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ASBJ、「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」等を改正

ASBJ、「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」等を改正

会計・監査ニュースフラッシュ - 企業会計基準委員会(ASBJ)は、2018年9月14日に改正実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」等を公表しました。

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企業会計基準委員会(ASBJ)は、平成30年9月14日、改正実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」等(以下、「本改正実務対応報告」という。)を公表しました。

本改正実務対応報告は、当面の取扱いに従って、在外子会社等において、IFRS第9号「金融商品」を適用し、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合に、連結決算手続上、当該資本性金融商品の売却損益相当額及び減損損失相当額を当期の損益として組替調整することとしています。

本改正実務対応報告は、平成30年5月28日に公開草案を公表し、コメント募集を行った後、ASBJにてコメントを検討し、公開草案の修正が行われた上で公表されています。なお、公開草案からの重要な変更点はありません。

ポイント

会計処理

  • 実務対応報告第18号の改正として、在外子会社等においてIFRS第9号「金融商品」を適用し、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合に、当該資本性金融商品の売却損益相当額及び減損損失相当額を当期の損益として組替調整することを修正項目に加えています。
  • 実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」も改正され、持分法適用関連会社において改正実務対応報告第18号に準じて連結財務諸表を作成する場合には、子会社と同様、当該修正を行います。

適用時期等

  • 原則として平成31年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用する。また、早期適用等も認められ、適用時期に応じた定めを設けています。

I.本改正実務対応報告の内容

概要

在外子会社等が国際財務報告基準(IFRS)第9号「金融商品」(以下、「IFRS第9号」という。)を適用し、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合、当該資本性金融商品の公正価値の変動から生じる利得や損失はその他の包括利益に計上され、売却等があった場合でも純損益への組替調整(リサイクリング)はIFRS上行われない。

本改正実務対応報告では、実務対応報告第18号の改正として、在外子会社等がIFRS第9号を適用し、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合に、親会社における日本基準の連結財務諸表作成に当たり、以下の組替調整を行う修正項目を追加している。

  • 資本性金融商品の売却を行ったときに、連結決算手続上、取得原価と売却価額との差額を当期の損益として計上するよう修正する。
  • 企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」の定め又は国際会計基準第39号「金融商品:認識及び測定」の定め※に従って減損処理の検討を行い、減損処理が必要と判断される場合には、連結決算手続上、評価差額を当期の損失として計上するよう修正する。

※IFRS第9号「金融商品」の公表により、この金融資産の減損の定めは削除されているが、本実務対応報告においては、削除される直前の国際会計基準第39号「金融商品:認識及び測定」における金融資産の減損の定めに従うこととしている。

また、同時に公表された改正実務対応報告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」では、実務対応報告第24号の改正として、持分法適用関連会社において改正実務対応報告第18号に準じて連結財務諸表を作成する場合には、子会社と同様、当該修正を行うこととしている。

参考:修正項目の見直し

平成30年改正前の実務対応報告第18号では、IFRSや米国会計基準に基づいて作成された在外子会社等の会計処理を修正しなければならない項目として、以下の4つを列挙していた。
(1)のれんの償却
(2)退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理
(3)研究開発費の支出時費用処理
(4)投資不動産の時価評価及び固定資産の再評価


ASBJは、平成18年の実務対応報告第18号の公表後、本改正実務対応報告の検討時点までの間に新規に公表又は改正されたIFRS及び米国会計基準を対象に、修正項目として追加する項目の有無等について検討を行った。
なお、本検討においては、我が国の会計基準に共通する考え方と乖離するか否か、実務上の実行可能性、子会社における取引の発生可能性や連結財務諸表全体に与える重要性の観点等が考慮されている。


本改正実務対応報告の公表にあたっては、具体的には主に以下の会計基準の検討を行い、その結果、上記のとおり、IFRS第9号における、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示する選択をしている場合の組替調整を、5つ目の修正項目として加えている。

IFRS
(1)IFRS第9号「金融商品」
(2)IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」

米国会計基準
(3)米国会計基準会計基準更新書(以下、「ASU」という。)第2016-01号「金融商品-総論(サブトピック825-10):金融資産及び金融負債の認識及び測定」
(4)ASU第2014-09号「顧客との契約から生じる収益(トピック606)」
(5)ASU第2016-13号「金融商品-信用損失(トピック326):金融商品に係る信用損失の測定

なお、IFRS第16号「リース」、IFRS第17号「保険契約」及び米国会計基準更新書第2016 - 02号「リース」は当該検討から除かれている。

II.適用時期等

適用時期

平成30年改正の実務対応報告第18号(以下、「平成30年改正実務対応報告第18号」という。)は、平成31年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用すること、及び以下の例外的取扱いを認めている。

  1. 平成30年改正実務対応報告第18号の公表日以後、最初に終了する連結会計年度及び四半期連結会計期間における早期適用
  2. 平成32年4月1日以後開始する連結会計年度の期首又は在外子会社等が初めてIFRS第9号を適用する連結会計年度の翌連結会計年度の期首からの適用。なお、平成31年4月1日以後開始する連結会計年度以降の各連結会計年度において、平成30年改正実務対応報告第18号を適用していない場合、その旨を注記する。

適用初年度の取扱い

平成30年改正実務対応報告第18号の適用初年度においては、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱うこと、及び以下の例外的取扱いを認めている。

1.会計方針の変更による累積的影響額を、当該適用初年度の期首時点の利益剰余金に計上することができる。
2. 1.の選択を行い、かつ、在外子会社等においてIFRS第9号「金融商品」を早期適用している場合には、遡及適用した場合の累積的影響額を算定する上で、以下の取扱いによる。

  • 在外子会社等においてIFRS第9号を早期適用した連結会計年度から平成30年改正実務対応報告の適用初年度の前連結会計年度までの期間において資本性金融商品の減損会計の適用を行わず、平成30年改正実務対応報告の適用初年度の期首時点で減損の判定を行うことができる。

3. 1.の選択を行い、かつ平成30年改正実務対応報告第18号の公表日以後最初に終了する四半期連結会計期間に平成30年改正実務対応報告第18号を早期適用する場合には、以下の取扱いによる。

  • 会計方針の変更による累積的影響額を、早期適用した四半期連結会計期間の期首時点ではなく、連結会計年度の期首時点の利益剰余金に計上する。
  • 早期適用した連結会計年度の翌年度に係る四半期連結財務諸表において、早期適用した連結会計年度の四半期連結財務諸表(比較情報)は平成30年改正実務対応報告の定めを当該早期適用した連結会計年度の期首に遡って適用する。

なお、改正実務対応報告第24号においても、適用時期等について改正実務対応報告第18号と同様の改正が行われている。

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執筆者

有限責任 あずさ監査法人
会計プラクティス部

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