BrexitがEU市民に及ぼす影響 | KPMG | JP

BrexitがEU市民に及ぼす影響

BrexitがEU市民に及ぼす影響

英国とヨーロッパに住むEU市民数千人に対し、Brexitが今後の暮らしにどのような影響を与えるかを尋ねました。彼らの回答を紹介すると共に、それが英国の企業経営者にとってどのような意味を持つかについて考察します。

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Brexitが近づく中、英国で生活・労働する240万人のヨーロッパ市民は、今後どのような行動をとるのでしょうか。私たちはその答えが英国の個人と企業経営者にとって重要な意味を示すものになりうると考え、調査を実施しました。

KPMGは、英国在住のEU市民2,000人に対し、EU離脱後も英国に住む予定かどうか、またその理由を尋ねました。さらに、EU域内に住む1,000人も調査対象に加え、Brexitが将来の移民の流れにどう影響するかを知るための一助として、英国に対する彼らの見解を尋ねました。

その結果、企業経営者がいかに自発的に人材獲得戦略に取り組むべきかという示唆をはじめ、さまざまな知見を得ることができました。

以下、調査レポートの要約(エグゼクティブサマリー)となります。

EU市民のほぼ半数は英国に残る予定。多くの回答者は、移住と残留のどちらを選択するか未定

調査対象となった2,000人の英国居住EU国籍市民のうち45%は英国に残る予定と答え、現時点で国外移住を予定しているのは8%のみです。ただし、多くの回答者(35%)が国外移住を検討中です。国外移住を検討しているグループと国外移住を既に予定しているグループとを合わせると、英国全体では約100万人のEU国籍市民に相当します。

居住地としての魅力は減少したようにも見えるものの、英国の人気ぶりは未だ健在

母国に居住するEU市民の3分の2は、依然として英国は働く場所として魅力的だとみなしており、同市民の半数以上は、適切な機会さえ訪れれば英国に移住したいと考えています。より良い就労の機会、多様な文化、開かれた社会は、引き続き人々を惹きつけています。

年齢が若く、学歴と収入が高い人材ほど国外移住を検討しており、高まりつつある頭脳流出のリスク

博士号を持つ回答者のうち半数と、大学院を卒業した回答者のうち39%は、国外移住を検討しています。同様に、高収入の人々ほど英国を離れる可能性が高いという結果が出ています。年収5万~10万ポンド(約700万~約1,400万円)の人の半数以上(52%)は、国外移住を予定または検討しています。18~24歳の若者のうち11%は、既に国外移住を決めています。

英国によるEU市民権保護の提案は人々の意見を変えられなかったものの、欧州司法裁判所(ECJ)に注目

英国政府がEU市民権の保護を提案したことについて、回答者のうち半数以上はそれによって考えを変えなかったと回答していますが、それ以外の回答者の間では賛否が分かれています。一方、ECJがBrexit後もEU市民の権利を保護すると発表したことは、強く支持されています。英国内のEU国籍市民は、より確かな安心感を政府が提供してくれることを望んでいます。

国外移住を検討する人の増加や、英国に移住を希望する人の減少の主な理由は、英国社会が変わったという人々の見解

英国に住む回答者のうち半数は、英国で歓迎されていない、価値を認められていないと感じています。次に多い理由は、感情または主義・主張に基づくもので、現実的な理由は下位となっています。英国に移住したくないと回答するヨーロッパ在住の人々の間では、英国が自分たちを歓迎していないという恐れが何よりも先立っています。

EU国籍市民は、雇用主がより強い連帯感を示し、精神的な支援を実施することを期待

英国在住のEU国籍市民の半数以上(51%)は、従業員が国内に残ることを望むという意思を雇用主が明確に表明することを期待しています。さらに、39%の回答者は雇用主に対し、EU国籍市民の人材としての重要性を公に主張してほしいと望んでいます。

企業経営者には、交渉の見通しが明らかになるまで黙って様子を見ている余裕なし

自社が直面するリスクを知り、EU国籍市民の従業員に支援の手を差し伸べ、Brexit後にEU国籍市民の立場が変わった場合の対応に関するポリシーを確立することが、短期的な離職率の抑制や、組織にとっての長期的な備えにつながります。

人材獲得戦略を見直すきっかけとなりうるBrexit

Brexitが英国の熟練した労働力の減少に及ぼす影響を緩和する方策として、ロボット工学や人工知能(AI)、自動化が重要な役割を占める可能性があります。中期的に見れば、企業経営者はBrexitによって、これまでよりもはるかに自発的な姿勢で国内外の人材獲得競争に取り組まざるを得なくなり、競争における創意工夫の必要性も大幅に増すでしょう。また、国内人材のトレーニングや能力開発、報酬と賞与への斬新なアプローチも必要となることが見込まれます。

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※本稿は英語版(原文)のコンテンツを和訳したものです。日本語版と英語版との内容に相違がある場合は英語版が優先されます。

Brexit(英国のEU離脱)に関する解説

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