土地の移転を含んだ不動産契約における収益認識(IFRS第15号関連) | KPMG | JP
close
Share with your friends

土地の移転を含んだ不動産契約における収益認識(IFRS第15号関連) - IFRICニュース2018年3月 - アジェンダ却下確定

土地の移転を含んだ不動産契約における収益認識(IFRS第15号関連)

IFRS解釈指針委員会ニュース(2018年3月) - 土地の移転を含んだ不動産契約における収益認識(IFRS第15号関連)については、2018年3月のIFRS-IC会議で審議された内容を更新しています。

関連するコンテンツ

関連IFRS

IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」

概要

土地及び当該土地の上に建設される予定の建物の販売契約における収益認識において、以下の2点が論点である。

(1)履行義務の識別に関して、土地の販売と建物の建設は別個の履行義務であるか、それとも単一の履行義務であるか

(2)履行義務のそれぞれについて収益を一時点で認識すべきか、それとも一定期間にわたり認識すべきか前提条件は以下の通り

  • これから建設を開始する建物の売却について解約不能の契約を締結する。
  • 契約開始時に建物を建設する底地の土地の法的所有権は顧客に取消不能で移転し、契約締結時に顧客は土地の対価を支払う。
  • 企業と顧客は、契約締結前に建物の設計・仕様について合意し、顧客は原則として、建物建設中に設計・仕様の変更を要請することができる(ただし、変更後の価格を支払う必要がある)。また、企業はコストの不合理な増大又は建設遅延が生じる場合のみ、設計・仕様の変更を要請でき、その場合、顧客は変更を承認しなければならない。
  • 建物の対価については、顧客は建設期間全体にわたって支払を数回に分けて行うが、当該支払はその時点までに完成している作業の分量には必ずしも対応しない。

ステータス

IFRS-ICの決定

IFRS-ICは、2017年11月及び2018年3月のIFRS-IC会議で、次の通り指摘した。

(1)履行義務の識別
IFRS第15号第27項の規定に基づき、ある財・サービスの移転と他の財・サービスの移転は以下の2つの要件をともに満たす場合に別個の履行義務となる。

(a)顧客がその財・サービスからの便益を、それ単独で又は顧客にとって容易に利用可能な他の資源と組み合わせて得ることができる。
(b)財・サービスを顧客に移転するという企業の約束が、契約の中の他の約束と区分して識別可能である。

  • IFRS第15号第27項(a)の要件を満たすかどうかは、財・サービス自体の性質に基づき評価するため、顧客が容易に利用可能な資源を他の企業から入手することを妨げるような契約上の制限は無視する。具体的には、土地の上に建物を建設するために顧客は他の開発業者を雇うこともできるかどうか、また土地の移転を伴わずに建設サービスのみを受けることもできるかどうかを評価する。IFRS-ICは、ある区域の土地と当該土地の上に建設予定の建物の移転に係る契約において、土地の移転と建物の建設は第27項(a)の観点からは別個の履行義務になり得るとする結論を下した。
  • IFRS第15号第27項(b)の要件を満たすかどうかは、契約を履行する際、土地の移転と建物の建設との間に変化を生じさせる関係があるか、土地と建物の関係は相互依存性又は相互関連性が高いかどうか、を検討し評価する。IFRS-ICは、企業が次のように判断した場合、土地を移転する約束は、当該土地の上に建物を建設する約束と区分して識別可能とする結論を下した。
    • 建物を建設する際の企業の履行は、顧客が当該土地を企業から購入したのか他者から購入したのかに関わらず同じである。
    • たとえ企業が土地を移転しなくても企業は建物を移転する約束を履行することができ、たとえ企業が建物を建設しなくても土地を移転する約束を履行することができる。

(2)収益認識パターン
IFRS第15号35項の以下の3つの要件のいずれかを満たす場合は、企業は一定の期間にわたり履行義務を充足し、収益を認識する。以下の要件のいずれにもあたらない場合、企業は履行義務を一時点で充足する。

(a)顧客が、企業の履行によって提供される便益を、企業が履行するにつれて同時に受け取って消費する。
(b)企業の履行が、資産を創出するか又は増価させ、顧客が当該資産の創出又は増価につれてそれを支配する。
(c)企業の履行が、企業が他に転用できる資産を創出せず、かつ、企業が現在までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利を有している。

IFRS-ICは、本件がIFRS第15号第9項のすべての契約成立要件を充足していること、及び土地の移転と建物の建設が別個の履行義務であることを前提に、次の通り、結論を下した。

  • 土地は直ちに消費される性質のものではないため、IFRS第15号第35項(a)の要件は満たされない。また、企業の履行は土地を創出又は増価させるものでもないので、IFRS第15号第35項(b)及び(c)の要件も満たさない。
  • 建設サービスの履行により、建物が創出されるが、直ちに消費される性質のものではないため、IFRS第15号第35項(a)の要件は満たされない。しかし、顧客は土地を支配し、また、建設中の建物の設計・仕様を変更できるため、顧客が建設中の建物の使用を指図する能力を有し、かつ、企業は建物を他の用途に振り向けることができないため、顧客が建物からの残りの経済的便益のほとんどすべてを得る能力を有している。よって、IFRS第15号第35項(b)の要件は満たされている。

以上より、土地の移転に関する収益は一時点で認識し、建物の建設に関する収益は一定期間にわたって認識すべきである。


IFRS-ICは、2018年3月のIFRS-IC会議で、現状のIFRS基準書の要求事項が十分な判断の基礎を示していると判断し、アジェンダに追加しないことを決定した。

このページに関連する会計トピック

会計トピック別に、解説記事やニュースなどの情報を紹介します。

このページに関連する会計基準

会計基準別に、解説記事やニュースなどの情報を紹介します。

お問合せ

 

RFP(提案書依頼)

 

送信