ベルギーの法人税改革 - 税効果会計への影響 | KPMG | JP
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ベルギーの法人税改革 - 税効果会計への影響

ベルギーの法人税改革 - 税効果会計への影響

2017年12月22日にベルギー議会は法人税改革を実施する法案を承認し、その内容は2017年12月29日のベルギー官報で公布されました。

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法人税改正が2017年12月31日以前に成立したため、決算日が12月末日でIFRS(国際会計基準)またはU.S.GAAP(米国会計基準)で決算報告を行っている企業は、改正された制度に基づき税効果会計のポジションを考慮する必要があります。


法人所得税率の引き下げ

この法人税改革の目玉は、2段階で実施予定の法人税率の引き下げです。大企業の法人税率は申告年2019年より33.99%から29.58%(緊縮財政による付加税の3%から2%への引き下げを含む)に引き下げられ、申告年2021年からは25%(付加税は廃止)となります。

一定要件を満たす中小企業に関しては、申告年2019年より課税所得の最初の10万ユーロまで20.4%(2%の付加税を含む)の軽減税率が適用されます。この軽減税率は、申告年2021年以降20%(付加税は廃止)に引き下げられます。軽減税率の適用を受ける要件の1つに取締役への最低報酬額の支払いがあり、少なくとも1名の取締役個人に4万5千ユーロの報酬を支払う必要があります。

IFRSおよびU.S. GAAPでは、繰延税金資産および負債について、会計年度末までに制定または実質的に制定された税法に基づき、繰延税金資産の回収または負債の支払いを行う時点において適用が見込まれる税率で測定することを定めています。

法人税改革の結果、各企業は2段階の法人税率引き下げを考慮し、繰延税金資産と負債の見直しを行うことが求められます。すなわち、申告年2019年と2020年(それぞれ2018年と2019年の1月1日以降に開始する事業年度)に解消すると見込まれる一時差異に関しては29.58%の税率を適用し、申告年2021年(2020年1月1日以降に開始する事業年度)以降に解消すると見込まれる一時差異には25%の税率を適用する必要があります。


最低課税ベース

課税所得が100万ユーロを超える企業に対して、最低課税ベースという新たな制度が導入されます。この制度は、課税所得のうち100万ユーロを超える部分に対して、税務上の繰越欠損金や受取配当金の繰越控除等の特定の所得控除を適用する際に最大70%までという上限を設ける制度です(例えば、課税所得が150万ユーロであった場合、仮に税務上の繰越欠損金が150万ユーロ以上残っている場合でも、135万ユーロ(100+50×70%)までしか、所得控除が適用できなくなります)。
この制度により、企業は特定の所得控除が適用可能な範囲や時期を再評価し、その結果に基づき関連する繰延税金資産(またはU.S. GAAPに基づき、関連する評価引当金)の見直しをする必要があります。

 

みなし利息控除の改正 計算方法の変更

みなし利息控除制度は申告年2019年より改正され、所得控除の金額は、資本の残高合計ではなく、申告対象年度における自己資本の増分(資本増加+留保利益)を対象に計算するようになりました。年度による変動を和らげるために、所得控除の金額の計算には過去5年間の平均値を用います。
みなし利子控除制度の改正の結果、課税所得は(みなし利息控除の金額が減少することにより)、改正前の税法に基づいて行った見積もりよりも高くなる可能性があり、それにより将来の所得控除等の適用に影響を及ぼす可能性があります。


連結納税

申告年2020年より連結納税制度が導入されます。当該制度を採用する企業では、連結納税により将来の所得控除等の適用に影響が生じる可能性があるため、関連する繰延税金資産の再評価が必要となります。


開示

法人税率の改正による影響に関する必要な開示は、IFRS、U.S. GAAPのいずれの基準においても、税率が(実質的に)改正された最初の会計期間(期中財務報告を含む)において行う必要があります。U.S. GAAPにおいては、税法の改正によるすべての影響を、繰延税金資産(または負債)が当初認識された区分の如何を問わず、継続事業に関する税金費用(または税金収入)に直接反映する必要があります。IFRSにおいては、法人税率の改正による影響は、損益計算の対象外の取引または事象から生じるもの(その他の包括利益または持分変動として扱う)を除き、税金費用または税金収入として当該会計期間の損益として認識します。


今後の検討

  • 引当金
    申告年2019年より、将来のリスクと費用に係る引当金は、会計期間末日時点で契約上、法律上、規制上の義務によるものを除き、損金算入が認められなくなります。
    そのため、2018年1月1日以降に開始する事業年度からは、リスクと費用に関わる引当金に関して生じる一時差異について、繰延税金資産を認識する必要があります。
  • 利息控除の制限
    申告年2021年より、利息控除に関する規定の改正が予定されています。この改正により、2016年6月17日以降に締結されたローンに関する支払純利息の損金算入は、300万ユーロまたはEBITDAの30%のいずれか高い金額までに制限されます。新たな制度により控除できなかった純利息は、期間の制限なく翌年以降に繰り越すことができます。その結果、将来の会計年度に使用可能な支払純利息の未使用分に関して、繰延税金資産を認識する必要があります。
    一方で、課税所得の金額は、支払利息の損金算入が制限されることにより、既存の税法に基づいて行った見積もりより高くなる可能性があり、それにより将来の所得控除等の適用に影響を及ぼす可能性があります。


本稿は英語版(原文)のコンテンツを和訳したものです。日本語版と英語版との内容に相違がある場合は英語版が優先されます。
ベルギーの法人税制改正 - 税効果会計への影響
Belgium corporate income tax reform - impact on deferred taxes

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