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税務情報(2018.2-3)

税務情報(2018.2-3)

本稿は、2018 年2月から3月に財務省・国税庁等から公表された税務情報ならびにKPMG税理士法人のウェブサイトに掲載している情報をまとめてお知らせするものです。

関連するコンテンツ

本稿は、2018年2月から3月に財務省・国税庁等から公表された税務情報ならびにKPMG税理士法人のウェブサイトに掲載したKPMG Japan tax newsletterおよびKPMG Japan e-Tax Newsの情報をまとめてお知らせするものです。

I.2018年度税制改正

1.2018年度税制改正法案の成立および政省令の公布

3月28日、第196回通常国会において2018年度税制改正に係る以下の2つの法案が可決・成立しました。また、3月31日、これらの改正法が関連政省令とともに公布されました。


上記に関するKPMG Japan e-Tax News (2018年3月29日発行)

2018年度税制改正 - 改正法案成立(日本語)
2018 Tax Reform — Passage of the Bills(英語)

主な改正項目の概要をお知らせするKPMG Japan tax newsletter (2017年12月19日発行)
2018年度税制改正大綱(日本語)
Outline of the 2018 Tax Reform Proposals(英語)

2.税制改正関連法案の国会提出

2月9日、2018年度税制改正に関連する「生産性向上特別措置法案」および「産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」が第196回通常国会へ提出され、経済産業省のウェブサイトに、これらの法律案やその概要、参考資料、要綱および新旧対照表等が掲載されました。


(1)生産性向上特別措置法案
2018年度税制改正で創設された、「情報連携投資等の促進に係る税制(IoT投資税制)」および「中小企業の固定資産税の軽減措置」の関連法案です。
2017年12月22日に閣議決定された税制改正大綱には、これらの税制は「生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)」の制定を前提とする旨が明記されていたところですが、その名称が「生産性向上特別措置法」へと変更されました。


(2)産業競争力強化法等の一部を改正する法律案
「産業競争力強化法」、「中小企業等経営強化法」および「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」等の改正法案です。
2018年度税制改正では、特別事業再編計画の認定を受けた事業者が行った特別事業再編(自己株式を対価とした公開買付けなどの任意の株式の取得)による株式の交換について、その交換に応じた株主に対する譲渡損益に係る課税の繰延措置が設けられましたが、特別事業再編の意義等の規定は「産業競争力強化法」の改正案に含まれています。
また、「産業競争力強化法」の改正により、スピンオフの実施を円滑に行うための手続に関する会社法の特例措置等も講じられる予定です。

3.「投資法人の計算に関する規則の一部を改正する内閣府令」の公布

3月30日、「投資法人の計算に関する規則の一部を改正する内閣府令」が公布されました。


この改正により、2018年4月1日以後に開始する営業期間に係る計算書類については、外国法人税を含む租税公課が、投資法人の損益計算書において営業費用に区分されることになります。
投資法人については、配当可能利益(税引前当期純利益から一定の項目を控除したもの)の90%超を配当として支払うこと(90%超配当要件)等を満たす場合には、支払配当の損金算入が税務上認められていますが、上記の計算規則の改正により、90%超配当要件の判定における配当可能利益の計算上、外国法人税が控除されることになります。この改正は、外国法人税が課される海外不動産への投資比率が高い投資法人が90%超配当要件を満たせないという懸念に対応するものです。

4.中小企業庁 - 中小企業向けパンフレットの公表

3月30日、中小企業庁はウェブサイトに以下のお知らせを掲載しました。


このパンフレットは中小企業・小規模事業者向けに作成されたもので、2018年度税制改正項目のうち中小企業の企業活動を支援する税制措置(事業承継税制の特例や設備投資に係る固定資産税の軽減措置など)について、改正の概要や適用要件等のポイントを分かりやすく解説するものです。

II.移転価格税制

国税庁 - 「移転価格事務運営要領」の一部改正について(事務運営指針)等の公表

国税庁は2月23日、「移転価格事務運営要領」の一部改正を公表しました。

今回の事務運営指針の改正は、税源浸食と利益移転(BEPS: Base Erosion and Profit Shifting)プロジェクトの最終報告書の内容を反映した、グループ内役務提供取引に係るOECD移転価格ガイドラインの改訂および事前確認を取り巻く環境の変化を踏まえて行われたもので、たとえば以下の改正が行われています。


(1)グループ内役務提供取引の取扱いの改正

  • グループ内役務提供取引に対する簡易な算定方法の追加(一定のグループ内役務提供取引について、企業が役務提供に要した費用にその費用に5%を乗じた金額を加算した金額を対価の額としているときは、その対価の額を独立企業間価格として取り扱うこととする規定が設けられました。)
  • 株主活動の例示の追加
    (国外関連者に対する役務提供に該当しないこととされる株主活動について、OECD移転価格ガイドラインと整合的な例示が追加されました。)


(2)事前確認に係る手続の改正

  • 事前確認の申出に必要な資料の添付がなかった場合における資料の提出期限等の明確化
  • 事前確認審査を保留する場合の例示の追加
  • 事前確認の申出から相当期間を経過した場合の取扱いの明確化
  • 事前確認を行うことができない場合の例示の追加、資料の提出期限の明確化


また、同日、「恒久的施設帰属所得に係る所得に関する調査等に係る事務運営要領」の一部改正も公表されています。


この改正では、外国法人の恒久的施設帰属所得に係る事前確認および内国法人の国外事業所等帰属所得に係る事前確認に関し、上記(2)に対応する見直しが行われています。

「連結法人に係る移転価格事務運営要領」および「連結法人の国外事業所等帰属所得に係る連結所得に関する調査等に係る事務運営要領」についても、同日付で上記と同様の改正が行われています。)


上記に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No. 145 (2017年11月15日発行)
KPMG Japan e-Tax News No. 149 (2018年2月27日発行)

III.共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換

国税庁 - 「共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換」に関する情報を更新

国税庁は、ウェブサイト上に「共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換(「CRSコーナー」)」を開設し、CRSに関するリーフレットやFAQ、関連法令等を掲載しています。

共通報告基準(CRS: Common Reporting Standard)とは、外国の金融口座を利用した国際的な脱税および租税回避に対処することを目的としてOECDが策定した、非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための国際基準です。
日本はCRSに基づいた情報交換を実施する観点から、2015年度税制改正において、一定の金融機関等(報告金融機関等)が報告対象国の居住者等の金融口座情報を所轄税務署長に報告する制度を創設しており、2018年5月1日(4月30日が祝日であるため)までに報告金融機関等から初回の報告が行われることとされています。
国税庁は、CRSコーナー内に設けられている以下の3つのページを更新し、新たな情報を掲載しました。


(1)制度の概要(リーフレット等)
「口座開設等を行う法人の方へ 金融機関等で法人の方が口座開設等をする際は、「特定法人」に該当するかどうかの確認が必要です!」(2月21日更新)


(2)FAQ
「非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度」(FAQ)(2月2日更新)
2016年7月に初版が公表されたのち2回にわたり更新されているFAQが、再度更新されました。今回は、2つの設問の追加および既存の設問(9問)の更新が行われています。


(3)報告事項の提供方法等
「非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度(FAQ(報告事項の提供))」(3月16日更新)
2017年8月に初版が公表されたのち3回にわたり更新されているFAQ(報告事項の提供)が、再度更新されました。今回は、3つの設問の追加および既存の設問(10問)について文言の修正・追加・削除等が行われています。

IV.租税条約

1.スペインとの租税条約 - 実質合意

日本国政府はスペイン王国政府との間で、現行の租税条約を改正するための交渉を2017年4月25日より開始していましたが、財務省は2月21日、両政府が実質合意に至ったことを公表しました。

新条約は、両国政府内における必要な手続を経たうえで署名され、その後、両国における承認手続(日本の場合は、国会の承認を得ることが必要)を経たうえで発効することとなります。


財務省プレスリリース
日本語:スペインとの新租税条約について実質合意に至りました
英語:New Tax Convention with Spain Agreed in Principle

2.クロアチアとの租税協定 - 締結交渉の開始および実質合意

日本国政府とクロアチア共和国政府は、租税協定の締結交渉を2018年3月8日より開始していましたが、財務省は3月20日、両政府が実質合意に至ったことを公表しました。
この協定は、両国政府内における必要な手続を経たうえで署名され、その後、両国における承認手続(日本の場合は、国会の承認を得ることが必要)を経たうえで発効することとなります。


財務省プレスリリース
日本語:
クロアチアとの租税条約の締結交渉を開始します
クロアチアとの租税協定について実質合意に至りました

英語:
Negotiations for Tax Convention with Croatia will be Initiated
Tax Agreement with Croatia Agreed in Principle

V.その他

経済産業省 - 「スピンオフ」の活用に関する手引の公表

3月30日、経済産業省はウェブサイトに以下のお知らせを掲載し、スピンオフ(特定の事業部門や完全子会社を切り出して資本関係のない別会社とし、経営を独立させる取組)の活用を促すことを目的とした手引を公表しました。


企業の大胆な事業再編を促進するため、2017年度および2018年度税制改正ではスピンオフ税制の整備が行われましたが、日本においてこれまでに実施された事例はほとんどなく、関連法令等との関係で実際にどのようにスピンオフの手続を進めていけばよいのか明確になっていない点が実務上の課題とされていました。
この手引はこうした課題に対応するために作成されたもので、2017年度税制改正の概要のほか、会社法の株主総会手続や金融商品取引法上の提出書類、証券取引所への上場手続および税務・会計処理のポイントがまとめられたQ&A等が掲載されています。
なお、2018年度税制改正について、公表日現在の手引には税制改正大綱に基づく記載があるのみですが、今後、改正の内容が追加される予定です。

執筆者

KPMG 税理士法人

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