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法務アップデート

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ベトナムニューズレター - ベトナム政府はDecree09/2018/ND-CP(以下、「Decree09」という)を発行しました。Decree09は、ベトナムにおける外国投資家や外国資本の経済組織(以下、「外国投資企業」または「FIE」という)による商品売買およびそれに直接関連するその他の活動(以下、「商品売買および関連活動」という)について規定するものです。

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商品売買および関連活動の許可証(営業許可証)

許可証発行にかかる手続が軽減

Decree09の最も大きな変更点の1つとして、輸出、輸入および卸売販売(ただし、石油及び潤滑油製品の輸入および卸売販売は除く)について、営業許可証の取得義務がなくなりました。すなわち、FIE(保有割合にかかわらず外国法人又は外国人が直接出資するベトナム企業)および外国投資家から51%以上の保有を受けたFIEが定款資本金の51%以上を所有するベトナム企業(以下、FCE:Foreign controlled enterpriseという)は、投資法および企業法に従って、必要な投資登録証明書および企業登録証明書を得て登録すれば、これらの活動を行うことが認められます。これは、ベトナムにおいて商品売買活動を行うFIEおよびFCEの事務手続の負担を大きく軽減することになります。
ただし、以下にあるような特定の商品売買および関連活動を行うFIEおよびFCEは、引き続き営業許可証を取得する必要があります。
 

  • 石油や潤滑油の輸入および卸売販売にかかる権利
  • 商品の小売
  • 物流サービス(ベトナムが加盟している国際条約に従って市場開放を約束している場合を除く)
  • オペレーティング・リース(作業員付き建設機械・設備のリース及び不動産リースを除く)
  • 販売促進サービス(広告サービスを除く)
  • 商業仲介サービス
  • Eコマースサービス
  • 入札代行サービス


したがって、既存のベトナム企業がFIEまたはFCEとなり(例:合併または買収により)、上記の活動のいずれかを継続する場合には、営業許可証の取得が義務付けられます。しかしながら、当該ケースで営業許可証を申請する際の法定期限や営業許可証取得までの間にこれらの活動を継続できるか否かについては明確化されていません。
関連する地域の商工局は営業許可証を発行する権限を有しています。関連する地域の商工局は、米、砂糖、記録媒体、書籍、新聞、雑誌に関する小売権の申請に関して、商工省以外にも関連省庁から承認についての意見を得る必要があり、また、上記以外に関する小売権の申請に関して、商工省から承認についての意見を得る必要があります。
Decree09は、特定のケース(例:石油、潤滑油、米、砂糖、記録媒体、書籍、新聞、雑誌等外国投資家に市場開放を約束していない特定の商品の売買取引)に関しては5年間の営業許可証が発行されることを規定しています。一方、それ以外の商品売買および関連活動に関する営業許可証の期間については明確にしていませんが、KPMGは、投資法に関連する規定に従い、最長50年間の営業許可証が付与される可能性があると考えています。

小売店設立許可証(小売店許可証)

申請手続はより困難

Decree23/2007/ND-CPと異なり、Decree09はすべてのFIEおよびFCEに対し、(一店舗目も含めた)小売店の設立に際して営業許可証に加えて小売店許可証を取得することを求めています。当該要請は既存の小売店を有するベトナム企業がFIEまたはFCEとなる場合(例:合併または買収により)にも適用されます。この場合、Decree09は、修正された企業登録証明書を入手後30日以内に小売店許可証の申請を行うという厳格な期限を設けています。しかしながら、実務上、関連当局による承認プロセスに遅れが生じる場合があり、このような企業が申請期間中に既存の小売店の営業を継続できるか否かは依然として明確にされていません。
エコノミック・ニーズ・テスト(以下、「ENT」という)は、その後のすべての小売店舗(以下、「二店舗目」という)の設立に関して適用されます。(ただし、以下の全ての条件を満たす場合を除きます。(1)二店舗目の敷地が500m2未満である。(2)ショッピングモール内にある。(3)コンビニエンスストアまたは小型スーパーとして指定されていない。)これは、小型スーパーやコンビニエンスストアが、その他の要件を満たす場合に二店舗目に対するENTが免除されていた従前の規定と比べて厳格となっております。
二店舗目の定義は、既存の店舗を有するFIEにより設立される小売店のみならず、同一の外国投資家により設立される小売店、またはFIEにより所有されている既存の店舗と同一の名前・ブランド・商標等の下で設立される小売店を含んでいます。したがって、このようなケースにおける小売店の設立にはENTが要求されます。
関連する地域の商工局は、商工省から承認についての意見を入手したうえで、小売店許可証を発行する権限を有しています。
小売店許可証は、小売店設立時のFIEの投資登録証明書の残存期間と同一の期間に対して付与され、投資登録証明書を保有していない場合には小売店の所在地に関する書類に記載されている期間と同一の期間に対して付与されます。

Decree09により規制される商品売買活動

依然不透明な部分

Decree09では、ベトナムで購入した商品または法律に基づいてベトナムに輸入した商品に加えて、FIEが他の企業との間で第三者による加工を約束している(例えば、委託生産または契約生産)商品を保税地域および海外市場の両方に輸出できることが明確になりました。輸入権に関しては、FIEは海外または保税地域からベトナムに商品を輸入することが認められています。ただし、輸出入権を保有するFIEが海外から保税地域に商品を入庫し、輸入手続前にそれを別の輸出加工企業(以下、「EPE」という)に販売することが認められるか否かは明確ではありません。
Decree09の下で付与された販売権に関しては、小売活動と卸売活動の新たな定義が導入されています。これによると、小売とは、個人、家族経営事業(法人を除く)、およびその他の組織に対する国内消費を目的とする商品の販売活動と定義されています。一方で卸売は、小売を除く、卸売業者、小売業者およびその他の組織に対する商品の販売活動として定義されています。依然として明確でないのは、ある組織が製造活動またはサービス提供を目的として商品を使用する場合に、そのような組織への商品の販売が小売または卸売のどちらに該当するかということです。
留意すべきは、ボーダー・ゲート・トランスファー(保税地域内での再輸出のための輸入)や三国間貿易等、外国投資家やFIEに認められることが大いに期待されていたその他の関連する活動がDecree09の対象ではないことです。よって、FIEにはこれらの事業活動が認められるかが不明確のままですが一方で、実務上は許可された例もあります。

FIEによる特定の商品売買取引にかかる規制緩和

Decree09は、ベトナムが加盟している国際条約に基づいて外国投資家に市場開放を約束していなかった特定の商品売買にかかる規制を緩和しています。特に、石油や潤滑油に関しては、FIEがこれらの商品を製造しているか、ベトナムでこれらに関する特定のタイプの商品を使用する機械、設備、商品の製造または販売許可を得ている場合は、輸入および卸売販売(小売販売ではない)の許可が認められる可能性があります。米、砂糖、記録媒体、書籍、新聞、雑誌については、FIEがスーパーマーケット、小型スーパー、コンビニエンスストアの形態で小売店を設立した場合に、これらの商品の販売許可が認められる可能性があります。

移行措置

Decree09は、既存の投資登録証明書、企業登録証明書、営業許可証、小売店許可証に基づいて商品売買および関連活動を実施しているFIEが、投資登録証明書等の修正が必要な事態が生じるまでは、Decree09により義務付けられる営業許可証、小売店許可証を新たに取得することなく既存の事業を継続することを認めています。

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