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CPTPPの署名と今後の展開

CPTPPの署名と今後の展開

Trade and Customs Newsletter - 包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership:CPTPP)についてポイントを整理しています。

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1.概要

2018年3月8日(日本時間9日)、チリのサンティアゴでCPTPPの署名式が行われ、日本を含む以下の11カ国がCPTPPに署名しました。

署名国

  • オーストラリア
  • メキシコ
  • ブルネイ
  • ニュージーランド
  • カナダ
  • ペルー
  • チリ
  • シンガポール
  • 日本
  • ベトナム
  • マレーシア

CPTPPが発効すれば、世界のGDPの約13%、貿易総額の15%、人口約5億人から成る巨大な自由貿易圏が誕生することになります。今後は、各署名国の国内承認手続を経て発効することになりますが、現時点では、2019年の早い時期での発効が見込まれています。

なお、CPTPPの協定本文(正文は英語、スペイン語及びフランス語です)は下記リンクからご覧いただけます。

ニュージーランド外務貿易省(PDF 185KB、英語)
内閣官房TPP等政府対策本部(PDF 128KB)
※仮訳のため、正式な和訳が発表され次第削除される可能性があります。

2.効力発生の時期

CPTPPの協定本文は全7条で構成されており、第3条に効力発生に関する規定が置かれています。同条によると、CPTPPの効力発生日は、署名国の過半数(つまり現状は6カ国)の国がそれぞれの国内法上の手続きを完了した旨を書面によりニュージーランド(寄託者:協定の取り纏め役)に通報した日の後60日とされています。チリ、メキシコ、ニュージーランドなどは協定の早期発効に意欲を示しており、署名国は2019年の早い時期の発効を目指すことで一致しました。日本でも、今国会にCPTPPの承認案及び関連法案が提出され、可決・成立後はニュージーランドに通報を行うことになります。

3.TPP協定との相違

米国離脱前のTPPとCPTPPとの大きな違いはCPTPPの附属書に掲げられた22項目について凍結されている点です。これらは、いずれも主に米国の要望により取り入れられたもので、知的財産権に関するものが多数を占めており、モノの貿易に関連するものは含まれておらず、米国が脱退した点はあるものの、関税に関連する内容については当初のTPPと大きな違いはないといえます。

4.CPTPPのインパクト

CPTPPの発効により、署名11カ国のうち現時点で日本とのEPA又はFTAを有しないカナダとニュージーランドとの輸出入については、新たにCPTPPが定める特恵税率が適用可能となります。また、原産地規則では完全累積制度が採用され、域内で追加された付加価値の累積により、貨物の原産地判定基準を充足しやすくなるなど企業のサプライチェーンにおけるメリットがあります。さらに、日本以外の他の署名国間でも新たなFTAが締結されるため、日本を経由しない域内の取引においてもインパクトがあります。このように、CPTPPにより環太平洋地域に統一されたルールに基づく貿易圏が誕生することが、今後の貿易に様々な影響を及ぼすことになりそうです。

 

Trade & Customs Newsletter No.8

執筆者

KPMG税理士法人
関税・間接税サービス
パートナー 梅辻 雅春
パートナー 神津 隆幸

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