ビジネス業界がボブスレーから学べること | KPMG | JP
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ビジネス業界がボブスレーから学べること

ビジネス業界がボブスレーから学べること

The Brexit Column - この先ビジネス業界を待ち受ける課題にうまく対処するためには、より結束を固め、「積極的な」考え方へ回帰することが必要、とKPMG英国におけるBrexit統括責任者のJames Stewartは述べています。

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平昌オリンピックで多くの人々を魅了した数々の熱戦の中で、リスクとリターンの関係を最も明確に体現していた種目は、長さ1マイルのコースを時速135キロで爆走するボブスレーではないでしょうか。
カーブのたびにチーム全員の絶妙な体重移動が求められるなど、最高の結果を目指すためにはチームワークが極めて重要なスポーツです。Brexitへの対応を模索中の今の私たちには、このスポーツから学べることがあるような気がします。

(ここで一言お断りしておくと、ボブスレーを例に挙げたのは、制御不能になることについて皮肉を言うためというわけではなく、EU離脱が13ヵ月後に迫る中、今やすべてのビジネス業界が置かれている一蓮托生ともいえる状況がまさに当てはまると感じたからです。)

今、英首相と主要閣僚はチェカーズ(英首相の公式別荘)で、この先EUとの間でどのような貿易関係を目指していくべきかについての合意に向けて、話し合いが進められています。緊迫感が高まる中、こうした前向きな動きこそ、ビジネス業界を始め、すべての人々がずっと待ち望んできたものです。

しかしながら、合意を目指す必要があるのは政治家だけではありません。ビジネス業界でも同様のことが求められています。以前もBrexit Columnで記したように、集合体としての「ビジネス」という表現は、企業がすべて同じように話し、行動し、考えているような印象を与えがちです。しかし、ボブスレーのチームとアイスダンスの選手が目指すものは同じではなく、スキージャンプの選手とスピードスケートの選手が目指すものも同じではないのと同様に、業界によって自分たちが求める結果に影響を及ぼす懸念材料はまったく異なります。大手食料品店にとっての最大の懸念は、自分たちのサプライチェーンの安定性や消費者価格への為替の影響です。一方、金融機関にとっては関税よりも、同等性に関する問題やEUへの子会社設置が必要となる可能性の方が深刻な懸念材料となっています。

こうした懸念は私たちがクライアントと常に共有しているものですが、先日、業界の垣根を超えたビジネスリーダーたちを対象にKPMGとFTが共同開催したイベントでも、ある参加者は、投資銀行と資産運用会社を例に挙げて、例え同じ業界内でも求める保証や優先事項には相違があるのだということを強調していました。

しかし、このようにそれぞれの優先事項が異なることは、企業間の意見が分かれて、お互い譲歩できない状況を生む可能性があります。現在、政治の世界には(ビジネスの世界でも多少なりとも存在するようですが)Brexitに関して3つの流派があります。EU残留派、EU離脱派、そしてEUとの密接な連携の維持を目指すソフト・ブレグジット派です。こうしたレベルでの見解の相違が長引き、知力が分散されればされるほど、英国にとって不利な結果がもたらされるリスクが高まるのです。
 

調和を目指す
妥協することは容易ではありません。しかし、すべての人が満足する夢のような解決策は存在しないのです。業界を問わず、少しでも多くのビジネス業界がお互いの視点に立って考えるよう努めることが解決への近道です。みんなが同じ目的に向かっていれば、各ビジネスが真のリスクの所在について思い切って指摘することがはるかに容易になります。

ここ数ヵ月、英国は機能の麻痺状態にあるように感じられるときがありました。しかし確実なものがほとんどないというこの状況にあっても、ビジネス業界にできることはたくさんあります。それは「後悔しない計画」というものだけではなく、Brexitのあるなしにかかわらず、理にかなっていることを実行するということです。これはビジネス業界が積極的に課題に取り組む姿勢を取り戻すということでもあります。例えば、これまでBrexitに費やしてきた感情的なエネルギーや知的エネルギーを「実現可能なことを見出す」という方向に向ける、現在活動している地域を中心に成長を促進するための革新的な解決策を考える、テクノロジーを活用して官民両方の職場を改革する方法を検討する、そしてその改革に必要なスキルを若い世代に身につけさせるための方法を考える、といったことなどが挙げられます。こうした取組みがうまくいけば、とてもエキサイティングな未来が待ち受けていることでしょう。


本稿は英語版(原文)のコンテンツを和訳したものです。日本語版と英語版との内容に相違がある場合は英語版が優先されます。

The Brexit Column: What business can learn from the bobsleigh

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