Brexit(英国のEU離脱)を見据えて、いかにして競争力のあるチームを構築するか | KPMG | JP

Brexit(英国のEU離脱)を見据えて、いかにして競争力のあるチームを構築するか

Brexit(英国のEU離脱)を見据えて、いかにして競争力のあるチームを構築するか

KPMGロンドン事務所People and Change部門統括のTim Payneは、重要な人材を確保するためには、綿密なプラニングと、創造的な思考が必要である、としています。

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今後18ヵ月(1年半)のBrexit(英国のEU離脱)の行方は、誰にも分かりません。多くの企業にとって、EU国籍で現在は英国に勤務する優秀な従業員が母国に帰国したり、従業員が英国への異動を躊躇したりする可能性があるという非常に現実的な懸念により、不確実性はさらに強まっています。

KPMGが直近に行った意識調査では、EU国籍市民の約35%が「英国を離れることを検討している」と回答しました。また、年齢が若く学歴の高い人材(経済的な観点から最も望ましい人材)ほど、「英国を離れる可能性が高い」という結果が出ました。例えば、大学院の学位所有者の約39%、博士号所有者の50%は、英国以外でキャリアを積むことを真剣に検討しています。

IT、エンジニアリング、科学研究や金融サービスなど、最高水準の専門家に依存する企業にとっては行動を起こさず、ただ最善の事態を祈って待つ余裕はまったくありません。また、特に接客業、農業、小売業など、高いスキルが要求されないEU国籍の従業員に依存する業種にも同様のことがいえます。

Brexit後の労働力の質を確保する鍵は、明確な戦略を策定すること、そして、策定を今すぐ始めることにあります。


ステップ1:労働力に関する詳細なシナリオの計画・設計
2019年3月以降に何があろうとも、企業はどの選択肢を取るかについて決めなくてはなりません。労働力の観点からは、次のことを意味します。

  • 英国における自社の現在の労働力を把握すること。例えば、どのようなリスクにさらされているかを考えてみましょう。どの分野の後継者育成計画をEU国籍の労働者に依存していますか?EU国籍の労働者が担っている重要な役割は何ですか?また、業務上どの分野でEUの労働者に非常に強く依存していますか?
  • 現在の経営モデルの精査と、これを維持するために必要な専門的な技術の水準と従業員数、各々の評価。こうした意思決定は、当然、最低賃金の引き上げに関する要求最低賃金に関する圧力、性別による賃金格差、職業実習賦課金(Apprenticeship Levy)などのコスト面の課題を考慮した上で実施する必要があります。
  • アウトソーシングを拡大するか、より柔軟性の高い臨時労働者を採用するかどうかについて決めなくてはなりません。
  • サプライヤー(供給[納入]業者)と顧客において、どこで、どのように労働力ギャップが発生するかの詳細な調査を行う必要があります。


ステップ2:現地での教育と能力開発に投資
EU国籍の従業員に大きく依存する一部の業種において優秀な人材が国外へ流出するリスクが明確になる中、企業には将来性がある若い世代の能力開発に目を向ける方法があります。企業はこの方法を活用すべきです。

  • 職業実習賦課金のようなイニシアチブは、新世代のスキルと才能を協働で養成するきっかけとなります。
  • 企業は現地の学校や大学と協力し、関係の構築や必要な能力開発の重点化において、積極的な役割を果たすことができます。
  • 既存の従業員の能力開発に投資し、必要に応じて再教育を支援することが、生じつつある人材能力のギャップを埋めるための解決策となる可能性があります。


ステップ3:国際的な人材を確保するために、想像力を駆使して事前対応を実施
英国企業は現時点に至るまで、英国でのキャリア形成に魅力を感じる優秀な人材が安定的に供給されることを当然のように考えてきました。Brexitの国民投票結果により、状況は一変しました。

  • 従来、英国内で行っていた業務について、英国外でも実施が可能かどうかを検討しましょう。利用できる既存のオフィスや施設はありませんか。
  • 他のEU非加盟国で、多種多様な人材を必要とする企業はありますか。その国内において、企業は人材を確保できますか。もし人材を確保できるとしたら、どのような戦略を立てますか。


ステップ4:イノベーションの力を活用した事業変革
ロボティクス、人工知能(AI)やギグ・エコノミー(ネットを通じて単発仕事を受注するという働き方)といったイノベーションは、英国で働く高スキルのEU国籍の労働者の不足を補う上で、重要な役割を果たす可能性が十分にあります。第4次産業革命が進むにつれ、あらゆる段階とほとんどの業種において、多くの業務の性質そのものが変化し始めています。Brexitは、業務の性質について考え方を変えるきっかけとなるのでしょうか。Brexitとは関係なく、自社における労働力の今後の形態と規模について徹底的に考えることは、現在の労働力を創造的な方向へ発展させることに役立つことでしょう。


最高水準を誇るために
2025年、自社のチーム(組織)はどうなっているでしょうか。現時点で、Brexit後の労働力について想像力と戦略的な方法を駆使し、計画の立案を開始すれば、今後の新たなビジネス・チャンスに向けて、世界的に競争力のあるチームを構築することができるでしょう。

本稿は英語版(原文)のコンテンツを和訳したものです。日本語版と英語版との内容に相違がある場合は英語版が優先されます。
Your post-Brexit team: a force for the future?

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