後半戦の準備はできていますか? | KPMG | JP

後半戦の準備はできていますか?

後半戦の準備はできていますか?

The Brexit Column - KPMG英国のPublic Policy部門担当ディレクターのMark Essexは、Brexit(英国のEU離脱)をめぐる交渉の期限が近づく中、企業が今後の展望を見据え、注意を怠ることなくBrexit後の未来に向けた計画立案を始める時期が来ている、としています。

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KPMG英国のPublic Policy部門担当ディレクターのMark Essexは、Brexit(英国のEU離脱)をめぐる交渉の期限が近づく中、企業が今後の展望を見据え、注意を怠ることなくBrexit後の未来に向けた計画立案を始める時期が来ている、としています。

本コラム(The Brexit Column)は、Brexitのプロセスがちょうど半分進んだ時点で公表されました(英語による原文)。11月10日(金)午前11時は、Brexitに関する国民投票が終了した2016年6月23日午後10時から、Brexitをめぐる交渉期限である2019年3月29日の深夜までの期間の中間に当たります。

スポーツ競技において、ハーフタイムは、前半戦の展開を振り返り、勝利に向けて軌道修正をするチャンスです。Brexitにも同じことが言えます。
企業はサッカーの監督と違って、15分よりも長い時間をかけて、チームを送り出す前に軌道修正をすることができます。現在から2018年年初までの期間をBrexitのハーフタイムとみなすことは、企業にとって理にかなっているでしょう。経営者の方々には、このハーフタイムに検討を深め、今後の正念場に向けて決意を新たにしたうえで「試合」に戻ることを強くお勧めします。これまでの状況を振り返ってみましょう。

2017年1月の本コラム(2017 stormy but clearer skies to come)では、2017年は不安定な1年になると予想しました。英国とEUが離脱交渉の条件をめぐって対立することが見込まれたからです。これまでのところ、予想通りの展開が続いています。

予想外だったのは英国の政治的な混乱です。その多くはBrexitと無関係でした。総選挙を経ても、現在の英国議会において、Brexitをめぐる連立関係は脆弱なままです。

筆者は以前、Brexitは欧州諸国にとって二次的な問題だと述べました。ドイツではメルケル首相が組閣に苦戦しています。フランスのマクロン大統領は自身の課題に集中しており、スペインは言うまでもなく、カタルーニャ州の分離独立の危機に揺れています。

Brexitによって欧州各国の政権が成立したり、崩壊したりするわけではありません。

懸念されるのは、今や英国においてもBrexitが二次的な問題であることです。近づきつつある予算審議、国内政策の継続的な課題に加え、政治スキャンダルなどによって英国政府が打撃を受ける中、Brexitの優先順位は低くなっています。


限界に近づく
筆者は2017年1月、Brexitをめぐる交渉について、英国とEUの両者が合意の必要性を受け入れ、2018年までに状況は緩和されるだろう、と述べました。そのような可能性はまだ残っているものの、英国政府がEUと特別な協定を結ぶというシナリオにすべてを賭けるのは賢明ではありません。両者とも交渉の限界に近づいています。

この状況に直面したKPMGのクライアントは、どのように対応しているでしょうか。クライアントの中には、政治に関心を向けることを止め、最悪のシナリオに向けた準備を進めている企業があります。こうしたクライアントは、サプライチェーンにおける大きな問題を回避するためなら支出を惜しみません。最終的な結果が確定するまで静観を崩さないクライアントもいます。保守的戦略を採用したつもりが、交渉がすぐに進展しなければ、無計画だったということになりかねません。

ハーフタイムのホイッスルが鳴る中、ほとんどの企業は、準備のためのコストと、混乱により生じる可能性があるダメージを天秤にかけ、検討している最中です。詳細な計画を立案している企業もあります。というのは、既存のプロセスを見直すことで、非効率な部分を明らかにし、準備に伴うコストの一部を削減できるからです。

一部では、産業界全体のトレンドも影響しています。金融サービス業界においては、規制当局や、顧客の信頼を維持する必要性に迫られ、着々と計画を進めてきました。イングランド銀行がすでに発表しているように、銀行業界は2018年新年にもこうした計画を実行に移す準備が整っています。


自社のサプライチェーン問題に取り組む
金融機関と同様に規制業界である医薬品業界は、積極的に専門家集団の助言を求めています。KPMGでは、先進的な製造業者からも多数の問い合わせを受けています。昨今発表された英国CIPSサービス業購買部協会の調査では、英国とEU間のサプライチェーンが分断化しつつあることが判明し、供給を確保することの重要性が明確に示されました。直近のコラムで述べた通り、交渉が成立しなかった場合のオプションを確保するために、影のサプライチェーンの計画を立案すべき時が来ています。

小売業者には、計画を見直さなければならない別の理由があります。混乱を回避するために、単純に在庫を積み増しておくことができないからです。衣料の在庫は天候やトレンドに左右され、食料品は腐敗します。3ヵ月分のバナナを備蓄しておくことは不可能です。ブラック・フライデー、クリスマス、1月のセールが終わった後、小売業者はBrexitに注意を向けると私は予想しています。そして小売業者の動きは、消費財メーカー、加工食品メーカーや物流業者の動きに拍車をかけるでしょう。

レジャー業界では、ツアー・オペレーターが2019年のホリデー・シーズンまで計画を進めています。英国のホテルやレストランには、対応のための時間が比較的多く残っていますが、Brexitが近づくにつれて労働者が減少し、賃金が上昇することに備える必要があります。多くのEU市民を雇用しているその他の業界の企業は、ワークフォース・プランニング(人員配置計画)を綿密に検討しています。

これまでの前半戦において、企業はBrexitの展開を注視する時間を得ました。現在はハーフタイム突入にあり、ここで戦略の見直しと状況確認をする必要があります。なぜなら、ひとたび試合が再開すれば、多くの企業はBrexitをめぐる交渉が決着する会計年度に入るからです。これにより事態は現実味を増し、企業はスコアシートの記録を急がねばならないでしょう。
企業にとって、試合終了間際の奇跡を待つのではなく、コンティンジェンシー・プランを実行すべき時が近づいています。


本稿は英語版(原文)のコンテンツを和訳したものです。日本語版と英語版との内容に相違がある場合は英語版が優先されます。

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