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迷信を打ち破る

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The Brexit Column - 「もう安心です」「Brexitは可逆的です」「EUがすべてのカードを握っています」「そろそろBrexitについての誤解を議論する時です」と、Mark Essexは述べています。

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第一段階完了。順調なBrexitが見えてきたため、やっと安心してカクテルを楽しむことができます。おそらくシャンパンはまだ止めておいた方がいいでしょう、今のところは。迷信や仮定、結論や妄想、それらをどのように呼ぼうとも、私たちは過去18ヵ月間にたくさんのことを耳にし、2019年になる前までにさらに多くのことを聞くことになるでしょう。第二段階への協議へ進むための取決めは、まさに完璧な外交でした。なぜなら、Brexitの実現を希望する人、またはそれを望まない人のどちらにとっても、皆の夢がまだ実現可能であると信じることを可能にしたからです。厳しい選択と難しい対話は後回しにされました。あらゆる結果の可能性がまだ残されているのです。よって、楽観的な人たちがパーティで陽気になりすぎたり、反対に、悲観的な人たちがバーで悲しみに打ちひしがれる前に、そろそろいくつかのBrexitに関する迷信を打ち破ってもよい頃でしょう。


1「もう安心」

第一段階の交渉に対する肯定的な結論は大いに歓迎できます。しかし、次の段階は、行先が示された旅というより、建設的な曖昧さに関する勝利です。Philip Hammondが示しているように、英国の閣僚はBrexitの理想的な『最終の形』すらまだ話し合ってはいません。
にもかかわらず、クライアントは、顧客、サプライヤー、そして従業員たちにとって、Brexitに対する優先度が下がり始めていることを懸念している、と私に言います。これは、危険なことです。結局、すべての点で合意しない限り、何の合意もないのです。第二段階の交渉の開始は、仮に人々がまだ計画を考えていないなら、プランニングをまさに開始する必要があるという良いリマインダーになります。友好的な合意を持ってしても、我々のビジネスおよび規制環境は著しく変化する可能性があります。


2「少なくとも『崖っぷち』という表現は撤回する」

懸念は依然として残っています。我々は、アイルランドの例に、どれほど素早く「合意された取決め」が覆される脅威にさらされうるか、または、英国の離脱に対する欧州の意識がどのようにムードを壊すかを目の当たりにしてきました。
そして、政府に交渉事をまとめる手腕があるかどうかの問題もあります。EU側が好むビジネスを維持し、離脱投票者を満足させたままにしておくような取決めを結ぶことは容易なことではありません。そして、先日の投票結果について、英国の議員はまだ否決することができるのです。


3「まだBrexitを覆すことができる」

不可能ではありませんが、非常に起こる可能性は低いです。そして、先日のBrexitサミットにおいて、事実上、「Non-Brexit」の可能性を掲げる政治家、コメンテーター、ビジネスマンがいなかったことは教訓的でした。

それはなぜか?第一に、投票者の間で劇的な気持ちの変化が見られません(少なくとも2019年以前においては)。離脱賛成票の背後には深い感情的なトリガーが存在し、それらはそのまま手つかずの状態で残されています。インフレの傍らで、感じる痛みがあるとすれば、おそらく英国の離脱後に訪れるでしょう。

英国議会は更なる障壁を提示しています。当初の結論は、議会の法律に守られており、よって、議会の多数派はそれを覆す必要がありました。二大政党いずれかのリーダーが交代したとしても、投票に敬意を表す約束を覆しうるとは考えられず、これは難しそうです。もしこれらの条件が満たされたとしても、2回目の国民投票が必要となるでしょう。それはおそらく8週間の選挙活動になり、そして別の総選挙が続くことになる可能性もありうるでしょう(単純に、2019年3月以前にそれらすべてを実行する時間はほぼありません)。


4「英国がすべてのカードを握っている」

議論するには難しいケースといえるでしょう。EUが離脱協議のペースと秩序を管理しており、分厚い離婚法案を取りまとめています。そして、英国は、輸出するよりも多くのものを欧州から購入している一方で、おそらく、たとえいくらかの経済的な対価を払うとしても統一を維持したいというEUの願望に抑えられています。


5「EUがすべてのカードを握っている」

英国は最良の一手を持っているわけではないかもしれませんが、負けを認めるべきではありません。ブリュッセルでの最近の会議で、防衛が議論に占める割合に驚愕しました。欧州の防衛に関するアメリカのコミットメントに対して質問がずっと続く間、EUの展開可能な機能の70%が、英国およびフランスによりシェアされる(EUが「親密で特別なパートナーシップ」を追及する明らかな理由)価値はありません。

また、EUの金融センターとして英国の継続的な重要性も忘れてはなりません。KPMGの金融部門におけるBrexit責任者のJoe Cassidyが指摘しているように、ロンドンの深く流動的な資本市場とグローバルな金融の秩序内における位置づけは、欧州の銀行および事業会社が、ロンドンのシティへのアクセスに依然頼り続けることになるであろうことを意味しています。


6「最終的にビジネス・フレンドリーな取引に帰着する」

仮に、2016年6月に明らかでなかったとしても、今となっては明らかです。つまり、ビジネスではなく、政治がこのプロセスを推し進めているということです。もちろん、産業界に意見を求めるでしょうが、その第一の義務は、現在と将来の経済全体に対するものです。例えば、政治は、現在の重要な雇用主や経済への貢献者である人々を犠牲にしても、今日かろうじて存在する産業全体を優先する必要があると決定するかもしれません。もちろん、政治家は、これらの結果のいくつかを明言しないことを選択するかもしれません。


7「貿易取引なしではすべてが失われる」

取引が計画されていないとの見通しで絶望するのは簡単でしょうが、忘れてはいけないのは、英国は、その根本的な強みで持ちこたえることができるだろうということです(そして、やがて自己主張を再開するでしょう)。
英国の強みとは、6,500万の消費者を抱える市場であること、欧州において最大の金融センターである(そして、唯一、英語を第一言語とする)こと、世界的に有名な法制度を持つこと、そして世界で7番目にビジネス・フレンドリーとされる場所であることです。そのエコシステムは非常に魅力的であることが証明されていて、突然、紙屑同然となることはありません。神話は消えたり、現れたりします。法律、言語、そして経度という地政学的条件に基づいた強みを持つ英国は、持ちこたえるでしょう。


本稿は英語版(原文)のコンテンツを和訳したものです。日本語版と英語版との内容に相違がある場合は英語版が優先されます。

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