製品価値:製品群の管理からエコシステムの管理へ

自動車業界の最新動向を軸に、内燃機関の未来、電動化への障害や、自動運転への対応について考察します。

自動車業界の最新動向を軸に、内燃機関の未来、電動化への障害や、自動運転への対応について考察します。

これまでモビリティはアセット型の製品に依存してきており、これからもそれは変わらないでしょう。しかし、考え方に変化が見え始めているようです。以前は、社内においても顧客に対しても、自動車メーカーは製品そのものに最も力を注いできましたが、これからは、顧客が製品やサービス、コンテンツの区別にこだわらず、製品がエコシステムの中の一部として扱われるようになるでしょう。

内燃機関の未来

電動ドライブトレインというコンセプトが進展しつつありますが、エグゼクティブは、今後も長期的に内燃機関エンジンが重要な存在であり続けると確信しています。今後の自動車業界には、複数の代替ドライブトレイン技術と内燃機関とが拮抗状態で並存するでしょう。しかし、環境保護を求める声が着実に高まっていく中で、内燃機関エンジンが生き残る術や場所はあるのでしょうか?また、ディーゼル車は自動車メーカーの製品ラインから消えてしまうのでしょうか?こうした話題が報道をにぎわせているものの、エグゼクティブはそうした流れには否定的な見方を強めています。ディーゼル車は、社会的に容認されないとしても、技術的には高く評価されており、バイオ燃料や合成燃料を使用することで環境への影響が軽減される可能性もあります。しかし、成熟市場においてディーゼル車が禁止された場合、ディーゼル車がグローバル市場で発展する道はあるでしょうか?

電動化への対応

eモビリティがエグゼクティブの主要トレンド一覧の筆頭に挙げられていますが、その実現に向けた動きは遅々として進んでいません。エグゼクティブや消費者から見ると、eモビリティが抱える課題は多岐にわたっています。コストが最大の障害として挙げられていますが、eモビリティにとって本当の問題はインフラの整備だと考えられます。では、インフラ整備の成否を決めるカギは何であり、それを担うのは誰なのでしょう?消費者の80%は自動車メーカーがインフラ整備を行うべきであると考えており、エグゼクティブも同じ意見を持っています。これが意味することは、今後自動車メーカーは新たな領域に踏み込んでいかなければならないということです。つまり、顧客のライフサイクル全体を通じて快適な充電環境を提供するという形で、サービス主導の事業に乗り出すということです。同時に、メーカーは経営基盤をさらに強化して、燃料電池車のようなeモビリティ製品の開発を継続するべきです。エグゼクティブは、燃料電池車こそ真の意味でのeモビリティの突破口となると確信しています。エグゼクティブはなぜそのように考えるのでしょうか、また、そうした見解は視野が狭すぎるでしょうか?eモビリティに関する疑問のいくつかは現在も答えが出ておらず、克服すべき課題が多く残っています。

自動運転への対応

自動運転は、モビリティのあり方や社会的側面を破壊し、今日知られているモビリティの枠組みを根本から変えてしまうでしょう。先駆的な自動運転車はすでに路上で見かけるようになっていますが、ハンドルのない自動車が整然と走行する光景が実現されるには、多くの課題を解決しなければなりません。ただ、エグゼクティブの見方は楽観的であり、エグゼクティブの94%が、2040年までには自動運転に関する十分かつ実効性のある方針や規制が策定されると考えています。しかし、インフラの問題はどうでしょうか?それはカメラやレーダー、スマートアルゴリズムといったものに留まらず、相当な投資が必要になるでしょう。モビリティの移行期に、人が運転する自動車と自動運転車が共存できるのでしょうか?また、自動運転が広がることにより消費者の嗜好やブランド信仰、あるいはアセットの所有権はどのような影響を受けるのでしょうか?

 

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