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2018年予算案税制改正ハイライト

2018年予算案税制改正ハイライト

マレーシアニューズレター - ナジブ首相は、税制改正の提案を含む2018年予算案を2017年10月27日付で議会に提出しました。本ニューズレターでは日系企業に影響を及ぼすと考えられる主な税制改正の内容について取り纏めました。

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法人税

情報通信技術機器、ソフトウェアにかかる税務上の減価償却

現行、情報通信技術機器及びソフトウェアに係る支出について、賦課年度2016まで加速度償却が認められている。また、カスタマイズされたソフトウェア開発に係るコンサルティング費用、ライセンス費用、その他付随費用については、税務上の減価償却及び損金算入が認められていない。
デジタル時代における競争力の維持及び最新技術の導入を支援することを目的として、以下の適格支出について、税務上の減価償却を認める提案がなされている。
 

提案 適格支出 償却率
1 情報通信技術機器、及びコンピューターソフトウェアの取得に係る支出

取得時償却:20%

年次償却:20%

2 カスタマイズされたソフトウェア開発に関連するコンサルティング費用


当該提案1及び提案2については、賦課年度2017及び賦課年度2018からそれぞれ適用される。

過少資本税制(Thin Capitalization Rules)に代わるEarning Stripping Rulesの導入

現行、マレーシアは、企業グループ間におけるアグレッシブなタックスプランニングを抑制するため、経済協力開発機構(OECD)の様々な取り組みに参加しており、過少資本税制(Thin Capitalization Rules (TCR))の導入もその一つである。
TCRは、企業グループ間における一定の基準を超える借入に対し、支払利息の損金算入を制限する規定として、2009年予算案において導入された。ただし、納税者に適切な準備期間を与えるため、2017年12月31日までその適用は見送られている。
国際レベルでの租税回避行為や所得移転を防止する施策の継続的な検討の一環として、OECDは、企業グループ間の借入における過大な支払利息の損金算入を制御するため、Earning Stripping Rules(ESR)を提言している。ESRの下では、同一企業グループ間の借入について、税務当局が規定した一定の割合(EBIT(税引前利益+支払利息)もしくはEBITDA(税引前利益 + 減価償却費 + 支払利息)を用いて計算された税前利益の10%から30%の範囲内)を超える支払利息の損金算入は制限されることとなる。
企業グループ間の借入に対する支払利息の過大な損金算入に起因する税金逃れを防止すること、及び移転価格ガイドラインの遵守を目的として、TCRに代わってESRを導入する提案がなされている。
当該提案は、2019年1月1日から適用される。

税務恩典

自動化設備にかかる税務恩典の延長

現行、労働集約型産業(ゴム、プラスティック、木材、家具、繊維に関連する製品)の企業につき、自動化設備にかかる税務恩典(適格資本支出RM 4百万につき、100%の加速度償却(Accelerated Capital Allowance)、及び100%の自動化装置償却(Automation Equipment Allowance))が与えられている。当該恩典は、MIDAへの2015年1月1日から2017年12月31日までに提出された申請について適用される。
当該産業の効率性および生産性を高めることを目的とした自動化を促進する目的で、上記のMIDAへの申請期限につき、3年間延長(2020年12月31日まで)する提案がなされている。
当該提案は、2018年1月1日から2020年12月31日までにMIDAに受領された申請について適用される。

INDUSTRY 4.0への変革にかかる税務恩典

現行、製造、及び製造に関連するサービスについて様々な税務恩典が与えられている。バリューチェーン、及び生産性を増加させるため、企業にはINDUSTRY 4.0として知られる下記のような先端テクノロジーの導入が促進されている。

  • ビック・データ分析
  • 自立型ロボット
  • シミュレーション
  • 産業インターネット化
  • サイバーセキュリティ
  • 垂直水平システム統合
  • クラウドコンピューティング
  • 付加製造
  • 拡張現実(AR)
  • 人工知能

ただし、現行、当該INDUSTRY 4.0への変革にかかる具体的な税務恩典はない。
製造、及び製造に関連するサービスの領域における上記の先端テクノロジー導入によるINDUSTRY 4.0への変革を促進する目的で、賦課年度2018から2020に支出した適格資本支出のRM 10百万について、加速度償却(Accelerated Capital Allowance)、及び自動化装置償却(Automation Equipment Allowance)の税務恩典が与えられる提案がなされている。
当該提案は、2018年1月1日から2020年12月31日までにMIDAに受領された申請について適用される。

Principal Hubの延長

現行、マレーシアでの多国籍企業によるグローバルオペレーションセンターを増加させる目的で、Principal Hubと呼ばれる税務恩典が2015年から導入されている。当該Principal Hubは、2015年5月1日から2018年4月30日までにMIDAに受領された申請について適用される。
マレーシアでの多国籍企業によるグローバルオペレーションセンター、特にStrategic service活動の競争優位性を強化することを目的として、Principal HubのMIDAへの申請期限を延長する提案がなされている。
当該提案は、2020年12月31日までにMIDAに受領された申請について適用される。

障害者の雇用にかかる税務恩典の拡大

現行、Department of Social Welfare (JKM)によって認定された障害者を雇用する雇用主に対して、当該障害者の給与にかかる追加の所得控除が賦課年度1982から与えられている。
しかし、事故や重篤な病気を患い、JKMの認定を得ていない労働者を雇用する雇用主については上記のような追加の所得控除は与えられていない。
事故や重篤な病気を患った労働者を支援し、雇用を守ることを目的として、雇用主に対する追加の所得控除を与える提案がなされている。Social Security Organization(SOCSO)は、当該労働者が能力の範囲内で就労することが可能である認定を行う必要がある。
当該提案は、賦課年度2018から適用される。

個人所得税

個人所得税率の低減

現行、マレーシア居住者の個人所得税率は0%から28%の累進課税である。他方、非居住者は一律28%の税率である。
中間所得者層の可処分所得を増加させ、高騰する生活費の負担に対処することを目的として、以下の3つの課税所得帯について、税率を2%低減させる提案がなされている。

 

課税所得帯(RM) 現行税率(%) 提案税率(%)
0 - 5,000 0 0
5,001 - 20,000 1 1
20,001 - 35,000 5 3
35,001 - 50,000 10 8
50,001 - 70,000 16 14
70,001 - 100,000 21 21
100,001 - 250,000 24 24
250,001 - 400,000 24.5 24.5
400,001 - 600,000 25 25
600,001 - 1,000,000 26 26
1,000,000超 28 28


個人所得税率の低減の結果、税額低減効果は最大RM1,000である。当該提案は、賦課年度2018から適用される。

関税・GST

関税に関する裁判所とGSTに関する裁判所の統合

現行、関税及びGSTに関連する関税局の決定を不服とする納税者は、Customs Appeal Tribunal (CAT, 関税に関する控訴裁判所)及びGST Appeal Tribunal (GSTAT,GSTに関する控訴裁判所)に訴えを起こすことができる。
両裁判所は関税局の決定に対する訴えを調査する独立した司法機関である。CATは2007年6月1日にスタートし、the Customs Act 1967, The Excise Act 1976, Sales Tax Act 1972及びthe Service Tax Act 1975に基づく関税局の決定に対する訴えを取り扱っている。
GSTATは2015年4月1日にスタートし、Goods and Service Tax Act 2014に関連する訴えを取り扱っている。
リソースの最適化と効率性を高めるため、両裁判所は統合され、関税局の決定に関連する訴えを取り扱う機関としてCATに一本化される。この統合により、納税者は、関税及びGSTに関する関税局の決定に対する訴えをCATに行うことになる。
当該提案は2019年1月より適用される。

その他

OECD構想への参画

現行、課税権を維持する一方で、国際的に合意された税務目的の情報交換を遵守する方針をマレーシアは示しており、具体的には以下の内容を含んでいる。

(i) OECD構想への参画
(ii)2018年9月より税務に関連する自動的情報交換制度を導入
(iii)有害税制(FHTP)に対応した税務優遇の合理化(関連法律の改正は2019年1月1日より前に公表される)

情報交換に関する国際標準への準拠を強化するため、マレーシアは2009年よりOECD構想に参画している。
2018Budgetスピーチにおいて、マレーシアはBEPS行動計画の実行及び2018年9月からの自動的情報交換制度への参画をコミットしている。

マレーシアニューズレター

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