で案件数が増加することです。ミドルマーケットのプレーヤーやプライベート・エクイティを中心に、ますます多くの企業が、優良な資産を求めてグローバルに活動し、これがクロスボーダー案件の増加につながっています。この動きは米国において特に顕著で、買収対象の範囲は北米を超えて急速に拡大しています。前述の通り、クロスボーダー案件の世界全体のM&Aに占める割合は、過去8年間においておよそ5分の1から4分の1で安定的に推移していますが、企業があらゆる手段で飛躍的、かつ真の成長を求める中で、この割合は高まる傾向にあります。

クロスセクター案件

2017年においてクロスセクター案件数が前年の11,490件から12,043件に増加した一方で、取引総額は過去数年における最高値を記録した2016年の1兆400億米ドルから、12%減の9,250億米ドルとなりました。

クロスセクター案件自体は新しくはありませんが、その買収マネーがどこに向かっているかは注目に値します。従来の業種間の垣根はここ数年で明らかに曖昧になりつつあり、革新的な投資戦略が増える中で、セクター間の融合が減速する兆しはありません。金融サービスやコンシューマー、インダストリアル、ヘルスケア、自動車、農業等の業種企業が、相互に革新的技術やゲームチェンジャーとなるデジタル関連能力の獲得でしのぎを削っています。

過去10年間のクロスセクター案件数及び取引総額の推移

これは2017年にテクノロジー・セクターを対象としたクロスセクター案件が、過去10年で最高件数を記録し、総額も2014年時点からおよそ900億米ドル増加し、過去最高の1,440億米ドルに達したことに現れています。金融サービス、コンシューマー、エネルギー及びヘルスケアのセクターにおいて、過去最高のクロスセクターでの取引数を記録しています。

インダストリアル・セクターは、テクノロジー企業の買収にとりわけ関心が高く、2017年の取引総額が前年比で倍増しています。2018年第1四半期だけでも、取引総額は80億米ドルにのぼり、既に2014年の年間総額を超えています。逆に、テクノロジー・セクターは、コンシューマー志向の市場開拓を継続しており、2017年及び2018年第1四半期において、テクノロジー・セクターによるクロスセクター案件の半数以上は、コンシューマー・セクターを対象にしています。

2017年のテクノロジー・セクターによるクロスセクター案件(100万米ドル/案件比率)

テクノロジー・セクターを対象としたクロスセクター取引総額

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