税務情報(2017.12-2018.1) | KPMG | JP
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税務情報(2017.12-2018.1)

税務情報(2017.12-2018.1)

本稿は、2017年12月から2018年1月に財務省・国税庁等から公表された税務情報およびKPMG税理士法人のウェブサイトに掲載している情報をまとめてお知らせするものです。

関連するコンテンツ

本稿は、2017年12月から2018年1月に財務省・国税庁等から公表された税務情報およびKPMG税理士法人のウェブサイトに掲載しているKPMG Japan tax newsletterおよびKPMG Japan e-Tax Newsでお知らせした情報をまとめてお知らせするものです。

I.2018年度税制改正

2018年度税制改正大綱

「2018年度(平成30年度)税制改正大綱」は、政府与党(自民党・公明党)が2017年12月14日に決定したのち、12月22日に閣議決定されました。

法人課税に関しては、たとえば、デフレ脱却と経済再生に向け、生産性向上のための設備投資と持続的な賃上げを強力に後押しする観点から、賃上げ・生産性向上のための税制として、以下の措置が提案されています。
 

  • 十分な賃上げに加え、国内設備や教育訓練への投資等を行った企業について、賃上げ金額の一定割合の税額控除ができる措置 (所得拡大促進税制の見直し)
  • 企業内外のデータを連携・高度利活用すること等により生産性の向上を図る等、「生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)」の要件を満たすものとして認定された計画に基づく投資(情報連携投資)について、特別償却または特別控除ができる措置 (情報連携投資等の促進に係る税制の創設)
  • 所得が増加しているにもかかわらず、賃上げや設備投資をほとんど行っていない大企業について、研究開発税制等、生産性の向上に関連する税額控除を適用できないこととする措置 (租税特別措置の適用要件の見直し)


また、国際課税に関しては、税源浸食と利益移転(BEPS: Base Erosion and Profit Shifting)プロジェクトの合意事項が盛り込まれたBEPS防止措置実施条約やOECDモデル租税条約を踏まえ、国際課税における基本的な概念である「恒久的施設」の定義について、租税条約と国内法の適用関係を明確化し、恒久的施設認定の人為的回避に対応する見直しが行われるなど、国際合意に則った改正が提案されています。


2018年度税制改正大綱
自民党:平成30年度税制改正大綱
財務省:平成30年度の税制改正大綱(閣議決定)(PDF:1.3MB)


上記に関するKPMG Japan tax newsletter(2017年12月19日発行)
2018年度税制改正大綱(日本語)
Outline of the 2018 Tax Reform Proposals(英語)

II.2017年度税制改正

1.国税庁 - タックスヘイブン対策税制に係る新通達を発遣
BEPSプロジェクトの最終報告書を踏まえ、2017年度税制改正ではタックスヘイブン対策税制について制度全体にわたる改正が行われました。(改正後の規定は、外国関係会社の2018年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。)

これを受け、国税庁は1月9日、新制度に対応する以下の改正通達を発遣しました。

この改正により、タックスヘイブン対策税制(租税特別措置法第66条の6)に係る現行通達が全て廃止され、その多くが2017年度税制改正後の規定に沿うように改正・整理されたうえで新設されたほか、下記の注目される項目を含むいくつかの通達が新たに設けられました。
 

(1)実体基準および管理支配基準
会社単位の合算課税の対象となりうる対象外国関係会社および特定外国関係会社のうちペーパーカンパニーへの該当性の判定に用いられる実体基準および管理支配基準について、以下の通達が新設されました。

実体基準
66の6 - 6 (主たる事業を行うに必要と認められる事務所等の意義)

管理支配基準
現行の通達66の6 - 16の内容が見直されたうえで、以下の2つの通達に整理されました。
66の6 - 7 (自ら事業の管理、支配等を行っていることの意義)
66の6 - 8 (事業の管理、支配等を本店所在地国において行っていることの判定)


(2)事業基準
2017年度税制改正では、外国関係会社の主たる事業が航空機リース業である場合であっても、一定の要件を満たす場合には、経済活動基準における事業基準を満たすことができることとされました。

その要件のひとつに、「外国関係会社の役員または使用人がその本店所在地国において航空機の貸付けを的確に遂行するために通常必要と認められる業務の全てに従事していること」というものがありますが、これに関し、以下の通達が新設されました。

66の6 - 16 (全てに従事していることの範囲)
(この通達の取扱いは、「全てに従事している」ことが要件に含まれるその他の規定(外国金融子会社等の範囲ならびに受動的所得の合算課税の対象となる受取利子等、デリバティブ取引に係る損益および有形固定資産の貸付けによる対価の額から除かれる一定のものの範囲に関する規定)においても同様とされます。)


上記に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No. 146 (2018年1月9日発行)


2.国税庁 - タックスヘイブン対策税制に係るQ&Aを公表
新しいタックスヘイブン対策税制について、国税庁は上記1.の通達のほか、1月31日に以下のQ&Aを公表しました。

このQ&Aでは、2017年度税制改正の内容等のうち「ペーパーカンパニー等について」、「対象外国関係会社の判定に係る経済活動基準における航空機リースについて」および「部分適用対象金額に係る合算課税の対象範囲について」の3つの項目に関する疑問点について、全15問の設問で掲げられた典型的な例を用いて説明されています。


上記に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No.148(2018年2月1日発行)


3.国税庁 - 「配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに関するFAQ」を更新
国税庁のウェブサイトに設けられている「配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しについて」には、2017年度税制改正における配偶者控除・配偶者特別控除の見直しに関する情報(パンフレットや各種申告書様式)が掲載されています。

国税庁は1月4日、このページを更新し、「配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに関するFAQ」の改訂版を公表しました。「給与所得者の配偶者控除等申告書」に関連するFAQ(問12、16および17)が新設されたほか、問10(配偶者に係る扶養親族等の数の計算方法の変更の内容)に具体例が追加されています。

また、新しい各種様式および記載例も出揃いました。


上記に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No. 147(2018年1月12日発行)

III.移転価格税制

2016年度税制改正により移転価格の文書化制度の見直しが行われ、国税庁は「多国籍企業情報の報告」というページを設け、さまざまな関連情報を公表しています。国税庁はこのたび、このページを更新し、以下の情報を掲載しました。


1.「国別報告事項」及び「事業概況報告事項」の提供開始について

国税庁は1月4日、国別報告事項および事業概況報告事項の提供期限や提供開始日等について説明する表題のリーフレットを公表しました。
国別報告事項および事業概況報告事項の報告制度は、2016年4月1日以後に開始する最終親会計年度から適用されるため、最終親会計年度が2016年4月1日から2017年3月31日である場合の提供期限は2018年4月2日(3月31日が土曜日であるため)となります。


2.「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」のアップデート版

「移転価格税制に係る文書化制度(FAQ)」のアップデート版が、2017年12月に掲載されました。
OECDは2017年11月30日に「Guidance on the Implementation of Country-by-Country Reporting」を更新し、多国籍企業グループの最終親会社等(Ultimate Parent Entity)の直前の事業年度が12ヵ月に満たない場合におけるCbCレポートの提出義務の判定についてのガイダンスを示しましたが、これに関連する情報がFAQに追加されています。


関連情報 - OECDプレスリリース

OECD releases further guidance for tax administrations and MNE Groups on Country-by-Country reporting (BEPS Action 13)


上記1および2に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No. 147 (2018年1月12日発行)

IV.共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換

国税庁 - 「共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換」に関する情報を更新

国税庁のウェブサイト上に開設されている「共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換(「CRSコーナー」)」には、「報告事項の提供方法等」に関するページが設けられており、OECDのユーザーガイドへのリンクや国税庁が作成したその仮訳、FAQ、XMLファイル入力ルール等が掲載されています。
国税庁は2017年12月および2018年1月にこの「報告事項の提供方法等」に関するページを更新し、以下の情報を掲載しました。
 

  • CRSに基づく自動的情報交換の「報告対象国」一覧表
  • 報告対象国コード一覧
  • 非居住者に係る金融口座情報の自動的情報交換のための報告制度(FAQ(報告事項の提供))(平成29年8月)(平成29年12月改訂版・平成30年1月改訂版)


共通報告基準(CRS: Common Reporting Standard)とは、外国の金融口座を利用した国際的な脱税および租税回避に対処することを目的としてOECDが策定した、非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための国際基準です。
日本はCRSに基づいた情報交換を実施する観点から、2015年度税制改正において、一定の金融機関等(報告金融機関等)が報告対象国の居住者等の金融口座情報を所轄税務署長に報告する制度を創設しており、2018年5月1日(4月30日が祝日であるため)までに報告金融機関等から初回の報告が行われることとされています。
報告対象国一覧表には、この制度の報告対象とされる83の国名・地域名が、報告対象国コード一覧には、報告事項の提供データを作成する際に使用する国(地域)コードが掲載されています。
なお、2017年12月および2018年1月に改訂されたFAQには、報告対象国コードに関するFAQを含む計3問が新たに追加されています。


上記に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No. 147 (2018年1月12日発行)

V.租税条約

1.コロンビアとの租税条約 - 実質合意
日本国政府はコロンビア共和国政府との間で、租税条約を締結するための交渉を2017年12月5日より開始していましたが、財務省は2017年12月21日、実質合意に至ったことを公表しました。

この条約は、両国政府内における必要な手続を経たうえで署名され、その後、両国における承認手続(日本の場合は、国会の承認を得ることが必要)を経たうえで発効することとなります。


財務省プレスリリース
日本語:コロンビアとの租税条約について実質合意に至りました
英 語:Tax Convention with Colombia Agreed in Principle


2.アルゼンチンとの租税条約 - 締結交渉開始
財務省は1月9日、日本国政府がアルゼンチン共和国政府との間で、租税条約を締結するための交渉を開始することを公表しました。

第1回の交渉は、1月10日より東京において実施されています。


財務省プレスリリース
日本語:アルゼンチンとの租税条約の締結交渉を開始します
英 語:Negotiations for Tax Convention with Argentina will be Initiated


3.アイスランドとの租税条約 - 署名
1月15日、日本国政府とアイスランド共和国政府との間で「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアイスランドとの間の条約」の署名が行われました。

アイスランドとの間にはこれまで租税条約は存在せず、両国の緊密化する経済関係等を踏まえて新たに締結されるもので、OECDモデル租税条約およびBEPS防止措置実施条約におおむね沿ったものとなっています。


財務省プレスリリース
日本語:アイスランドとの租税条約が署名されました
英 語:Tax Convention with Iceland was Signed

VI.その他

国税庁 - 「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」の改訂版を公表

国税庁は1月15日、「消費税の軽減税率制度に関するQ&A」の改訂版を公表しました。このQ&Aは、寄せられた質問や疑問点を踏まえて、随時、追加や掲載内容の改訂を行っていくこととされており、今回は3回目の改訂となります。
Q&Aのうち、「制度概要編」については問5および問8が改訂されています。また、「個別事例編」については、計7問が新たに追加されており、たとえば食品を掲載するカタログギフトの販売は、「飲食料品の譲渡」には該当せず軽減税率の適用対象とならない点(問30)や、軽減税率の対象となる商品の販売がない場合には、「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額」等の記載の必要がないため、軽減税率制度が実施される2019年10月以降に発行する請求書の記載事項に変更はない点(問84)などが示されています。

執筆者

KPMG 税理士法人

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