5つの税法の改正案 - 税務政策の重大な変更 | KPMG | JP

5つの税法の改正案 - 税務政策の重大な変更

5つの税法の改正案 - 税務政策の重大な変更

ベトナム財政相は付加価値税(VAT)、法人税(CIT)、特別消費税(SCT)、個人所得税(PIT)及び天然資源税(NRT)の5つの税法の改正・補足案を政府に提出しました。

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政府は上記の改正法案を国会に提出することを検討しています。可決されれば、2019年1月1日から適用となります。
上記の改正法案に関して、KPMGは以下の点に注目しています。

  • VAT及びSCTの2つの主要な間接税については、課税対象を広げ税率を引き上げる傾向にあります。
  • CIT及びPITの2つの主要な直接税については、税率を引き下げる傾向にあります。
  • 国内の自動車産業に対しては税優遇の適用対象となります。自動車産業のほとんどの製品はSCTの課税対象ですが、条件を満たせばCITの特別な税優遇が適用されます。また9席以下の乗用車に対して使用される国内生産部品及び補修用部品価格はSCTの計算にあたって課税対象価格から控除できます。

以下は改正法案の主なポイントです。

1.付加価値税(VAT)

  • VATの税率が10%から12%、5%から6%に引き上げられます。
  • 非課税対象範囲が縮小され、従来まで非課税対象であった農業生産機械、設備及び肥料、沖合漁業ボート及び土地使用権の譲渡が課税対象となります。製造原価の51%以上を天然資源・鉱物及び燃料費用の合計が占める製品の輸出は0%課税となります(またその場合、還付対象となります)。
  • 6%税率の課税対象範囲が縮小されます。したがって、文化・スポーツ関連サービス、映画、医療設備及び教育設備(一部除く)については、6%でなく12%の税率が適用されます。
  • 仕入税額控除にあたって必要とされる銀行送金証明書の入手が、20百万VND(約880USD)から10百万VND(約440USD)に引き下げられます。
  • VATは、現行規定の還付可能なケースに加えて、次の場合にも還付されます。(i)税率6%の製品の販売又はサービス提供をする企業が、12カ月間又は4四半期連続して未控除のインプットVATがある場合(ii)0%課税となる製造原価の51%以上を天然資源・鉱物及び燃料費用が占める製品の輸出

2.特別消費税(SCT)

  • フルーツジュース、野菜ドリンク、牛乳及び乳製品以外のソフトドリンクに対して、10%のSCTが課されます。
  • タバコ及び葉巻に対しては、みなしSCT税率(従来より5%引き上げられ75%)及びみなしSCT額(20本入のタバコ1箱に対し1,000VND及び葉巻1本に対し1,500VND)の2種類のSCTが課されます。
  • 9席以下の乗用車に対するSCTの課税対象価格は、国産の部品及び交換用部品を除いた価格となります。
  • ベトナム税務当局は、関連当事者間の課税対象取引に対し、独立した第三者が製造者又は輸入者から購入した平均価格を基にSCTのみなし税額を決定します。
     

3.法人税(CIT)

(i)損金算入要件

  • 銀行送金、クレジットカード支払証等の損金算入に支払証憑が必要な費用について、その要件金額が20百万VND(約880USD)以上から10百万VND(約440USD)以上に引き下げられます。
  • 控除しきれない又は還付条件を満たしていないインプットVATはCIT上、損金算入できます。
  • 過小資本税制を導入し、利息費用は負債と資本の比率に従って、一定額までしか損金算入できません。具体的に損金算入可能な負債と資本の比率は、製造業は負債5:資本1、銀行業は負債12:資本1、その他の業界は負債4:資本1までと定められています。

(ii)プロジェクトの譲渡、プロジェクト参加権の譲渡及び不動産の譲渡による益金を事業外活動による損金と相殺できます。

(iii)CITの優遇税率

  • 自動車生産プロジェクトは、条件を満たせば、10%又は15%の優遇税率を適用できます。
  • 15年間の優遇税率10%の適用
  • 法律で定められた社会的・経済的に恵まれた地域に所在する企業に対しては、適用されません。
  • 政府の規則に基づき、優先的に重要なソフトウェアサービスの提供又はデジタル情報製品の生産を行っている企業は優遇対象となります。
  • 年間売上高30億VND(約132千USD)未満の企業に対して、CIT税率15%が適用されます。
  • 年間売上高30億VND(約132千USD)以上500億VND(約2,203千USD)未満、かつ社会保険に加入している年間平均従業員数が200人以上の企業に対して、17%のCIT税率が適用されます。
  • しかしながら、親会社が子会社の株式の25%以上を保有する親子会社関係にある企業に対しては、17%及び15%のCIT税率は適用されません。

4.外国契約者税(FCT)

  • FCTのCIT部分は、みなし法(源泉徴収法)が唯一の申告方法となります。
  • 重要な税率の変更はありません。ただし、みなし輸出入取引のCIT税率は1%から0.5%へ引き下げられます。
  • 資本譲渡の取引高に対してCIT税率1%を適用する旨が規定されています。これは、税務当局が間接的譲渡への課税を行い易くするためです。

5.個人所得税(PIT)

  • 資本譲渡(証券譲渡を含む)による所得は、居住者か否かに関係なくPITの課税対象となります。具体的に、資本譲渡は取引額の1%、有価証券譲渡は取引額の0.1%が課税されます。
  • PITの累進税率表は、2段目(5百万VND~10百万VND)及び3段目(10百万VND~18百万VND)がなくなり、7階層から5階層に変更になりました。また、1ヶ月80百万VND以上の所得を除いては、税率が2%~10%引き下げられました。
  • 電気通信法に従い、インターネットアクセス権の譲渡がロイヤリティー所得に含まれるようになり、範囲が広がりました。
  • 上記の改正法案は2019年1月1日以降適用になる予定です。ただし、タバコ及び葉巻に対する2種類のSCTの取扱いは2020年1月1日以降適用になる予定です。

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