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未来を見据える

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The Brexit Column - ビジネスを成功させるためには広い視野を持つことが重要だとMark Essexは述べています。

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曲がりくねった田舎道で渋滞に巻き込まれ、歯ぎしりをしながらガタガタと音を立てている排気管をにらみつけながら、今にもダッシュボードをたたき、けたたましくクラクションを鳴らしたい衝動に駆られた、という経験は誰もがしていることでしょう。

最近、それに似たもどかしい状況が身近で起こっていませんか? EU離脱が決まった2016年6月の国民投票日以降、保守党の新たなリーダーの誕生を待つ多くの企業はBrexitに関する判断を保留していました。そこにリスボン条約第50条が発動されない限りEUが交渉に応じない、というさらなるブレーキがかかり、総選挙が実施され、その後英国とEUとの5回の交渉会議が実施されました。こうした状況の変化が起こるたびに、企業は少しずつ行動を起こしながら、もう少しで今後の見通しが明らかになり自信をもって前進できるようになる、との期待を持って判断を保留していました。しかしながら、実際に2017年の夏に起こったことは、ドイツで国政選挙が行われ、10月までに見込まれていた十分な進展は得られず、期限が12月に変更されたのみでした。

こうしたもどかしい状況のなか、KPMGのクライアントには厳しい選択が求められています。さらなる情報が得られることを期待してあと数週間だけ決断を先送りにしたいと望む意思決定者を責めることができるでしょうか? 移行期間については3月までに合意される予定ですが、もしそれが4月や5月にまでずれ込んだ場合はどうなるのでしょう?

今こそ、Brexit Highway Codeについてじっくり考えるときではないでしょうか。目の前に立ちふさがるBrexit 1というナンバープレートの車にばかり気を取られていると、広い視野を持って周りの状況を把握することができなくなり、すぐ先に待ち受けている深刻な被害をもたらす危機に気が付くことができない可能性があります。

例えば、状況が明確になるのを待ち、借換えについての判断を保留している企業はどのくらいあるでしょう? その判断を2018年の年末まで引き延ばしてしまった場合、それはちょうど英国とEUの離脱協定に関する6ヵ月の批准プロセスが予定されている時期にあたり、リスクプレミアムが上昇してしまっている可能性があります。


創造的破壊(Disruption)への対応

しかし、もしビジネスがBrexit対応に気を取られすぎて、次の政治的な進展が起きるのを待ち続けた場合、これまでとはまったく異なるビジネスのやり方を検討する機会や、これまで想定もしていなかった選択肢を選ぶ機会を失ってしまう可能性があります。

KPMG英国のVice ChairであるJames Stewartが指摘しているように、Brexitによる影響はやがてデジタル・トランスフォーメーションという別の創造的破壊者によって矮小化されていく可能性があります。先日、ロンドンで開催されたKPMGのアドバンテージ・デジタル会議でもその可能性について強く指摘されました。AI、ロボティックス、マシン・ラーニング、ビッグ・データ、IoT、クラウドなど、これらはすべてビジネスの手法、販売する製品、提供するサービスに大きな改革をもたらす可能性を持っています。またコスト削減や効率性向上に資する可能性、そして私たちがまだその存在すら認識していない問題に対するソリューションをもたらす可能性についても計り知れません。

目の前にあるブレーキランプにばかり気を取られている間に、デジタル環境の進歩から何ヵ月あるいは何年も遅れをとってしまう可能性があります。今起こっている変化の速度を考えると、それは数十年にも匹敵するように感じられるかもしれません。もちろん、常に将来を見越して計画を立てることが常識となっている業界もあります。例えば私たちにとってはまだ2017年のクリスマスが終わったばかりですが、旅行会社はすでに2019年のイースター休暇のフライトスケジュールへの創造的破壊の影響について検討を始めています。

こうした影響は自動車や航空宇宙産業を始め、輸出を行うその他の業種にも及びます。最近、ウエスト・エンド(ロンドンにおける地区)の中心に店舗を構える高級小売店と話をしたところ、同社は売上の50%を旅行者に依存していることから、クリフエッジ(崖っぷち)シナリオでの離脱となった場合における、2019年クリスマスの米国人旅行者(欧州旅行を半年前に予約する傾向がある)への影響について検討していました。Brexitは英国企業にとって間違いなく大きな障害となっているのです。

今やビジネスは狭い視野で目の前にあるものだけを見ている場合ではありません。そのリスクはあまりに大きすぎます。破壊的技術(Disruptive Technology)は確実にビジネスに変革をもたらします。今すぐ行動を起こして変革を始め、変化に適応できる機動的な文化を創らなければなりません。そうすることによって、Brexitに対してだけでなく、その後急速に変化していく環境にも容易に適応できる企業へと変わることができるのです。2019年3月まであと14ヵ月となり、一歩下がったところから状況を見ることが重要な時期がきています。将来を見据え、ビジネスを取り巻く環境を概観することで、この先のビジネスにおいて幅広い選択肢を持つことが可能となります。


本稿は英語版(原文)のコンテンツを和訳したものです。日本語版と英語版との内容に相違がある場合は英語版が優先されます。

The Brexit Column: Reading the road ahead

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