税務情報(2017.10-11) | KPMG | JP

税務情報(2017.10-11)

税務情報(2017.10-11)

本稿は、2017 年10月から11月に財務省・国税庁等から公表された税務情報およびKPMG税理士法人のウェブサイトに掲載している情報をまとめてお知らせするものです。

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本稿は、2017年10月から11月に財務省・国税庁等から公表された税務情報およびKPMG税理士法人のウェブサイトに掲載しているKPMGジャパン tax newsletterおよびKPMGジャパン e-Tax Newsでお知らせした情報をまとめてお知らせするものです。

I.2017年度税制改正

1.国税庁 - 「配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに関するFAQ」の公表
国税庁のウェブサイトに設けられている「配偶者控除及び配偶者特別控除に見直しについて」には、2017年度税制改正における配偶者控除・配偶者特別控除の見直しに関する情報(パンフレットや各種申告書様式)が掲載されています。

国税庁は2017年11月、このページに「配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに関するFAQ」(15問)を掲載しました。2018年1月分の給与から、給与所得者が雇用者に提出する「扶養控除等申告書」に記載した給与所得者およびその配偶者の合計所得金額の見積額に基づき源泉徴収税額の計算が行われることになりますが、その見積額に異動が生じた場合の取扱い等、実務上の留意点が明らかにされています。


上記に関するe-Tax News

KPMGジャパン e-Tax News No. 144 (2017年11月6日発行)


2.国税庁 - 財産評価基本通達の一部改正に関する情報を公表
国税庁は2017年10月5日、財産評価基本通達の一部改正に関する情報を公表しました。この通達改正により、2017年度税制改正大綱に示されていた以下の2つの改正の内容が明らかとなりました。
 

(1)地積規模の大きな宅地の評価 - 実態を踏まえて、面積に比例的に減額する評価方法から各土地の個性に応じて形状・面積に基づき評価する方法に見直す。

(2)取引相場のない株式等の評価 - 株式保有特定会社の判定基準に新株予約権付社債を加える。

「地積規模の大きな宅地の評価」(財産評価基本通達20 - 2)を新設するなどの改正が行われています。

財産評価基本通達の改正の趣旨や概要等が示されています。

株式保有特定会社の判定基準の見直しに伴い改正された取引相場のない株式(出資)の評価明細書の様式が記載方法とともに掲載されています。


上記に関するe-Tax News

KPMGジャパン e-Tax News No. 143 (2017年10月6日発行)


3.経済産業省 - 地域未来投資促進法の同意基本計画を公表
2017年度税制改正では地域未来投資促進税制が創設され、一定の設備投資に対し特別償却または税額控除の適用が認められることになりました。この制度の適用を受けるためには、地域未来投資促進法(正式名称:地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律)に基づき、事業者は「事業計画」を作成し、自治体(その作成した「基本計画」について主務大臣(国)の同意を得たものに限られます。)の承認および主務大臣(国)の確認を得ることが必要です。

経済産業省は、「地域未来投資促進法に基づく地方自治体の基本計画に同意しました~第1陣として全国から提出された70の基本計画に同意~」により、地方自治体が作成した70の基本計画に同意したことを公表しました。

なお、地域未来投資促進法は、税制措置以外にもさまざまな支援措置を講じており、経済産業省は、ウェブサイト上に地域未来投資促進法の概要を示すパンフレットや関係法令・ガイドライン、各種申請様式等を掲載したページ「地域未来投資促進法」を開設しています。


4.経済産業省 - 研究開発税制Q&A
経産省は2017年10月、「2017 研究開発税制Q&A」を「研究開発税制」のページに掲載しました。2017年度税制改正では、第4次産業革命型の新たなサービスの開発に係る試験研究費が税額控除の対象とされたほか、税額控除額の計算方法等が見直されました。このQ&Aでは、これらの2017年度税制改正項目を踏まえて、制度全体が詳細に解説されています。

II.移転価格税制

1.国税庁 - 移転価格文書化「多国籍企業情報の報告コーナー」の更新
2016年度税制改正により移転価格の文書化制度の見直しが行われ、国税庁は「多国籍企業情報の報告」というページを設け、さまざまな関連情報を公表しています。また、このページに入り口が設けられている「多国籍企業情報の報告コーナー」には、企業が国別報告書やマスターファイル等をe-Taxを利用してデータ送信するための情報が掲載されており、その内容が更新されました。


上記に関するe-Tax News
KPMGジャパン e-Tax News No. 144 (2017年11月6日発行)


2.OECD - 「Transfer Pricing Country Profiles」のアップデート版を公表
OECDは2017年11月6日、日本を含む31ヵ国における移転価格に関する規定の状況等がまとめられた「Transfer Pricing Country Profiles」(TPCP)のアップデート版を公表しました。
TPCPは、統一された定型のフォームにあらかじめ設けられた質問に対し、各国の当局が回答を選択したうえで、追加情報を記載したものです。
独立企業間価格の算定方法、比較対象性分析、無形資産、企業グループ内の役務提供、文書化および紛争解決の方法(MAP、APA等)など11分野の29項目について、各国の国内法における規定の内容およびその根拠条文等のリファレンスが一覧できます。
なお、さらに21ヵ国のTPCPが今後掲載される見込みです。


OECDプレスリリース

OECD updates transfer pricing country profiles reflecting transfer pricing legislation and practices


3.国税庁 - 「移転価格事務運営要領」(事務運営指針)等の一部改正案に対する意見募集

2017年11月10日、国税庁は以下の4つの事務運営指針の一部改正案についてパブリックコメントを実施することを公表しました。(意見募集期間は、2017年11月10日から2017年12月10日までのためすでに終了しています。)

  • 移転価格事務運営要領
  • 連結法人に係る移転価格事務運営要領
  • 恒久的施設帰属所得に係る所得に関する調査等に係る事務運営要領
  • 連結法人の国外事業所等帰属所得に係る連結所得に関する調査等に係る事務運営要領

今回の改正は、税源浸食と利益移転(BEPS: Base Erosion and Profit Shifting)プロジェクトの最終報告書の内容を反映した、グループ内役務提供取引に係るOECD移転価格ガイドラインの改訂(2017年7月10日 OECDプレスリリース)および事前確認を取り巻く環境の変化を踏まえて行われるものです。


電子政府の総合窓口

「移転価格事務運営要領」(事務運営指針)及び「連結法人に係る移転価格事務運営要領」(事務運営指針)並びに「恒久的施設帰属所得に係る所得に関する調査等に係る事務運営要領」(事務運営指針)及び「連結法人の国外事業所等帰属所得に係る連結所得に関する調査等に係る事務運営要領」(事務運営指針)の一部を改正する案に対する意見募集について


関連情報 - OECDプレスリリース

日本語:
OECD、多国籍企業と税務当局のための移転価格ガイドラインの最新版を発表
英語:
OECD releases latest updates to the Transfer Pricing Guidelines for Multinational Enterprises and Tax Administrations


上記に関するe-Tax News

KPMGジャパン e-Tax News No. 145 (2017年11月15日発行)

III.共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換

国税庁 - 「共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換」に関する情報の更新

共通報告基準(CRS: Common Reporting Standard)とは、外国の金融口座を利用した国際的な脱税および租税回避に対処することを目的としてOECDが策定した、非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための国際基準です。
日本はCRSに基づいた情報交換を実施する観点から、2015年度税制改正において、一定の金融機関等(報告金融機関等)が預金口座等の保有者の情報を所轄税務署長に報告する制度を創設しており(2017年1月1日施行)、2018年4月30日までに報告金融機関等から初回の報告が行われることとされています。
国税庁のウェブサイト上に開設されている「共通報告基準(CRS)に基づく自動的情報交換(「CRSコーナー」)」には、「報告事項の提供方法等」に関するページが設けられており、OECDのユーザーガイドへのリンクや国税庁が作成したその仮訳、FAQ、XMLファイル入力ルール等が掲載されています。
国税庁は2017年10月31日、この「報告事項の提供方法等」に関するページを更新し、2017年8月に公表されたFAQの改訂版「非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度(FAQ(報告事項の提供))(平成29年8月)(平成29年10月改訂版)」の公表等を行いました。


上記に関するe-Tax News
KPMGジャパン e-Tax News No. 144 (2017年11月6日発行)

IV.租税条約

1.デンマークとの租税条約 - 署名
2017年10月11日、日本国政府とデンマーク王国政府との間で「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とデンマーク王国との間の条約」(新条約)の署名が行われました。新条約は、1968年に発効した現行条約を全面的に改正するもので、OECDモデル租税条約およびBEPS防止措置実施条約におおむね沿ったものとなっています。


財務省プレスリリース

日本語:デンマークとの新租税条約が署名されました
英語:New Tax Convention with Denmark was Signed


上記に関するKPMGジャパン tax newsletter (2017年10月18日発行)

デンマークとの新租税条約(日本語)
New Tax Treaty with Denmark(英語)


2.OECD - 2017年版OECDモデル租税条約を承認

2017年11月21日、OECD理事会は2017年版OECDモデル租税条約を承認しました。この改正は、BEPSプロジェクトの最終報告書の勧告を反映した以下の改正等を含むものとなっています。なお、2017年版OECDモデル租税条約の改正案は2017年7月にパブリックコメントに付されており、今回承認された最終版には、各国による留保・所見が追加されています。


(1)行動2(ハイブリッド・ミスマッチ・アレンジメント効果の無効化/Neutralising the Effects of Hybrid Mismatch Arrangements)

  • 第1条(人的範囲/Persons Covered) - ハイブリッド・ミスマッチ・アレンジメントに関する規定の導入


(2)行動6(租税条約の濫用防止/Preventing the Granting of Treaty Benefits in Inappropriate Circumstances)

  • タイトル・序文 - 租税条約の目的(脱税・租税回避を通じた非課税・租税の軽減を生じさせることなく二重課税を除去すること)の明確化
  • 第1条(人的範囲/Persons Covered) - セービング・クローズの導入
  • 第4条(居住者/Resident) - 双方居住者(個人以外)に係る居住地国の判定方法の改正
  • 第10条(配当/Dividends) - 有利な軽減税率を適用するための株式保有期間要件に関する改正
  • 第13条(譲渡収益/Capital Gains) - 不動産化体株式の判定時期に関する改正
  • 第29条(特典を受ける権利/Entitlement to Benefits) - 主要目的テスト(PPT: Principal Purposes Test)、特典制限条項(LOB: Limitation on Benefits)および第三国に設立された恒久的施設の濫用防止規定の新設


(3)行動7(恒久的施設認定の人的回避防止/Preventing the Artificial Avoidance of Permanent Establishment Status)

  • 第5条(恒久的施設/Permanent Establishment) - 代理人PE、独立代理人およびPEに該当しないものとされる特定の活動の範囲の改正ならびに細分化防止規定の導入


(4)行動14(紛争解決メカニズムの効率化/Making Dispute Resolution Procedures More Effective)

  • 第25条(相互協議手続/Mutual Agreement Procedure) - 自国の当局に加え、相手国の当局に対しても、相互協議の申立てを行うことを認めることとする改正等


OECDプレスリリース

OECD approves the 2017 update to the OECD Model Tax Convention

執筆者

KPMG 税理士法人

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