IASB Updateの主要論点 2017年4月号 | KPMG | JP

IASB Updateの主要論点 2017年4月号

IASB Updateの主要論点 2017年4月号

本稿では、2017年4月に開催されたIASB会議の概要をまとめたIASB Updateについて、IFRSを適用している(又はIFRSを適用することを検討している)日本企業の観点から解説しています。

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オリジナルのIASB UpdateはIASBのウェブサイトから入手でき、日本語版もありますのでそちらをご参照ください。

総括

今月のIASB会議は2017年4月24日(月曜日)と4月27日(木曜日)に開催されました。アジェンダは大きく分けて次の5項目でした。

  • 保険契約
  • 料金規制活動
  • 財務業績の報告に関するFASBによる教育セッション
  • IFRS基準の導入上の論点
  • 事業の定義

これらのうち、保険契約、料金規制活動、財務業績の報告に関するFASBによる教育セッションでは意思決定は行われていません。残りのIFRS基準の導入上の論点(論点は実質的に3つ)と事業の定義で意思決定が行われています。

IFRS基準の導入上の論点

IFRS第9号「金融商品」:認識の中止の判断における10%テストに含まれる手数料
認識の中止の判断における「10パーセント」テストに含まれる手数料の論点については、IFRS第9号「金融商品」を改訂することとし、次の年次改善のサイクルに含めて提案することが暫定的に合意されました。また、改訂は将来に向かって適用することが暫定的に合意されました。


日本企業への影響
手数料部分の取り扱いによって認識の中止に関する結論が変わるような金融商品の条件変更等を行っていない限り、影響はないと考えられます。


IAS第19号「従業員給付」及びIFRIC解釈指針第14号「IAS第19号 - 確定給付さ資産の上限、最低積立要件及びそれらの相互関係」:軽微な制度事象
IAS第19号「従業員給付」及びIFRIC解釈指針第14号「IAS第19号 - 確定給付資産の上限、最低積立要件及びそれらの相互関係」の改訂については、軽微な制度事象について明示的にIAS第19号の範囲から除外すべきでないとするIFRS解釈指針委員会の提案を受け入れることが暫定的に合意されました。また、移行規定についてもIFRS解釈指針委員会の提案を受け入れることが暫定的に合意されました。


IFRS第3号「企業結合」及びIFRS第11号「共同支配の取決め」:共同支配事業に対して従来保有していた持分
IFRS第3号「企業結合」及びIFRS第11号「共同支配の取決め」に改訂については、重大な変更なしに確定させることで暫定的に合意されました。


日本企業への影響
内容は明確化にあたるものが多く、共同支配事業として会計処理される投資を有していない場合には影響がない企業が多いと考えられます。

事業の定義

選別テスト省略の可否
選別テストとは、取得した資産全体の公正価値が、単一の資産(又は類似する資産のグループ)によって占められている場合に、資産の取得であると判断し、そうでない場合に企業結合であると判断するすることを言います。
取引が資産の取得であるのか、企業結合であるのかの判断を容易にするために提案された選別テストですが、このようなテストをすべての取引に適用した場合に、明らかに資産の取得であると思われる取引が企業結合と判断されたり、その逆が起こったりする可能性があることが指摘されました。そこで、企業が取引ごとに、この選別テストを省略するかどうかを判断することを認め、省略しないと判断した場合には、そのテストの結果について反証できないとすることで暫定的に合意されました。
なお、米国会計基準では同様の選別テストがすべての取引に採用されており、反証できないこととされていますが、選別テストを省略した場合であっても多くの場合に最終的な結論は同じになるため、問題ないとされています。


日本企業への影響
選別テストの導入により、多くの場合、従前の規定に比べ、資産の取得であるのか、企業結合であるのかの判断が変わる可能性があります。また、IFRSと米国会計基準で手続上の差が発生することになり、最終的な結論がIFRSと米国会計基準で変わる可能性もあります。


選別テストにおける税効果の取扱い
選別テストにおける資産全体に税効果に関する資産(繰延税金資産と、繰延税金負債を認識したことにより生じるのれん)を含めるかどうかが議論され、結論してこれらは除外して考えることで暫定的に合意されました。取引が資産の取得であるのか、企業結合であるのかの決定に、税効果は影響しないと考えられたためです。


日本企業への影響
選別テストの手順が明確化されることになります。

執筆者

有限責任 あずさ監査法人
会計プラクティス部
パートナー 川西 安喜

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