EIOPAがUFRの見直しに係るコンサルテーションの最終報告書を公表

EIOPAがUFRの見直しに係るコンサルテーションの最終報告書を公表

2017年5月23日、欧州保険・年金監督機構(EIOPA)は、ソルベンシーIIで使用されている終局金利(UFR)について、2016年4月20日より実施した新たな計算方法及び見直しの実施プロセスに関するコンサルテーション・ペーパーの最終報告書を公表しました。

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1. 概要

2016年1月から欧州において導入されたソルベンシーⅡでは、割引率を設定する際に、超長期のフォワード・レートが最終的にUFRに収束するという手法が採用されています。UFRは通貨ごとに定められており、2016年、2017年に適用されている現行のUFRは、円金利が3.2%、ユーロ金利が4.2%となっています。

EIOPAは、UFRの基となっている長期的な見通しが近年変化していることからUFRの見直しについて議論を進め、2017年4月5日、UFRに新たに適用される計算方法及び見直しの実施プロセスについて公表しています。

UFRの計算方法・実施プロセスは2018年のUFRから適用され、今後UFRは1年ごとに見直されることとなります。2018年に適用されるUFRでは、円金利が現行の3.2%から3.35%に、ユーロ金利が4.2%から4.05%に変更されます。これらの詳細については2017年4月14日の前回記事EIOPAがUFRに係る新たな計算方法及び見直しの実施プロセスについて公表をご参照ください。

今回公表された最終報告書では、2016年4月から7月に実施されたコンサルテーション・ペーパーに対してステークホルダーから寄せられたコメントと、それらに対するEIOPAの決定、最終決定した新たな計算方法及び見直しのプロセス、見直しにあたって保険会社から入手した情報のサマリー等が述べられています。

2. ステークホルダーからのコメントの概要

EIOPAは16のステークホルダーからのコメントを受領しており、その内訳は保険・再保険ステークホルダーグループ(IRSG)、
合計6つの保険業界団体及び保険会社、5つのアクチュアリー協会、2つのコンサルティングファーム、2人の研究者でした。

ステークホルダーからの主なコメント及び提案は以下のとおりです。

 

(1)新たな計算方法の当初適用

  • 2018年のSCRの標準式の見直しが終わるまたは2021年の長期保証措置(LTG)の見直しが終わるまでUFRを変更しないこと
  • 新たな計算方法を適用する前に更なる影響分析を行うこと

 

(2)UFRの計算頻度

  • UFRは年次で計算するのではなく、例えば5年か10年おきに計算すること
  • UFRを機械的に決定するのではなく、専門家の判断を加えること

 

(3)UFRの計算方法

  • 透明かつ予測可能な計算方法の開発には賛同すること、特に以下の点
  • UFRを期待実質金利と期待インフレ率の和とすること
  • 期待実質金利を過去の実質金利の長期間の平均とすること
  • 期待インフレ率を中央銀行のインフレターゲットから導くこと
  • 期待インフレ率にバケットを用いること

 

(4)計算方法の詳細

  • UFRの安定性を高めるために変動幅をコンサルテーションの20bpsから10bpsに抑えること
  • 期待実質金利の対象にデンマークを含めること
  • 計算の正確性を高めるために、実質金利の集計をコンサルテーションの単純平均から地理的な加重平均に変更すること
  • コンサルテーションでは最近の実質金利に重きを置いていたが、これを止めること
  • コンサルテーションでは一部の国で3ヶ月や6ヶ月の実質金利の年換算率を用いていたが、1年の実質金利のみを用いること

3. コンサルテーションからの変更

EIOPAは、コンサルテーションの提案から以下の変更を行うことを決定しました。

  • UFRの変動幅をコンサルテーションの20bpsから15bpsに抑え、UFRの変動を緩やかにすること
  • UFRの変更頻度を減らすため、計算されたUFRと適用されているUFRの差が15bpsを超える場合のみ変更すること
  • UFRの実質金利の計算における平均は、最近に重きを置くのではなく単純平均とすること
  • UFRの新たな計算方法の適用は、2017年半ばではなく2018年からとすること
  • 期待実質金利の算出に用いるデータは1960年からではなく、1961年からとすること

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