第24回 日本企業の統合報告書に関する調査2016 | KPMG | JP

第24回 日本企業の統合報告書に関する調査2016

第24回 日本企業の統合報告書に関する調査2016

企業と投資家との建設的な対話の必要性が高まる中、コミュニケーションツールの1つとして「統合報告書」が注目され、発行企業は年々増加の一途をたどっています。

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企業が競争力を高め、社会に対する責任を果たし、中長期的に価値を向上させていくための取組みの1つとして、KPMGジャパンはコーポレートコミュニケーションの重要性を提起し、そのためのツールである統合報告書の現状調査を2014年から継続してまいりました。
今回の調査は3回目となりますが、日本企業が統合報告書の作成に真摯に取り組み、より開示の充実を図ろうと努力していることがわかりました。しかし一方で、まだまだ改善の余地も見られました。
調査結果全体を通じて見えてきたのは、一貫したメッセージが希薄で、企業が持つ強みや特徴を十分に伝え切れていない現状です。
これは、さまざまな要素や資本の関連性を考慮して意思決定を行う「統合的思考」が、企業活動においてまだ根付いていないことが根本にあると考えられます。「統合的思考」を組織内に浸透させ、企業価値向上に結び付けていくには、経営者のリーダーシップの発揮が不可欠です。そして、その経営者のリーダーシップ、強い意志が統合報告書から自然と読み取れるようになったとき、企業と投資家をはじめとしたステークホルダーの間に、共感が生まれ、信頼が培われ、そしてそれが更なる企業活力へとつながっていくものと考えます。
本稿では、2016年の調査結果からエグゼクティブサマリーの内容を中心とした重要ポイントを解説します。

ポイント

  • 2016年の統合報告書発行企業数は、前年比59社増の279社となった。このうち、94%を東証一部上場企業が占めている。
  • 価値創造プロセスに関するセクションを設けている企業は4 4%。価値創造ストーリーを、よりわかりやすく包括的に伝えようとする企業の姿勢が読み取れる。
  • ガバナンスに関する記載は年々充実が図られているが、企業のガバナンス構造が、どのように短、中、長期の価値創造能力を支えるものであるのかの説明には、まだまだ改善の余地がある。
  • マテリアリティ(重要性)評価結果を開示しているのは23%にとどまっており、マテリアリティに関する議論や実践は発展途上にあると言える。
  • リスク情報を独立セクションで説明している企業は約半数。リスクの内容を、より具体的にわかりやすく説明しようと努力する企業が増えている。
  • 開示されているKPIのうち、財務KPIは7 1%で、非財務KPIは29%である。非財務資本が重視されてきている昨今、非財務KPIの開示が今後増えていくものと予測される。
  • 戦略や経営計画と関連付けて各項目を説明できているレポートはほとんどない。今後、さまざまな要素や資本の関連性を考慮して意思決定を行う「統合的思考」が企業の内部で認識され、実践されることによって、統合報告書において結合性が実現されていくことが期待される。

内容

  1. 調査概要
    1. 調査の背景と目的
    2. 調査対象
  2. 統合報告書の発行状況
    1. 発行企業の概要
    2. 統合報告書の概要
  3. 調査結果サマリー
    1. 価値創造
    2. ガバナンス
    3. マテリアリティ
    4. リスクと機会
    5. 業績
    6. 戦略的焦点と結合性
  4. おわりに

執筆者

KPMGジャパン 統合報告アドバイザリーグループ
パートナー 大槻 櫻子
シニア 寺田 麻衣子

未来を拓くコーポレートコミュニケーション

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