プロサッカークラブのユニフォームの胸スポンサー | KPMG | JP

プロサッカークラブのユニフォームの胸スポンサー

プロサッカークラブのユニフォームの胸スポンサー

本稿では、プロサッカークラブのユニフォームの胸スポンサーの重要性について、海外との比較を交えながら解説しています。

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プロスポーツの収入源においてスポンサーが占めている割合は大きいと言えます。スポンサーには様々な種類がありますが、近年金額が特に大きくなっているのが、クラブチームのユニフォームの胸スポンサーにかかるものであると考えられます。
昨年末に楽天株式会社が、スペインプロサッカーリーグ(リーガ・エスパニョーラ)に所属しているFCバルセロナとグローバルメインパートナー契約を結び、2017/18年シーズンから4年間で総額約257億円を拠出することが決まりました。これにより、世界有数のビッグクラブであるFCバルセロナのユニフォームの胸に楽天株式会社の名前が入り、全世界に対して企業の名前は露出され、知名度のさらなる向上が期待されます。
このように海外のクラブチームに対して日本国内の企業がスポンサーとなるケースが増えてきており、また、スポンサー企業の業種も多岐にわたっています。今後は企業の国籍や業種などは関係なく、プロスポーツのスポンサーとして様々な企業が名乗りを上げることが増えていくと考えられます。

ポイント

  • クラブチームのユニフォームの胸部分に対するスポンサー契約額が近年大きくなってきている。
  • クラブチームのスポンサーになっている企業の国籍、業種は多岐にわたり、海外のサッカーリーグでは特に航空会社がスポンサー契約額の上位を占めている。
  • 日本の場合には、クラブチームの本拠地に本社・本店がある地元企業がスポンサーとなっているケースが多い。
  • Jリーグが海外でも放映されていくことで、海外の企業が今後Jクラブのスポンサーになることもあり得る。

I.海外サッカーリーグのユニフォームの胸スポンサー

全世界のプロサッカーリーグのクラブチームのうち、2015年シーズンのユニフォームの胸スポンサー年間契約額が最も高額だったのはマンチェスター・ユナイテッドの約96億円でした。ユニフォームの胸スポンサー年間契約額ベスト10のクラブチームは、年間契約額が高額になっているだけでなく、契約期間が長期にわたっていることも特徴と言えます(図表1参照)。

図表1 2015年シーズン ユニフォームの胸スポンサー年間契約額ベスト10

出典:「TOTAL SPORTEK」HP、レピュコムジャパンHP、笹川スポーツ財団HP等を基に作成

ユニフォームの胸スポンサー年間契約額ベスト10のクラブチームの所属リーグを見ると、イングランド・プレミアリーグが7クラブ占めており最多となっています。次にスペイン・リーガエスパニョーラの2クラブ、ドイツ・ブンデスリーガの1クラブと続いており、欧州4大プロサッカーリーグの1つであるイタリア・セリエAはランク外となっていました。これらの結果は、クラブの価値およびリーグの価値を暗に示していると考えられます(図表2参照)。

図表2 2015年シーズン ユニフォームの胸スポンサー年間契約額ベスト10(所属リーグ別)

出典:「TOTAL SPORTEK」HP、レピュコムジャパンHP、笹川スポーツ財団HP等を基に作成

図表2 2015年シーズン ユニフォームの胸スポンサー年間契約額ベスト10(所属リーグ別)

スポンサー企業を産業別に見ると、空運業がスポンサーになっているケースが最多となっています。近年では特に空運業の契約数および契約額が増えてきている傾向があると言えます。また、全世界にまたがってビジネス展開をしている業種が多いということも言えます(図表3参照)。

図表3 2015年シーズン ユニフォームの胸スポンサー年間契約額ベスト10(スポンサー企業産業別)

出典:「TOTAL SPORTEK」HP、レピュコムジャパンHP、笹川スポーツ財団HP等を基に作成

図表3 2015年シーズン ユニフォームの胸スポンサー年間契約額ベスト10(スポンサー企業産業別)

スポンサー企業の本社所在地を見ると、各クラブチームが所属しているリーグとは関連の薄い中東やアジア地域が多くなっています(図表4参照)。

図表4 2015年シーズン ユニフォームの胸スポンサー年間契約額ベスト10(スポンサー企業地域別

出典:「TOTAL SPORTEK」HP、レピュコムジャパンHP、笹川スポーツ財団HP等を基に作成

図表4 2015年シーズン ユニフォームの胸スポンサー年間契約額ベスト10(スポンサー企業地域別)

これは、中東やアジアに本社がある企業がヨーロッパ市場での知名度向上を目的にしているということが考えられます。さらに、アジアでは特にプレミアリーグが多く放送されていることから、プレミアリーグ所属のクラブチームのスポンサー企業となることで、アジア地域での露出を増やし、アジア市場においても存在感を示すことを目的にしていると言えます。それに起因して、ユニフォームの胸スポンサー年間契約額ベスト10にプレミアリーグ所属クラブが多くランクインしていると考えられます。

II.Jリーグのユニフォームの胸スポンサー

2017年シーズンのJ1クラブのユニフォームの胸スポンサー企業は以下の表のようになっています(図表5参照)。

図表5 2017年シーズンJ1クラブ ユニフォームの胸スポンサー企業一覧

出典:各クラブ公式HP、各スポンサー企業HP、SPEEDAを基に作成

スポンサー企業の産業は、食料・生活用品、機械・電気製品、広告・情報通信サービスが最も多く、それに次いで建設・不動産、小売となっています(図表6参照)。

図表6 2017年シーズンJ1クラブ ユニフォームの胸スポンサー企業(産業別)

出典:各クラブ公式HP、各スポンサー企業HP、SPEEDAを基に作成

図表6 2017年シーズンJ1クラブ ユニフォームの胸スポンサー企業(産業別)

スポンサー企業の本社または本店の所在地を見ると、クラブ本拠地の地元企業がスポンサーとなっているケースが18クラブ中13クラブとなっており、Jリーグでは地元企業が地元クラブを支援するケースがほとんどであると言えます(図表7参照)。

図表7 2017年シーズンJ1クラブ ユニフォームの胸スポンサー企業(クラブの地元かどうか)

出典:各クラブ公式HP、各スポンサー企業HP、SPEEDAを基に作成

図表7 2017年シーズンJ1クラブ ユニフォームの胸スポンサー企業(クラブの地元かどうか)

これは、Jクラブの多くが元々は地元企業の実業団クラブであり、プロ化した後もその会社がクラブのスポンサーとなっていることが多いため、クラブ本拠地の企業である割合が大きくなっていると考えられます。
これからJリーグが全世界、特に中東やアジアでの放送が増えていくと、中東やアジアの企業がJクラブのユニフォームの胸スポンサーになることもあり得ると想定されます。その先駆けとして、セレッソ大阪のユニフォーム背中部分にはタイのシンハービールの広告が入っており、このような事例がJクラブのなかで今後ますます増えていくと考えられます。
また、海外ではクラブのビジョンとスポンサー企業のイメージが合致するようにお互いが選定し合っており、そのことでさらに両社の価値をあげていく工夫がされています。日本においてもそのような工夫を凝らすことが急務であると考えられます。

執筆者

有限責任 あずさ監査法人
スポーツアドバイザリー室
室長 パートナー 大塚 敏弘
スポーツ科学修士 得田 進介

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