IASB Updateの主要論点 2017年7月号 | KPMG | JP

IASB Updateの主要論点 2017年7月号

IASB Updateの主要論点 2017年7月号

本稿では、2017年7月に開催されたIASB会議の概要をまとめたIASB Updateについて、IFRSを適用している(又はIFRSを適用することを検討している)日本企業の観点から解説しています。

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オリジナルのIASB UpdateはIASBのウェブサイトから入手でき、日本語版もありますのでそちらをご参照ください。

総括

今月のIASB会議は2017年7月18日(火曜日)と7月19日(水曜日)に開催されました。アジェンダは大きく分けて次の6項目でした。

  • 保険契約
  • IFRS基準の導入及びメンテナンス
  • 重要性に関する実務記述書
  • 負の補償を伴う期限前償還要素及び金融負債の条件変更
  • 料金規制活動
  • のれんと減損

これらのうち、保険契約、料金規制活動、及びのれんと減損については意思決定が行われていません。重要性に関する実務記述書については意思決定が行われていますが、その内容の重要性はそれほど高くないものと考えられます。

IFRS基準の導入及びメンテナンス

3つの論点が議論されましたが、このうち、IFRIC解釈指針第14号の改訂が与える影響については意思決定が行われていません。ここでは残りの2つの論点についてご紹介します。

AS第12号の改訂:資本に分類される金融商品に係る支払の法人所得税への影響
公開草案「IFRS基準の年次改善(2015年-2017年サイクル)」において提案された内容(会計上、資本に分類されるものの、税務上、配当等の支払が損金算入可能である金融商品の発行者に係る税効果について、純損益に含めて認識する要求事項は、IAS第12号に例示されたものに限定せずに適用すること)について再審議が行われ、提案どおり最終化されることが暫定的に合意されました。なお、改訂後の基準は表示される最も古い期間の期首以後に認識した配当に関連する法人所得税に適用することが暫定的に合意されました。

日本企業への影響

会計上、資本に分類されるものの、税務上、配当等の支払が損金算入可能である金融商品の発行者の税効果の認識方法について影響が出る可能性があります。

 

IAS第23号の改訂:完成した適格資産に係る借入コスト
公開草案「IFRS基準の年次改善(2015年-2017年サイクル)」において提案された内容(適格資産について意図された使用又は販売の準備ができた場合、その適格資産を取得するために行われた借入れを一般借入に含めること)について再審議が行われ、提案どおり最終化されることが暫定的に合意されました。

負の補償を伴う期限前償還要素及び金融負債の条件変更

負の補償を伴う期限前償還要素
公開草案「負の補償を伴う期限前償還要素」の再審議が行われました。その結果、第1の適格要件(早期解約によって負の補償が生じる(補償を受け取る)という点を除けば期限前償還要素の存在によって当該金融商品の償却原価への分類が妨げられないこと)については、文言の微修正を除き、これを維持することが暫定的に合意されました。一方、第2の適格要件(期限前償還要素の公正価値が僅少であること)については、削除することが暫定的に合意されました。
この改訂については、IFRS第9号の発効日に間に合わせることが重視されており、2019年1月1日以後に開始する事業年度より発効することとした上で、早期適用を認めることが暫定的に合意されました。
後述する金融負債の条件変更に関する記述と合わせ、2017年10月までに改訂基準が公表される予定です。

日本企業への影響

第2の適格要件については、実務上の適用可能性について懸念する声が聞かれていたため、これが削除されたことにより、実務上の適用は公開草案を比べて容易になったと考えられます。

 

金融負債の条件変更
認識の中止が生じない、金融負債の条件変更について、IFRS解釈指針委員会で議論されており、アジェンダとして取り上げないことが提案されていましたが、今般、IFRS第9号が負の補償を伴う期限前償還要素について改訂されることとから、これに合わせ、その明確化をIFRS第9号の結論の根拠において行うことが暫定的に合意されました。

執筆者

有限責任 あずさ監査法人
会計プラクティス部
パートナー 川西 安喜

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