会計基準情報(2017.6-7) | KPMG | JP

会計基準情報(2017.6-7)

会計基準情報(2017.6-7)

本稿は、ウェブサイト上に掲載している会計基準Digest 2017年6月分と、会計・監査Digest 2017年7月分の記事を再掲載したものです。

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本稿は、あずさ監査法人のウェブサイト上に掲載している会計基準Digest 2017年6月分と、会計・監査Digest 2017年7月分の記事を再掲載したものである。会計基準Digestは、日本基準、修正国際基準、IFRS及び米国基準の主な最新動向を簡潔に紹介するニュースレターである。

I.日本基準

1.法令等の改正


最終基準


(1)「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令」及び「企業内容等の開示に関する内閣府令」を改正する内閣府令の公布
2017年7月14日、「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令」及び「企業内容等の開示に関する内閣府令」を改正する内閣府令が公布された。

本改正は、株式による報酬、業績に連動した報酬等の柔軟な活用を可能とするための仕組みの整備等を図る政府による取組みの一環として、(1)特定譲渡制限付株式、(2)パフォーマンスシェア、(3)株式報酬等による株式の割当てを行う場合に、イ.売買報告書の提出制度及び短期売買利益の返還請求制度の適用除外とする、ロ.有価証券届出書における「第三者割当の場合の特記事項」の記載を不要とする、等の対応を行うものである。

合わせて、同日、金融庁は、2017年5月17日に公表した「有価証券の取引等の規制に関する内閣府令」及び「企業内容等の開示に関する内閣府令」の改正案に対するパブリックコメントの結果等について公表している。

これらの改正内閣府令は、2017年7月14日付で施行された。


あずさ監査法人の関連資料
会計・監査ニュースフラッシュ(2017年7月18日発行)


公開草案
該当なし

 

2.会計基準等の公表(企業会計基準委員会(ASBJ)、日本公認会計士協会(JICPA))


最終基準

該当なし


公開草案


(1)ASBJ、企業会計基準公開草案第60号「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正(案)」等を公表
ASBJは、2017年6月6日、企業会計基準公開草案第60号「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正(案)」等(以下「本公開草案」という)を公表した。

ASBJでは、日本公認会計士協会(JICPA)から公表されている税効果会計に関する実務指針をASBJに移管するための審議を重ねている。本公開草案では、このうち、先行して移管された繰延税金資産の回収可能性に関する定め以外の税効果会計に関する定めについて、必要な見直しを行ったうえで引き継ぐことが提案されている。
本公開草案の主なポイントは以下のとおりである。

  • 以下の会計処理について、現行の取扱いを変更する。
    • 個別財務諸表における子会社株式及び関連会社株式に係る将来加算一時差異の取扱い
    • 投資時における子会社の留保利益の取扱い
    • (分類1)に該当する企業における繰延税金資産の回収可能性に関する取扱い(全額回収可能性があるとする判断が「原則」であることの明確化)
  • 未実現損益の消去に係る税効果会計については、現行の取扱い(繰延法)を変更しない。
  • 繰延税金資産及び繰延税金負債をすべて非流動区分(投資その他の資産または固定負債)に表示する。
  • 以下の注記事項を追加する。
    • 評価性引当額の内訳に関する情報
    • 税務上の繰越欠損金に関する情報

コメントの締切りは2017年8月7日である。


あずさ監査法人の関連資料
会計・監査ニュースフラッシュ(2017年6月9日発行)

(2)ASBJ、企業会計基準公開草案第61号「収益認識に関する会計基準(案)」等を公表
ASBJは、2017年7月20日、企業会計基準公開草案第61号「収益認識に関する会計基準(案)」等(以下「本公開草案」という)を公表した。

本公開草案は、国内外の企業における財務諸表の比較可能性の観点からIFRS第15号をベースとしつつも、それに我が国における実務慣行等を勘案し、比較可能性を損なわない範囲で調整を加えることが提案されている。

本公開草案で提案されている主なポイントは以下のとおりである。

  • 会計処理
    • IFRS第15号と同様に、収益を認識するための5ステップモデルを採用する。
    • IFRS第15号で規定されている「契約コスト」については、本公開草案の範囲から除く。
    • IFRS第15号の規定に拠らず、重要性の乏しい場合等に関する代替的な取扱いを追加する。
  • 開示
    当面(本会計基準等を早期適用した場合を含む)は、必要最低限の定めを除き、基本的に注記事項は定めないこととし、本会計基準等が強制適用される時までに、注記事項の定めを検討する。
  • 適用時期
    原則として2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用することとし、別途早期適用の定めを設ける。

コメントの締切りは2017年10月20日である。

なお、本公開草案についての詳細は、本誌特集1-1、1-2も参照のこと。


あずさ監査法人の関連資料
会計・監査ニュースフラッシュ(2017年7月25日発行)

 

3.INFORMATION


(1)未来投資戦略2017 - Society5.0の実現に向けた改革 -
2017年6月9日、「未来投資戦略2017 - Society5.0の実現に向けた改革 - 」が閣議決定された。「未来投資戦略2017」では、IoT、ビッグデータ、人口知能(AI)、ロボット、シェアリングエコノミー等の第4次産業革命のイノベーションを、あらゆる産業や社会生活に取り入れることにより、様々な社会課題を解決する、人類史上5番目の新しい社会「Society5.0」の実現に向けた施策を挙げている。

「未来投資戦略2017」では、大企業(TOPIX500)のROAについて、2025年までに欧米企業に遜色のない水準を目指すとしている。このために、「形式」から「実質」へのコーポレートガバナンス・産業の新陳代謝が挙げられており、(1)コーポレートガバナンス改革による企業価値の向上、(2)経営システムの強化、中長期的投資の促進、(3)企業の情報開示、会計・監査の質の向上、(4)事業再編の円滑化といった取組みが含まれている。


あずさ監査法人の関連資料
会計・監査ニュースフラッシュ(2017年6月14日発行)


(2)ASBJ、「適用後レビューの計画策定に係る意見募集文書に寄せられたコメントへの対応の取りまとめ」の公表
2017年6月22日、ASBJは「適用後レビューの計画策定に係る意見募集文書に寄せられたコメントへの対応の取りまとめ」(以下「本文書」という)を公表した。ASBJは、適用後レビューの計画の策定にあたり、2017年1月12日に、「企業会計基準等に関する適用後レビューの計画策定についての意見の募集」を公表したが、本文書は意見募集に寄せられたコメントへの対応を検討し、その対応を取りまとめたものである。

今後、開示に関する適用後レビューを実施する方向性で、詳細な計画を策定する予定とされており、開示に関する適用後レビューの実施プロセスとして、例えば、以下が考えられる旨を本文書に記載している。

  • 日本基準のこれまでの開示規定について、個々の会計基準において開示を要求している目的や背景を分析したうえで、全体として整合性が図られているかを分析する。

上記の分析結果に基づき、市場関係者から意見を聴取し、その結果も踏まえ、基準開発において対応すべき事項があるか否かを識別する。


あずさ監査法人の関連資料
会計・監査ニュースフラッシュ(2017年6月23日発行)


日本基準についての詳細な情報、過去情報は、
あずさ監査法人のウェブサイト(日本基準)へ

II.修正国際基準

1.会計基準等の公表(企業会計基準委員会(ASBJ))


最終基準
該当なし


公開草案


(1)ASBJ、修正国際基準公開草案第4号「『修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)』の改正案」を公表
ASBJは、2017年6月20日、修正国際基準公開草案第4号「『修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)』の改正案」(以下「本公開草案」という)を公表した。本公開草案は、国際会計基準審議会(IASB)により公表された新規のまたは改正された会計基準及び解釈指針のうち、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下「IFRS第15号」という)及びこれに関連する改正会計基準並びに2016年10月1日以後2016年12月31日までに公表されている会計基準等のうち、2017年12月31日までに発効するものを対象としたIFRSのエンドースメント手続の結果として公表されたものである。

ASBJは、IFRS第15号を主な対象としたエンドースメント手続における検討の結果、「削除または修正」を行わないことを提案している。

コメントの締切りは2017年8月21日である。


あずさ監査法人の関連資料
会計・監査ニュースフラッシュ(2017年6月27日発行)

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III.IFRS

会計基準等の公表(IASB、IFRS解釈指針委員会)


最終基準


(1)IASB、IFRIC解釈指針第23号「法人所得税の処理に関する不確実性」を公表
国際会計基準審議会(IASB)は2017年6月7日、IFRIC解釈指針第23号「法人所得税の処理に関する不確実性」(以下「本解釈指針」という)を公表した。本解釈指針は、法人所得税の処理に不確実性がある場合に、IAS第12号「法人所得税」(以下「IAS第12号」という)の認識及び測定に関する要求事項をどのように適用するかについて取り扱っている。

本解釈指針は、以下の事項を規定している。

  • 不確実性のある法人所得税の処理を別個に検討すべきか
    複数の法人所得税の処理の不確実性について、それぞれ別個に検討するか、集合的に検討するかについては、不確実性の解消方法をより良く予測する方法に基づいて決定する。
  • 税務当局による税務調査に関する仮定
    法人所得税の処理の不確実性が課税所得(損失)、課税標準、未使用の繰越欠損金、未使用の繰越税額控除及び税率の決定に影響があるかどうか、またどのように影響するかを評価するにあたり、税務当局は、有する権限に基づき、報告された金額を調査する。また、調査にあたっては、関連するすべての情報についての十分な知識を有すると仮定する。
  • 課税所得(損失)、課税標準、未使用の繰越欠損金、未使用の繰越税額控除及び税率の決定
    企業は、IAS第12号に従い、不確実性のある単独または複数の税務処理が税務当局に容認される「可能性が高い(probable)」かどうかを検討する。可能性が高いと結論付けた場合、課税所得(損失)、課税標準、未使用の繰越欠損金、未使用の繰越税額控除及び税率は、税務申告において使用されたかまたは使用される予定の税務処理に整合するように決定する。可能性が高くないと結論付けた場合、課税所得(損失)、課税標準、未使用の繰越欠損金、未使用の繰越税額控除及び税率の決定において、最頻値法又は期待値法のうち、不確実性の解消方法をよりよく予想する方法により、不確実性の影響を反映する。
  • 事実及び状況の変化に関する考慮事項
    本解釈指針で要求されている判断または見積りのもととなる事実や状況の変化、あるいは判断や見積りに影響を与える新たな情報があった場合には、判断または見積りを再評価する。事実及び状況の変化または新たな情報による再評価の影響は、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」に従って反映する。報告期間後に発生した変化が、修正を要する後発事象と修正を要しない後発事象のいずれであるかの判断にあたっては、IAS第10号「後発事象」に従う。
  • 開示
    本解釈指針は新たな開示要求を規定せず、現行の開示要求との関連性を強調している。すなわち、法人所得税の処理に不確実性が存在する場合には、対応する開示要求に照らし、開示すべきか否かを決定する。


適用時期及び経過措置
本解釈指針は、2019年1月1日以後開始する年次の報告年度から適用する。早期適用は認められる。早期適用する場合には、その旨を開示する。適用初年度においては、以下のいずれの方法により本解釈指針を適用する。

  • 後知恵(hindsight)を使用せずに利用可能である場合、IAS第8号に従い遡及適用する。
  • 適用開始時に、本解釈指針の適用による累積的影響額を期首の利益剰余金の調整により認識する。


あずさ監査法人の関連資料
IFRSニュースフラッシュ(2017年6月13日発行)


公開草案


(1)IASB、公開草案「意図された使用の前に発生する利益(IAS第16号の修正案)」を公表
IASBは、2017年6月20日、公開草案「意図された使用の前に発生する利益(IAS第16号の修正案)」(以下「本公開草案」という)を公表した。本公開草案は、有形固定資産を意図した方法で稼働可能にするまでの間に生産した物品の販売による収入を当該有形固定資産の取得原価から控除することを禁止し、販売収入及び生産に係るコストを純損益に認識することを提案するものである。

また、本公開草案は、IFRIC解釈指針第20号「露店掘り鉱山の生産フェーズにおける剥土コスト」を修正し、鉱山の開発フェーズの間に生じた剥土コストをIAS第16号に従って会計処理することを提案している。

コメントの締切りは2017年10月19日である。


あずさ監査法人の関連資料
IFRSニュースフラッシュ(2017年6月29日発行)

日本基準についての詳細な情報、過去情報は、
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IV.米国基準

会計基準等の公表(米国財務会計基準審議会(FASB))


最終基準(会計基準更新書(Accounting Standards Updates, ASU))


(1)ASU第2017-11号「1株当たり利益(Topic260)、資本と負債の区分(Topic480)、デリバティブ及びヘッジ(Topic815)」の公表(2017年7月13日 FASB)
ASUは、ダウンラウンド条項(発行者が、発行済の金融商品の既存の行使価格よりも低い価格で株式を発行する際、または既存の行使価格を下回る行使価格を有するエクイティリンク商品を発行する際に、発行済の金融商品の行使価格を下げる条項)を有する金融商品についての会計処理及び開示規定を変更するものである。現行基準ではダウンラウンド条項が存在する商品は負債に分類され公正価値による測定が要求されるが、これが過剰な実務負担をもたらすうえ、損益を不必要に不安定化させ、会計処理がダウンラウンド条項の本質を反映していないとの批判があった。

本ASUによる主な変更ポイントは以下のとおりである。

  • ダウンラウンド特性が含まれていることのみをもって、エクイティリンク商品が負債に分類されることはない。
  • ダウンラウンド条項が含まれる複合商品であっても、エクイティリンク特性はホスト契約から分離せずに、全体を他の基準に従って会計処理する。
  • 資本に分類される独立したエクイティリンク商品については、ダウンラウンド条項に抵触した会計期間に、その影響を1株当たり利益の計算に反映させ、ダウンラウンド条項に抵触した事実及びその影響の価値の開示を行う。

合わせて、非公開会社に対する免除規定の一部改訂が行われている。

本ASUは、公開企業の場合、2018年12月16日以降に開始する会計年度とその期中期間から、適用される。早期適用も認められる。

あずさ監査法人の関連資料
Defining Issues No. 17-15(英語)


公開草案(会計基準更新書案(ASU案))
該当なし


日本基準についての詳細な情報、過去情報は、
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