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The Brexit Column - KPMG英国のBrexit関税・間接税担当のBob Jonesは、EUと英国間の将来の通関体制に関して、英国がポジション・ペーパー(政策方針書)を公表したのは良い出だしではあるものの、経済界を安心させる材料とまではなっていない、とコメントしています。

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経済界は、今後のEUと英国間の貿易に関する政府草案に対してどのように対応すべきなのでしょうか。ポジション・ペーパーの公表は明るい材料です。つまり、英国の位置付けがより明確になるとともに、英国政府がこの問題の深刻度を理解し、その解決に取り組んでいることを経済界に示すものと捉えることもできます。特に重要なポイントは、移行期間についての提案があったことでした。

ただし、良いスタートを切ったとはいえ、あくまでスタートに過ぎません。目の前におそらく長い、そして平坦でない道のりが待ち受けていると思いながらも、いささかも動じずに悠々と構えているリーダーがいるとしたら、その勇敢さはかなりのものだと言えます。これから数年のうちに今までとは全く異なる様相を呈すであろう関税制度について、クライアントに対し、危機管理対策計画を準備しながら今までどおり通常業務を継続するように、と助言しています。

第一の障壁は政治に関することです。私たちは英国内における提案の賛否についてとことん議論することはできますが、私たちに求められているのは、英国を除くEU 27ヵ国の都市での反応に耳を傾けることです。問題の先送りにつながる可能性のあるコストや技術的な障壁はさておき、EU 27ヵ国で一致している共通理解とは、「EU域外での生活は域内の生活よりも良いはずがない」という基本的姿勢です。そんな中、英国が実質的に単一市場内に居続ける(関税も通関申告も不要)という暫定的措置を提案する一方で、第三国とは貿易協定について交渉するということについて、EU 27ヵ国はどのように受け止めるでしょうか。

技術的観点から見れば、政府の提案は非常に野心的であると言えます。新しい税関申告制度では、EU離脱後に予想される、前年比で2億件分も増加する(5倍の増加)年間あたりの申告数に対応する必要があります。ポジション・ペーパーによれば、新制度は将来の貿易フローに対応する柔軟性を備えており、2つの潜在的な将来像を提示しています。しかし、提示されている「高度に合理化された税関体制」と「新たな関税パートナーシップ」は、いずれも大がかりなプロセスを必要とし、英国とEU双方のHMRC(歳入関税庁)と何千にも及ぶ企業においてIT関連での変更が必要となります。自動化が役立つとは思われますが、まだテストも済んでいないこのシステムの構築には、テクノロジー、インフラストラクチャー、スキルへの投資が必要であり、それらは気が遠くなるほど困難な課題です。短い移行期間での達成を目指せば、プレッシャーとコストをさらに押し上げる可能性があります。

用意周到な準備
私たちは用心深く進めていく必要があります。万一、協議が決裂しようものなら、最終的な成果物はきっと現体制と非常によく似た、まるで延長線上のような体制となってしまう可能性があるからです。近い将来、さまざまな企業がいずれかのオプションに採択しなければならない日がくるでしょう。しかし今は、ほとんどの業種においてまだその段階にすら達していません。

当面、すべての企業における第一のタスクは、国際貿易に対するオペレーションとサプライ・チェーンのエクスポージャーを理解し、その定量化を行うことです。その後、適切なインフラストラクチャーと、それに対応するスキルが分かってくるでしょう。どのような態勢になるにせよ、テクノロジーがますます重要な役割を担うことは確かであり、そういう意味ではAEO(Authorized Economic Operator: 認定事業者)として承認されている企業は非常に優位性が高いと言えます。AEOに認定されるのは簡単ではありません。基準値が高く設定されているため、申請途中で断念する企業も沢山あります。そうであったとしても、EUから離脱した直後の混乱状況の中で、税関の通過が必要な物品を明確にし、保税倉庫のような特別な税関設備へのアクセスを準備できるとすれば、それは非常に意義深いことです。厳格なAEO申請を行うことで、企業は自社の貿易インフラやエクスポージャーについてより深く理解することができ、2019年のEU離脱の日までに何をやるべきかが自ずとわかってくるはずです。

いかなる貿易業務においても、この問題を政府に任せっきりにすることはできません。政府側でも、英国のアプローチ方法を形成するために企業からのインプットを必要としているからです。経済界のニーズを満たす貿易関係を築く最善の方法は、何よりも企業を協議の中心に置くことです。


本稿は英語版(原文)のコンテンツを和訳したものです。日本語版と英語版との内容に相違がある場合は英語版が優先されます。

Brexit(英国のEU離脱)に関する解説

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