米国トランプ税制、FTAに関する国際情勢等のアップデート | KPMG | JP

米国トランプ税制、FTAに関する国際情勢等のアップデート

米国トランプ税制、FTAに関する国際情勢等のアップデート

Trade and Customs Newsletter - 米国の「法人税の国境調整」・メガFTAの最新動向・インドにおけるGST制度改革等の国際情勢のポイントを整理しています。

関連するコンテンツ

米国の「法人税の国境調整」

4月26日、米国トランプ政権は法人税と所得税の大幅減税を盛り込んだ税制改革案を公表しました。輸出企業の税負担を軽減し、輸入企業の負担を増加させることを意図した「法人税の国境調整」の導入が懸念されておりましたが、今回の税制改革案には盛り込まれておらず、見送られる結果となる模様です。

Brexitの最新動向

今年3月、英国のEU離脱プロセスが正式に開始されましたが、実際に交渉が行われているとの情報は未だありません。英国では、6月8日に「Brexitの進め方」を問う総選挙が実施される予定で、離脱交渉はその後本格的に始まるとみられています。離脱交渉において注目すべきは、英国が欧州単一市場へのアクセスを維持できるか、それともWTOルールによる貿易を望むのかにより、離脱後の関税コストへの影響が見えてくる点であると思われます。なお、離脱交渉は2019年3月までに終了することになっているため、遅くともその半年前の2018年9月には交渉内容の大枠が決定していると考えられます。

メガFTA最新動向

  1. 日EUEPA
    4月3日から5日にかけて、東京において第18回交渉会合が開催されました。日本政府としては早期の大枠合意を目指しており、5月26日には安倍首相がイタリア・タオルミナでEUのトゥスク大統領やユンケル欧州委員長と会談し、「できる限り早期の大枠合意が極めて重要」であることを確認しました。
  2. 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)
    5月22日、RCEP交渉の閣僚会合が閉幕しました。具体的な進捗は見られず、合意のメドは立っておりません。
  3. 日中韓FTA
    4月10日から13日まで、東京において第12回交渉会合が開催されたものの、具体的な進捗は見られず、合意のメドは立っておりません。
  4. 日米経済対話
    4月18日、総理官邸において、麻生副総理兼財務大臣とペンス米国副大統領との間で第1回日米経済対話が実施されました。貿易・投資ルールなど3つの分野で事務レベルの協議に入ることで一致しましたが、具体的な内容については決まっておりません。

インドのGST導入

インドでは、各州ごとに複数の間接税が存在し、課税関係が非常に複雑であったため、物品サービス税(GST: Goods and Services Tax)を導入してこれに一本化するための税制改革が進められています。このGSTの税制改革に関する法案は、3月4日に開催されたGST委員会において正式に承認されており、サービスに対する税率についてはまだ議論中であるものの、物品に対する税率については5~28%の範囲で複数の税率が用いられることが決まっています。なお、7月1日を導入目標時期として中央政府と各州政府において審議が行われていることから、GST導入後に速やかに仕入税額控除の適用等対応するためにも今後更なる注視が必要です。

経済産業省が公開しているFTA原産地管理に係る資料の改訂について

関税コスト削減のためにFTAの適用を受けるには原産地証明書が必要になります。当該原産地証明書を取得する目的で日本商工会議所に原産品判定依頼・発給申請を行う場合、または原産地証明書を取得して製品を輸出した後に輸入国税関からの検認が行われた場合には、日本商工会議所や関係当局から、その原産地証明書の発給申請対象である製品の原産性を立証する資料の提供を求められることがあります。そのため、このような事後的な当局からの問い合わせに対して整備しておくべき書類を明確に把握し、求められた際に速やかに関連資料を提出できる体制を整えておくことが原産地管理業務上、非常に重要です。整備しておくべき書類に関しては、経済産業省から 「原産性を判断するための基本的考え方と整えるべき保存書類の例示」 というパンフレットが公表されていますがその内容が2017年4月に改訂されましたので、今般改正点について下記紹介させていただきます。

参照:2017年4月改訂 経済産業省原産地証明室 「原産性を判断するための基本的考え方と整えるべき保存書類の例示」(PDF:1.58MB)

2016年6月改訂版からの主な変更点

  • 発給申請資格者に係る説明の追加(P17)

2016年6月改訂版には説明がなかった発給申請資格者についての説明が追加されました。

  • 委託生産者に係る説明の追加(P18)

A社が生産に係る企画、仕様の決定、原材料の調達、支給又は指定等を行ってB社に製造させるなど、製造全般の管理・指揮等を行っている場合、当該産品が特定原産品であることを明らかにする資料を提出できるのであれば、A社、B社共に生産者に当たり、いずれの者も原産品判定依頼を行うことができます。

これまでは上記のような委託生産の場合、A社に対して、必要に応じて製造委託契約書や製造仕様書などといったB社との関係を示す書類の提示が求められていましたが、今後はこれら書類の提示に代えて、製造の委託関係を示す「誓約書」(※サンプルはP18に記載)を提出することで原産判定依頼を行うことが可能になりました。なお「誓約書」を提出した場合でも、B社との関係を示す書類の保存義務が免除されるわけではなく、当該書類は保存いただいた上で、それに代えて誓約書の提出が可能になったという趣旨と思われますのでご留意ください。

参照:日本商工会議所 「原産性を判断するための基本的考え方と整えるべき保存書類の例示」の改訂について(PDF:78.14KB)

情報技術関連産品の関税撤廃について

WTO情報技術協定に関する日本国内での手続きの完了に伴い、2017年5月16日(火)より、従来から日本への輸入関税が無税であった品目に加えて、関税のかかっていた一部の情報技術関連産品(コンピュータ、計算機、電話、ファクシミリ、記憶媒体ディスク、ディスプレー等)について、対象品がWTO加盟国の原産品である場合、関税を無税で輸入することが出来るようになりました。なお、関税が無税になる品目の中には、NACCSでの通関手続き時に特定のコード(情報技術関連製品関税撤廃品目で協定国を原産地とするものを特定するためのコード)を入力しないと関税が無税にならない品目(例:HS2017の3215.11、3215.19、3907.99)もあります。この特定のコードは今回の関税撤廃品目に伴い新設されたもので、同じ品目で関税撤廃の対象外の品目のコードも別に新設されているため注意が必要です。これらの対象品目を輸入している場合、事前に通関業者と確認の上輸入手続きを行うことを推奨いたします。

出典:税関ウェブサイト

WTO情報技術協定について
出典:経済産業省ウェブサイト


Trade & Customs Newsletter No.4

執筆者

KPMG税理士法人
関税・間接税サービス
パートナー 梅辻 雅春
パートナー 神津 隆幸

Trade and Customs Newsletter

お問合せ

 

RFP(提案書依頼)

 

送信