税務情報(2017.6-7) | KPMG | JP

税務情報(2017.6-7)

税務情報(2017.6-7)

本稿は、2017年6月から7月に財務省・国税庁等から公表された税務情報およびKPMG税理士法人のウェブサイトに掲載している情報をまとめてお知らせするものです。

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本稿は、2017年6月から7月に財務省・国税庁等から公表された税務情報およびKPMG税理士法人のウェブサイトに掲載しているKPMG Japan tax newsletterおよびKPMG Japan e-Tax Newsでお知らせした情報をまとめてお知らせするものです。

I.2017年度税制改正

1.財務省 - 「税制改正の解説」を公表

7月6日、「平成29年度 税制改正の解説」が財務省のホームページに掲載されました。「税制改正の解説」には、把握しておきたい改正の背景・趣旨が掲載されているほか、条文からは読み取ることができない解釈などが含まれています。

 

2.国税庁 - 配偶者控除・配偶者特別控除の見直しに関するページを公表

2017年度税制改正において、配偶者控除・配偶者特別控除の見直しが行われ、2018年分の所得税から適用されることになりました。

国税庁は6月30日、「配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しについて」というページを公表し、改正に関する各種パンフレット、各種様式をまとめて掲載しています。


各種パンフレット

以下の3つのパンフレットが公表されました。

  • 源泉所得税の改正のあらまし(平成29年4月)
  • 【源泉徴収義務者向け】平成30年分以降の配偶者控除及び配偶者特別控除の取扱いについて(毎月(日)の源泉徴収のしかた)
  • 【給与所得者向け】平成30年分以降の配偶者控除及び配偶者特別控除の取扱いについて


各種様式

配偶者控除・配偶者特別控除の見直しに伴い、2018年分以降、『給与所得者の扶養控除等(異動)申告書』等の各種様式が変更されます。各種様式の確定版は9月末頃(『給与所得者の保険料控除申告書』および『給与所得者の配偶者控除等申告書』については12月頃)に国税庁のホームページに掲載される予定です。


1.および2.に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No.137(2017年7月13日発行)


3.国税庁 - 2017年度税制改正に対応した法令解釈通達を発遣

国税庁は7月6日から14日にかけて、2017年度税制改正に対応した以下の法令解釈通達を発遣しました。(2017年度税制改正においてはタックスヘイブン対策税制の大幅な見直しが行われましたが、新タックスヘイブン対策税制に対応する通達改正はまだ行われていません。)


4.経済産業省 - 特別試験研究費税額控除制度ガイドライン(平成29年度版)を公表

試験研究費の税額控除制度において、いわゆるオープンイノベーション型の試験研究費(特別試験研究費 - 国の試験研究機関・大学・民間企業等との共同試験研究または委託試験研究等に係る試験研究費)には、20%または30%という高い税額控除率が適用されています。
このオープンイノベーション型の研究開発については、2017年度税制改正において、使い勝手を向上すべく、以下の運用上の見直しが予定されていましたが、7月12日、経済産業省により「特別試験研究費税額控除制度ガイドライン(平成29年度版)」が公表され、詳細が明らかになりました。

  • 国の試験研究機関・大学・民間企業等との契約(記載すべき事項が記載されていない契約)に一定の変更があった場合におけるその契約変更前に支出した費用の取扱い
  • 特別試験研究費の範囲 - 共同研究および委託研究に係る相手方(大学・民間企業等)が支出する費用で自己が負担するもの
  • その事業年度における特別試験研究費の額であることの共同研究および委託研究に係る相手方(大学・民間企業等)による確認の要否


3.および4.に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No.139(2017年7月21日発行)


5.タックスヘイブン対策税制

タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)とは、外国関係会社を利用した租税回避を抑制するため、一定の条件に該当する外国関係会社の所得を日本の親会社の所得とみなして合算し、日本で課税する制度です。

2017年度税制改正では、経済協力開発機構(OECD)が2015年10月に公表した税源浸食と利益移転(BEPS:Base Erosion and Profit Shifting)プロジェクトの行動3(タックスヘイブン対策税制の設計)に関する最終レポートを踏まえて、制度全体にわたる改正が行われました。


この改正に関するKPMG Japan tax newsletter(2017年7月19日発行)
タックスヘイブン対策税制(日本語)
Japanese CFC Regime (英語)


6.相続税・贈与税 - 国外財産に対する納税義務の範囲の見直し

相続税は相続により財産を取得した相続人に、贈与税は贈与により財産を取得した受贈者にそれぞれ課される税であり、被相続人・贈与者または相続人・受贈者の国内における住所の有無および相続人・受贈者の日本国籍の有無により、課税される財産の範囲が定められています。
2017年度税制改正では、外国人の日本への受入れの促進を図るため、一時的に日本に在留する(した)外国人の関わる相続・贈与については、一定の要件のもと、国外財産を課税対象に含めないこととするとともに、日本人富裕層が外国に移住することにより租税負担の軽減を図ることを抑制するため、国外財産を含む全財産を課税対象とする相続・贈与の範囲が見直されました。


この改正に関するKPMG Japan tax newsletter(2017年6月19日発行)
相続税・贈与税 - 国外財産に対する納税義務の範囲の見直し(日本語)
Inheritance Tax/Gift Tax - Amendments to Scope of Tax Payment Obligations(英語)

II.移転価格税制

1.国税庁 - 「移転価格ガイドブック ~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~」の公表

近年における移転価格を取り巻く環境の変化(国際課税への関心の高まり、企業のグローバルな国際展開、BEPSプロジェクトの進展、移転価格文書化制度の整備等)を受けて、国税庁は6月9日、「移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~」を公表しました。

国税庁は、このガイドブックの公表により、移転価格税制に関する納税者の予測可能性や行政の透明性を向上させ、納税者の自発的な税務コンプライアンスを高めることにより、移転価格税制に関する適正・公平な課税の実現を目指すとしています。

このガイドブックは以下の3部で構成されています。

  • 移転価格に関する国税庁の取組方針 ~移転価格文書化制度の整備を踏まえた今後の方針と取組~
  • 移転価格税制の適用におけるポイント ~移転価格税制の実務において検討等を行う項目~
  • 同時文書化対応ガイド ~ローカルファイルの作成サンプル~


上記に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No.135(2017年6月13日発行)


2.OECD - 移転価格ガイドライン(2017年版)を公表

OECDは7月10日、2010年版から7年ぶりの全面改訂となる、移転価格ガイドライン(2017年版)を公表しました。


OECDプレスリリース


改訂内容のポイントは以下のとおりです。

(1)第1章(独立企業原則)/第2章(移転価格算定方法)/第5章(文書化)/第6章(無形資産に対する特別の配慮)/第7章(グループ内役務提供に対する特別の配慮)/第8章(費用分担取極)
BEPSプロジェクトの2015年最終報告書「Action 8-10: Aligning Transfer Pricing Outcomes with Value Creation」および「Action 13: Transfer Pricing Documentation and Country-by-Country Reporting」に基づき、大幅に改訂されました。これらの改訂は、2016年5月にOECD理事会により承認されています。

(2)第9章(事業再編に係る移転価格の側面)
同じく、BEPSプロジェクトの2015年最終報告書(Action 8-10、Action 13)に基づく改訂です。OECD理事会により、本年4月に承認を受けています。

(3)第4章(移転価格に関する紛争の回避および解決のための税務執行上のアプローチ)
2013年5月にOECD理事会により承認された「Revised Section E on Safe Harbours in Chapter IV of the Transfer Pricing Guidelines」が反映されました。


参考情報

BEPSプロジェクト2015年最終報告書
「Action 8-10: Aligning Transfer Pricing Outcomes with Value Creation」


BEPSプロジェクト2015年最終報告書

「Action 13: Transfer Pricing Documentation and Country-by-Country Reporting」

「Revised Section E on Safe Harbours in Chapter IV of the Transfer Pricing Guidelines」

III.租税条約

1.OECD - 多数国間条約(BEPS防止措置実施条約)の署名

「BEPSを防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約」(多数国間条約/BEPS防止措置実施条約)が、6月7日、パリにおいて、67の国・地域により署名されました。

多数国間条約とは、既存の租税条約をBEPSプロジェクトの勧告に沿ったものに迅速に変更するための仕組です。BEPSプロジェクトのAction 15(多数国間協定の策定)におけるマンデート(Mandate)に基づき検討が重ねられ、昨年11月にテキストが公表されていました。

本条約の各締約国は、既存の租税条約のいずれを本条約の適用対象とするかを任意に選択することができ、また、本条約に規定するBEPS防止措置規定のいずれを既存の租税条約について適用するかを所定の要件のもとで選択することができます。今回の署名にあたり、署名国は各国の暫定的な選択の内容を明らかにしています。


財務省プレスリリース

OECDプレスリリース


上記に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No.134(2017年6月8日発行)
KPMG Japan e-Tax News No.136(2017年6月27日発行)


2.二国間租税条約

6月から7月の間には、以下の3ヵ国との租税条約に関する動きがありました。日本とこれらの3ヵ国との間にはこれまで租税条約は存在せず、いずれの租税条約も新たに締結されたものです。

(1)ラトビアとの租税条約 - 発効
「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とラトビア共和国との間の条約」(2017年1月18日署名)は、2017年7月5日から効力を生じ、日本においては、原則として、次のものについて適用されます。

  • 課税年度に基づいて課される租税:2018年1月1日以後に開始する各課税年度の租税
  • 課税年度に基づかないで課される租税:2018年1月1日以後に課される租税


財務省プレスリリース


(2)リトアニアとの租税条約 - 署名

7月13日、日本国政府とリトアニア共和国政府との間で「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とリトアニア共和国との間の条約」の署名が行われました。


財務省プレスリリース

 

(3)スロベニアとの租税条約 - 発効
「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とスロベニア共和国との間の条約」(2016年9月30日署名)は、2017年8月23日から効力を生じ、日本においては、原則として、次のものについて適用されます。

  • 課税年度に基づいて課される租税:2018年1月1日以後に開始する各課税年度の租税
  • 課税年度に基づかないで課される租税:2018年1月1日以後に課される租税


財務省プレスリリース

IV.その他

1.電子帳簿保存法 - Q&Aおよび法令解釈通達等の公表

納税者の国税関係帳簿書類の保存に係る負担の軽減等を図ることを目的として、電子帳簿保存法には、以下の4つの制度が定められています。

  • 国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等
  • 国税関係帳簿書類の電子計算機出力マイクロフィルム(COM)による保存等
  • 国税関係書類のスキャナ保存
  • 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存

このうち3つ目の「国税関係書類のスキャナ保存」については、2015年度および2016年度税制改正により見直しが行われ、たとえば、スキャナ保存の対象とされる契約書等に係る金額基準が廃止されたほか、スキャナの要件の緩和により、スマートフォン等の使用が可能となりました。

国税庁は7月4日、電子帳簿保存法に関する情報をまとめたページ「電子帳簿保存法について」を更新し、以下の情報を掲載しています。


電子帳簿保存法Q&A

  • 電子帳簿保存法一問一答(電子計算機を使用して作成する帳簿書類及び電子取引関係)
  • 電子帳簿保存法一問一答(スキャナ保存関係)

これまで承認申請の時期により別々に用意されていたQ&Aが統合されたうえで、「スキャナ保存関係」に関するQ&Aが分離され、所要の整備が行われました。


法令解釈通達およびその趣旨説明

2016年度税制改正に対応する法令解釈通達は既に昨年6月に公表されていますが、追加として3つの通達およびその趣旨説明が公表されました。


2.行政手続コスト削減のための基本計画

規制改革推進会議「行政手続部会取りまとめ~行政手続コストの削減に向けて~」(3月29日行政手続部会)を踏まえ、財務省および総務省は、6月30日、「行政手続コスト削減のための基本計画」を公表しました。

財務省の「基本計画(国税)」および総務省の「基本計画(地方税)」において、削減方策(コスト削減の取組内容およびスケジュール)として、以下の項目が挙げられています。

(1)電子申告の推進
大法人の法人税・消費税・地方法人二税の電子申告の義務化については、2017年度に検討を開始し、早期に結論を得る。
その際、大法人の対象範囲について法人税法上の区分を踏まえて検討するとともに、デジタルファースト原則(行政手続の電子化の徹底)の下で、原則として、添付書類も含めて電子申告を義務化する方向で検討する。

(2)電子納税の推進

(3)e-Tax/eLTAXの使い勝手の大幅改善

(4)国税と地方税の情報連携の徹底(法人設立届出書等の電子的提出の一元化、電子申告における共通入力事務の重複排除等)

 

1.および2.に関するe-Tax News
KPMG Japan e-Tax News No.138(2017年7月14日発行)

執筆者

KPMG 税理士法人

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