関税法改正及びビジネス関連法改正に関するアップデート | KPMG | JP

関税法改正及びビジネス関連法改正に関するアップデート

関税法改正及びビジネス関連法改正に関するアップデート

タイニューズレター - 長らく検討が続けられてきました関税法の改正について、先日新関税法が官報に掲載され、今年度中に施行されることとなりました。特にご留意いただくべきポイントについて紹介します。また、4月4日に5つのビジネス関連法(民商法、労働者保護法、公開会社法、社会保障法、破産法)の改正があり、その改正の概要を一覧にまとめました。

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2017年度関税法改正

関税法の改正法案は、今年3月に国家立法議会の承認を受けていましたが、5月17日に官報掲載され、2017年11月13日に施行されます。改正法の施行により現行法(関税法 B.E. 2469)は廃止され、改正法(関税法 B.E. 2560)に全面的に置き換えられることになります。改正法は現行規定の改正に加えて新規定が追加されたことにより、現行法の条文数の倍以上のより詳細なものとなりました。
2017年度改正の重要なポイントは以下のとおりです。

現行法(関税法 B.E. 2469) 改正法(関税法 B.E. 2560)
密輸及び脱税に関する罰則の改正

密輸及び脱税は(1)物品価格(関税額を含む)の4倍に相当する罰金、(2)10年以下の懲役のいずれか、またはその両方が科せられる。(27条)

罰則は以下の通り。(242条~244条)

  • 密輸:(1)物品価格(関税額を含む)、(2)の4倍に相当する罰金10年以下の懲役のいずれか、またはその両方が科せられる。また、密輸物品は没収される。
  • 脱税:(1)不足税額の0.5~4倍に相当する罰金、(2)10年以下の懲役のいずれか、またはその両方が科せられる。また、物品は没収されることがある。
  • 規制又は輸出入禁止物品に関する違反:(1)50万バーツ以下の罰金、(2)10年以下のいずれか、またはその両方が科せられる。また、物品は没収されることがある。
虚偽の申告に関する罰則の改正

虚偽の申告は、(1)50万バーツ以下の罰金、(2)6ヶ月以下の懲役のいずれかまたはその両方が科せられる。(99条) 

罰則は以下の通り。(202条~204条)

  • 虚偽の申告:50万バーツ以下の罰金が科せられる。
  • 虚偽の情報提供:50万バーツ以下の罰金、6ヶ月以下の懲役のいずれか、またはその両方が科せられる。
  • 偽造の通関書類、印鑑、署名およびラベルの作成または使用:50万バーツ以下の罰金、6ヶ月以下の懲役のいずれかまたはその両方が科せられる。
関税局職員及び告発者への報奨金に関する規定の改正

関税局職員および告発者に支払われる報奨金は、関税局長官の管轄とする。
(102条Ter)


報奨金は、関税局による税務調査が行われたか、または納税者による自主修正が行われたかによって異なり、状況に応じて、ペナルティ相当額の10%~30%の範囲となる。

関税局職員と告発者に支払われる報奨金が変更及び減額される。(255条)

  • 関税局による税務調査が行われた場合の報奨金は、納税者の違反の種類(密輸、虚偽申告等)により異なる。
  • 自主修正が行われた場合の報奨金には変更無し。
  • 状況に応じて、報奨金はペナルティ相当額の10%~20%の範囲となる。
  • 関税局職員と告発者に支払われる報奨金は、1案件ごとに500万バーツ以下とする。
延滞税の徴収制限及び延滞税・罰金の減額に関する規定の追加

不足税額に対して月1%の延滞税が徴収される。(112条)

以下のとおり変更・追加される。(22条)

  • 不足税額に対する月1%の延滞税、本税又は追徴税額を超えないものとする。
  • 省令又は関税局長官の命令により、延滞税は減額、罰金は減額または免除が追加的に認められることがある。
還付請求期間の延長

輸出入の日から2年以内(10条)

輸出入の日から3年以内に延長(25条)

また、現行法には無かった新たな規定が以下のとおり追加されています。

  • 関税局による事後調査期間の制限(159条):関税局による事後調査期間は5年間に制限される。
  • 貨物の中継・積替期間の制限(102条):タイにおける貨物の中継・積替の期間は30日間に制限される。
  • 関税局長官による輸出入物品の押収権限(24条):関税の未納付者が所有する物品について、関税局長官は裁判所の命令なしに当該物品を押収または競売により処分することができる。
  • 異議申立に関する審議期間の制限(41条):異議申立に関する当局の審議期間は、異議申立の訴状とすべての証拠が提出されてから180日間以内に制限される。なお、追加で90日以内の延長が認められる場合がある。

ビジネス関連法の一斉改正

2017年4月4日に国家平和秩序維持評議会より出された布告No.21/2560により、タイにおけるビジネス環境の改善を目的として、民商法、労働者保護法、公開会社法、破産法等のビジネス関連法の改正がなされています。このうち、比較的重要性が高い配当金の支払制限及び就業規則の提出義務の改正については、前回のニューズレターにて配信済みですが、今回は改正の概要について一覧でご紹介いたします。
なお、布告No.21/2560は4月4日に官報に掲載され、同日に施行されています。

No. 法律 論点 改正のポイント
1 会社法(民商法) デッドロック対応策
  • 取締役・株主間の対立による膠着状態(デッドロック)の解決策につき、付属定款にあらかじめ定めておくことができる。
  • 裁判所はデッドロック状態の会社の解散を命ずることができる。
配当金支払い
  • 配当金は、株主総会の開催日または取締役会での決議日から、1ヶ月以内に支払われなければならない。
2 労働者保護法 就業規則
  • 雇用主は就業規則を労働局に提出する必要はなし。(ただし従業員を10名以上雇用する雇用主は就業規則を作成し従業員に告知する義務あり)
公開会社法   少数株主の株主総会招集請求権
  • 公開会社株式の10%以上を保有する株主は、取締役に対し株主総会招集を請求することができる。
少数株主の検査請求権
  • 公開会社株式の5%以上を保有する株主は、会社の事業及び財務情報の検査を要求することができる。
4 社会保障法 期限の延長
  • 不可抗力、または正当な理由が生じた場合には、関係大臣はこの法律における期限を延長することができる。( 社会保険料の支払期限等)
5 破産法
 
担保権の行使制限
  • 裁判所の承認を得るか、裁判所が債権者による再生計画を受理してから1年を超えるまで、債権者は担保権を行使することを禁じられる。
価値が毀損する恐れがある担保資産
  • 担保債権者は、腐敗等により価値が毀損する恐れのある担保資産につき、当該資産の売却により債権回収に充てることができる。
再生計画承認の議決権
  • 再生計画により影響を受けない、または既に保護・救済措置を受けている債権者は、再生計画承認決議において議決権を有しない。(影響を受ける債権者にのみ議決権を与えるため)
電子公告
  • 破産管財人は、電磁的方法を用いて、破産管財人の命令、裁判所の命令、判決や通知を公告することができる。

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