IASB Updateの主要論点 2017年10月号 | KPMG | JP

IASB Updateの主要論点 2017年10月号

IASB Updateの主要論点 2017年10月号

本稿では、2017年10月に開催されたIASB会議の概要をまとめたIASB Updateについて、IFRSを適用している(又はIFRSを適用することを検討している)日本企業の観点から解説しています。

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オリジナルのIASB UpdateはIASBのウェブサイトから入手でき、日本語版もありますのでそちらをご参照ください。

総括

今月のIASB会議は2017年10月24日(火曜日)と10月25日(水曜日)に開催されました。アジェンダは大きく分けて次の7項目でした。

  • のれん及び減損
  • IFRS基準の適用上の論点
  • 料金規制活動
  • IFRSタクソノミ・アップデート
  • 事業の定義
  • 共通支配下の企業結合
  • 概念フレームワーク

これらのうち、のれん及び減損、料金規制活動、IFRSタクソノミ・アップデートについては意思決定が行われていません。IFRS基準の適用上の論点については、「会計方針の変更」(IAS第8号の修正)に関する公開草案のコメント期間について意思決定が行われています。本稿では、事業の定義、共通支配下の企業結合及び概念フレームワークについて行われた意思決定について解説します。

事業の定義

基準の修正の最終化に向けた議論が行われました。以下の点が暫定的に合意され、残りの点については2017年4月及び6月の会議で暫定的に合意された内容が再確認されました。

  • 選別テストに関する記述を明確化する。
  • 設例J「石油・ガス事業の取得」を削除する。
  • 選別テストにおいて考慮される総資産から、現金及び現金同等物、繰延税金負債の影響から生じたのれん、繰延税金資産を除外する。

また、デュー・プロセスの確認が行われ、提案を再公開しないことと、修正された基準は取得日が2020年1月1日以後開始する最初の事業年度の期首以後である企業結合に適用し、早期適用を認めることが確認されました。

日本企業への影響
選別テストについては、米国会計基準では強制されますが、IFRSでは任意で行うこととなりました。

共通支配下の企業結合

今月の会議では、共通支配下の企業結合(BCUCC)プロジェクトの範囲について明確化が行われました。すなわち、BCUCCプロジェクトは、共通支配下の取引のうち、報告企業が1以上の事業に対する支配を獲得するものを扱うこととし、この際、仮にIFRS第3号を適用した場合に報告企業が取得企業となるかどうかは問わないことを明確化することとされました。

日本企業への影響
例えば、親会社とその完全子会社の間に中間子会社を設立する場合で、株式と交換に従前の完全子会社の資産を取得する場合、仮にIFRS第3号を適用した場合に中間子会社は取得企業とはならず、また、この取引は企業結合取引にも該当しませんが、BCUCCプロジェクトの範囲に含まれることになります。

概念フレームワーク

今月の会議では、負債の定義を明確化することが暫定的に合意されました。
過去の議論において、経済的資源を移転する現在の義務が過去の事象の結果として存在するのは、企業が既に経済的便益を受け取っているか、行動を起こしたことにより、そうしていなければ移転する必要のない経済的資源の移転を要求されるか又は要求される可能性がある場合をいう、とされていました。
今月の議論においては、将来、経済的便益を受け取るか、行動起こすことを回避する実務上の能力を有していない場合であっても、その時点では、経済的資源を移転する現在の義務を有していないこと(ただし、未履行契約に該当することがあること)を明確化することで暫定的に合意されました。

日本企業への影響
これまでの提案は、企業が存在しているというだけで現在の義務を生じさせる可能性があると判断され、特定の負債を認識しなければならないと解釈される可能性がありましたが、今月の明確化によりそのようなことはなくなったといえます。

執筆者

有限責任 あずさ監査法人
会計プラクティス部
パートナー 川西 安喜

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