M&A市場予測 2018:金融サービス | KPMG | JP
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M&A市場予測 2018:金融サービス

M&A市場予測 2018:金融サービス

世界の金融サービス・セクターにおけるM&A動向について、2018年の今後を展望します。

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依然として課題はあるものの、金融サービスセクターにとって2018年は、M&A活動が活発な年になると予想されます。プライベート・エクイティや年金ファンドから、中国や日本の財閥系まで、非セクター・プレーヤーの動きが引き続き顕著であるためです。同時に、銀行と保険会社が競争力と成長力を保つために、戦略的に革新的な技術を求めていることから、フィンテック関連のM&Aへの関心が高いと考えられます。

2018年の金融サービスセクターにおけるM&A案件数と取引総額は、共に前年比10%以上増加すると私たちは予想します。背景となるプラス要因には、G-SIFIs(グローバルなシステム上重要な金融機関)の復活、EUにおける銀行合併規制の撤廃案、保険業界における変革を期したM&Aへの一層の注力、堅調なアジア及び米国経済、プライベート・エクイティ及び新規市場参入者の役割の拡大、金利上昇等があります。

2018年第1四半期は好調なスタートを切り、M&A取引総額は、前年同期の540億米ドルから779億米ドルへ増加しています。案件数については、前年同期の800件から642件へ減少しています。また、平均取引額は、前年同期の6,800万米ドルから1億2,100万米ドルへ増加しています。

2018年の銀行のM&A案件のトレンドに関して、更に詳しくご覧になりたい場合は、KPMGのContinuing to Climbをご覧ください。KPMGスイスのグローバル金融サービス ディール・アドバイザリー リードのスチュアート・ロバートソンは次のように述べています。「現在の米国における活発なM&Aの背景には、地方銀行セクターの再編の動きに加え、金融サービス業を求めるプライベート・エクイティの旺盛な需要があります。同時に、日本の金融機関による海外での買収の動きは、今後も継続すると見込まれます。また、中国国内における海外投資家に対する諸制限や株式保有に関する規制の緩和が行われたことで、2018年およびその後、中期的に中国への投資は大幅な増加が見込まれます。」スチュアートによれば、2017年におけるM&A案件の35%は、プライベート・エクイティーや個人投資家、年金ファンド、アジア系財閥によるものだといいます。「今後こうしたトレンドをモニタリングする際の課題は、2018年においてメガディールのプレーヤーが誰になるかを見極めることです。この予想困難さが、市場に新しく、かつ興味深い側面を加えています。」(出典:KPMG non-FSレポート)さらにスチュアートは、現在のプライベート・エクイティーの待機資金の水準は、2018年において世界の全ての地域においてメガ案件があり得ることを示唆するものであり、彼らは金融サービスの全ての業態に資金を振り向ける用意もある、と指摘しています。

地域としては、米国、中国、英国以外に、ドイツ、イタリア、インドネシア、インドで再編の動きが加速化すると、私たちは予想しています。規制上の主な懸念事項は、バーゼルIVに係る不透明感が晴れることで減少すると見込まれます。過去数年にわたり、銀行は海外展開に対して非常に慎重で、自社の事業モデルにより注力していたため、M&Aを主に国内または域内に限定してきました。2018年、またそれ以降については、戦略上、M&Aにより一層注力してくると思われます。

KPMGイタリアのコーポレート・ファイナンス パートナーのシルヴァノ・レノーチは次のように述べています。「2017年の銀行業界のM&Aの4分の3は国内案件であり、この傾向は、不良債権案件においては大半に海外の買い手が関与することと並び、今後も続くと考えられます。同時に、フィンテックやロボアドバイザーといったイノベーション関連への注目が世界的に継続するでしょう。巨額の流動性が待機状態であり、投資機会をうかがっています。」

KPMG米国のグローバル・インシュランスディール・アドバイザリー リードのラム・メノンによれば、保険業界にも潤沢な投資資金があり、会社は引き続き非連続な成長の機会を求めると考えられます。「保険業界は、金融サービスセクター全体がそうであるように、カスタマーエンゲージメントの向上と、トップライン成長につながる変革と刷新を強く求めており、2018年のM&A活動は非常に戦略的になると予想しています。ビジネスモデルを変革する、勃興する革新的な技術を取り込む、またはオペレーションモデルを刷新するといった機会をもたらす案件に、世界的に関心が集まるでしょう。」

2017年レビュー

2017年の金融サービスセクターにおける案件数は、前年の3,072件とほぼ同じ水準の3,020件でしたが、取引総額は、前年の3,180億米ドルから20%減の2,530億米ドルでした。この結果は銀行セクターが今後数年にわたって、バーゼルIV問題や全般的な資本不足、また巨額の不良債権問題といった課題を抱える中で、業界に継続的な圧力がかかり続けると指摘した昨年の『M&A市場予測』の見方に一致しています。

過去10年間の金融サービスセクターにおける案件数及び取引総額の推移

2017年の保険業界における案件数は、前年とほぼ同水準(前年比0.7%減)であった一方で、取引総額は前年比128%増となりました。この128%の増加には、2017年の金融サービスセクターにおいて最大規模となったあるメガ案件が著しく寄与しています。(出典:MergerMarket及びKPMGによる分析)

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