2017年メキシコ税制改正の概要 - 人材派遣会社との取引規制強化と留意事項について - | KPMG | JP

2017年メキシコ税制改正の概要 - 人材派遣会社との取引規制強化と留意事項について -

2017年メキシコ税制改正の概要 - 人材派遣会社との取引規制強化と留意事項について -

メキシコでは、2017年1月1日より税制改正が施行されました。改正された項目の中でも、日系企業を含むグローバル企業への影響が考えられるものとして、人材派遣サービスを利用または提供する企業に対する規制強化、および納税者への所得税や付加価値税(IVA)に関連する取り扱いについて、その背景もふまえて解説します。

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ドナルド・トランプ アメリカ合衆国大統領による対メキシコ政策の不透明感が続くなか、米国が現在検討している法人税の国境調整措置の導入や、日墨間のNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉の行方など、メキシコを取り巻く政治経済上の関心は高まりつつあります。
一方、2017年1月1日より施行されたメキシコ税制改正においては、いくつかの項目が改正されました(下表参照)。その中でも、メキシコ国税庁(SAT)は、個人所得税や社会保険負担金を支払わない違法な人材派遣会社の取締りや、このような会社を通じて税金や社会保険負担金の支払いを回避する企業の違法行為の防止を目的として、2017年1月31日に人材派遣サービスを利用する企業に対する規制強化、また、納税者に対して所得税や付加価値税(IVA)に関する追加情報が必要である旨を発表しました。

人材派遣会社との取引規制強化には大きく2つのポイントがあります。

所得税の改正として、人材派遣サービスを受ける企業は、今後新たにサービスを提供する派遣会社から、所属する従業員(=派遣員)に対して派遣会社が支払っている給料源泉、社会保険納付の証明としてCFDI(電子インボイス)、IMSS(社会保険料)拠出証明といったサポート資料を入手し、保管しておくことが義務付けられます。これら必要資料が入手できない場合、支払側企業(サービスを受けている企業)において、当該サービス費用の損金計上ができなくなります。

また、IVA(付加価値税)の改正として、人材派遣会社から請求額への支払いに付随するIVA支払額を税務上仮払計上するため(すなわち将来の還付もしくは相殺に使用する)の要件として、当該相手先が受け取ったIVAが、受取側にて受取月のIVA納税計算に含めて正しく申告、納税が行われているのかを証明するためのサポート資料を入手することが必要になります。これら必要資料が入手できない場合、支払側企業(サービスを受けている企業)にて、サービス費用に付随する仮払IVAの還付、相殺を目的とした有効活用ができなくなります。

2017年メキシコ税制改正、主要項目と根拠法

項目 根拠法
操業前IVA(付加価値税)仮払額の還付 IVA法
電気自動車・ハイブリッド自動車関連インセンティブ 所得税法
R&Dインセンティブ 所得税法
ITサービスの輸出 IVA法
人材派遣会社との取引規制強化 所得税法、IVA法
納税番号(Tax ID) 連邦税法典
電子インボイス(CFDI) 連邦税法典

出所:メキシコ国税庁(SAT)

上述の通り、メキシコにおいては、納税者登録や社会保険登録をしていない派遣労働者が数多く存在し、メキシコの税収などに多大な影響を及ぼしている現実があります。今回の法人税法と付加価値税法の改正により、人材派遣サービスの規制強化が進むことになりますが、現地で人材派遣会社のサービスを活用する日系企業においては、信頼できる人材派遣サービス会社を選定すること、また、現地で人材派遣サービスを提供する日系企業は、取引先とメキシコ国税庁に対する情報提供をきちんと実施できるよう体制を構築することが必要になります。

執筆者

KPMGメキシコ
グローバル・ジャパニーズ・プラクティス(日系企業担当)

メキシコ

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