在欧企業へのモーニングコール | KPMG | JP
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在欧企業へのモーニングコール

在欧企業へのモーニングコール

The Brexit Column - 2019年3月末の英国のEU離脱後、激変緩和目的としての2020年12月末までの移行期間の導入について合意されたことを受けて、Brexit計画を中断する英国系企業が出てきた一方で、他のヨーロッパ企業にとって今回の合意はモーニングコールとなったようだ、とKPMGスペインのAntonio Hernandez Garciaはコメントしています。

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ヨーロッパ企業はついに避けては通れない状況を受け入れる気になったのでしょうか?移行期間が導入される可能性が高まったことで、英国ではBrexitに関する計画について消極的になる企業が出てきているようですが、欧州大陸では真逆の反応が見られるようです。

2016年の英国の国民投票以来、スペイン企業の中には、Brexitは実際には起こらないのではないかと考えている企業がありました。そして人々の間では、「もう一度国民投票が行われる。」「どこかで妥協するだろう。」という声が聞かれました。英国の政治情勢、離脱に関する合意獲得の難航や、経済的なダメージを受ける可能性といったことを踏まえて、スペインではBrexitが実現しないのではないかと思っている人は少なくありませんでした。

そんな中、この数週間で企業の対応に変化が生じました。そのきっかけとなったのは3月に開催された欧州理事会サミットと、そのサミットでのいくつかの項目に関する合意(移行期間の導入に関する合意等)でした。Brexitはもうすぐそこまで迫っており、21カ月後(すなわち2021年以降)には英国との新たな関係が現実のものとなります。

筆者を含め、多くの企業にとって、英国の離脱は非常に残念なことでした。私たちが最近実施した約2,000名のスペイン企業のCEOや役員を対象としたアンケートでは、Brexitをチャンスととらえると回答したのは全体のわずか6分の1でした。

しかし、多くの人々がその影響に気付き始めたというのは喜ばしいことです。スペインの観光産業にとって英国からの旅行者は最も重要な海外市場であり、海外株式投資先の第1位は英国です。また英国は第5位の輸出先でもあります。
 

Manana Manana(いつかそのうち・・・)

つまり、ヨーロッパ企業にとっては今こそ準備を進めるときです。今回のアンケートに参加した企業の約半数は英国とビジネス上または経済面で何らかの関連がありました。しかしそのうち36%(昨年からほぼ変化なし)が、Brexitに関するコンティンジェンシープランが必要とは思わない、と回答しています。

Brexitの深刻さを理解する企業は増えてきたものの、移行期間導入という言葉に惑わされて、それを言い訳に対策を遅らせる企業が増えるというリスクがあります。

離脱協定が無事に合意に至った場合、移行期間の導入により企業に与えられる猶予期間はわずかに21ヵ月です。そしてその移行期間が終了するまでにやるべきことはたくさんあります。例えば、アンダルシアのトマト生産者にとっては収穫物を積んだ大型トラックがカレー港でスムーズに通関できるかどうかが非常に重要です。そこで輸出業者が今のうちに着手しておくべき対策としては、KPMGオランダが最近のレポートで推奨しているように、通関手続きの自動化に向けて準備する、国境での物理的な検査を回避できるようにAEO(Authorized Economic Operator)事業者の認定を受ける、または農場で植物検閲検査が受けられるように申請する、などが挙げられます。

ヨーロッパ企業にとっては、先月のブリュッセルでの合意について、Brexit関連の準備を保留してもよいという太鼓判、と楽観的に受け止める方が簡単です。しかし、Brexitはいよいよ現実のものとなりつつあり、それに向けて緊急に対策を講じる必要性がますます高まったと受け止める方が賢明だと考えます。

本稿は英語版(原文)のコンテンツを和訳したものです。日本語版と英語版との内容に相違がある場合は英語版が優先されます。

The Brexit Column: Wake up time for European firms

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