オンコロジーの未来 - 2030年に勝ち残るためにフォーカスしたアプローチ | KPMG | JP

オンコロジーの未来 - 2030年に勝ち残るためにフォーカスしたアプローチ

オンコロジーの未来 - 2030年に勝ち残るためにフォーカスしたアプローチ

製薬業界に高い収益をもたらしてきたがん医療関連製品の市場では、収益を制限するパラダイムシフトがいくつも起こりつつあります。市場で成功し続けるためには何が必要か?市場に変化をもたらしている要因と背景を解説し、激変する市場力学に適応する3つのビジネスアーキタイプを示しつつ考察します。

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がん医療関連市場では、研究開発(R&D)コストの上昇、製品の短命化、患者市場の細分化、そして広範囲の臨床アウトカムによって価値を示さなければならないというパラダイムシフトが進行しつつあります。これらはいずれも期待される利益を制限するものです。既存の企業は、こうしたトレンドに沿った進化を遂げることができず、新規事業者に戦略的敗北を喫する恐れがあります。

本レポートでは、変化し続けるオンコロジーパラダイムの影響を軽減し、いかに現在の事業と経営モデルを適応させるか考察します。

一時代の終焉

2016年には、世界の薬剤売り上げ上位15品目中、がん医療関連製品が5つを占めていました。高齢化率の上昇や生活習慣の変化による罹患率の増加を背景に、2030年までの売上予測CAGR(年平均成長率)は10.9%とされ、市場は堅調な成長を続けることが期待されています。

しかし、業界の現状維持の姿勢や、かつて成功したビジネスモデルは、いずれも困難に直面しています。医療費抑制のために、Payer(支払者)はがん治療の価値をより明確に示すことを求め、標準治療と比較して優れているかどうかという観点から価値を判断する傾向が強くなっているからです。このような傾向は、高額な治療を組み合わせる併用療法の利用拡大にシフトしつつある近年の治療パラダイムとは相容れません。さらに、がんの増殖に関わる分子が次々と発見され、それをターゲットにした新規抗がん薬の開発が相次ぎました。これにより、詳細な患者サブセットの分類にもとづく治療法の選択が可能になっています。

このような個別化医療の時代の到来は、患者や費用負担者に大きな利益をもたらす一方で、製薬企業や製薬メーカーにとってはシビアな挑戦となります。複数の製造者が類似した作用機序(MOA)を研究することにより、非常にきびしい競争環境を作り出し、その結果、個々の治療に期待される市場への浸透が制限されることになるのです。

これらの事実は、市場での販売期間が短くなっていることや独占性の喪失と相まって、投資の回収に重大な影響を与え、R&D費用が増大する環境において、収益性を脅かしています。

製薬企業は、増大するR&Dリスクを負うことも求められるでしょう。競争の場がますます細分化されるにつれて、資産価値は急速に消失しつつあります。「万人に効く」治療の時代は終わりつつあり、それとともに長期にわたってステークホルダーにとって価値を生むことが求められる時代となるのです。がん医療関連の市場で成功し続けるために今必要とされるのは、この変化する市場力学に適応することです。

オンコロジー関連市場に変化をもたらす要因 vs がん医療の将来展望

オンコロジー関連市場に変化をもたらす要因

がん発生率の増加
2030年までに、人口1,000万人以上の巨大都市が41都市に達すると予測されています。都市化はライフスタイルに変化をもたらし、がん発症の誘因になります。また、汚染の循環により、世界的にがんの発生を増やす可能性があることは、広く認められています。さらに、OECD諸国の高齢がん患者(65歳以上)の数は、2010年から2040年までに3倍になり、がんを抱えて生きる人々の77%が65歳を超えているでしょう。


製薬R&Dコストの上昇
製薬部門における世界の総R&D費は増加傾向にあり、2010年から2022年までのCAGRが2.84%と予測されています。


収益見込みの減少
製薬企業は、製造販売承認から特許期間終了までの期間が縮小し、Payer(支払者)がジェネリック医薬品やバイオシミラーへの関心を高めていることなどから、収益減少のさらなるリスクに直面しています。2020年までには、先進国市場における従来製品の数量のうち、特許医薬品が占める割合はわずか18%になると推定されます。


医療財政への圧迫
医療費の増大による、公共予算に対する圧迫は増大し続けています。何もしなければ、OECD諸国の医療費の対GDP比は2060年までに2倍となり、医療制度を維持できなくなるものとみられています。

がん医療の将来展望

新たな価格設定戦略
薬剤の価値をより強く薬価に結びつけることを求めるPayer(支払者)がいっそう増加し、がん分野におけるアウトカムベースの支払い戦略がますます浸透することになります。


新たな事業と経営モデル
製薬会社は、単にがん医療分野におけるコスト抑制のためではなく、医療的アウトカムと持続性を高める必要性に応えるため、事業と経営モデルを修正するでしょう。


技術集約
医療ビッグデータ収集とその解析は、治療価値の決定において重要性が増すでしょう。追跡調査によって、医療の「ベストプラクティス」提供の障害となっているペイシェント・ジャーニーの実態が、より明らかになるでしょう。


個別化治療
医療業界は「万人向け治療法」というコンセプトから、個々の治療またはそれらの併用治療において、もっとも反応性の高い患者サブセットの探索へとシフトしつつあります。このアプローチは、がん治療だけでなく、予防にも用いられます。

今こそ的を絞った行動をすることで混乱は軽減できる

今こそ、製薬企業のCEOは、将来のエコシステムの中の、どこで、どのような役割を担う存在となりたいのかを考える時です。今すぐに行動することにより、この移行を促進することができ、差し迫った混乱を克服することも可能です。さらに市場の進化に合わせて、がん患者に真の価値を提供し続けるためのポジションを獲得し、オンコロジー分野における持続的な成功へと促すことができるのです。

2030年に向けた市場の進化に向けて、今まさに着手、あるいは規模を拡大すべき行動綱目として以下があげられます。本レポート内では、これらの行動の具体例を紹介しています。

  • 新たな価格設定戦略
  • 成長市場
  • バイオシミラー
  • ビッグデータ
  • 患者中心主義
  • 予防医療
  • 治癒をもたらす技術
  • 併用療法

将来のパラダイムは根本的な変革を求めている

がん医療関連企業がその事業や経営モデルの変革を模索し、推し進めようとしている兆候はすでに見られており、将来のがん治療パラダイムに直結する最初の一歩を踏み出しています。
このようなシフトは、KPMGが仮定した、次の3つの将来のビジネスアーキタイプ(原型)の基礎となる原理を反映しています。

  • アクティブ・ポートフォリオ企業
  • バーチャル・バリューチェーンの指揮者(管理者)
  • ニッチ・スペシャリスト


変化し続ける世界において、患者はイノベーションによってかつてない手軽さで医学的な情報や知見洞察を利用することができるようになり、医療エコシステムにおけるより重要なステークホルダーとなるでしょう。製薬企業など、システム内のその他のステークホルダー自らが重点を置いている分野において、その変化に対応する必要性があります。
本レポートでは、これら3つのビジネスアーキタイプ(原型)が、特にがん医療の分野にどのように適用され得るのかについて説明しています。

医療提供者として成功を収めようとするなら、3つのビジネスアーキタイプ(原型)を参照し、自らの事業と経営モデルを作り上げなければなりません。今こそ、自社の財政的目標と現在の能力に最もよく一致しているのは、3つの将来のアーキタイプ(原型)のどれなのかを定め、それによって2030年のがん医療でどのような企業活動を行いたいのかを明確にすべき時です。


レポートの全文についてはダウンロードPDFをご参照ください。

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