EIOPAがUFRに係る新たな計算方法及び見直しの実施プロセスについて公表 | KPMG | JP

EIOPAがUFRに係る新たな計算方法及び見直しの実施プロセスについて公表

EIOPAがUFRに係る新たな計算方法及び見直しの実施プロセスについて公表

2017年4月5日、欧州保険・年金監督機構(EIOPA)は、ソルベンシーIIで使用されている終局金利(UFR)について、新たな計算方法及び見直しの実施プロセスについて公表しました。この計算方法・実施プロセスは、2018年以降の計算に適用されます。

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概要

2016年1月から欧州において導入されたソルベンシーIIでは、割引率を設定する際に、超長期のフォワード・レートが最終的にUFR に収束するという手法が採用されています。UFRは通貨ごとに定められており、現在は円金利に3.2%、ユーロ金利には4.2%が適用されています。
EIOPAは、UFRの基となっている長期的な見通しが近年変化していることからUFRの見直しについて議論を進めてきましたが、今回、UFRに新たに適用される計算方法及び見直しの実施プロセスについて公表しました。
今回公表されたUFRの計算方法・実施プロセスは2018年のUFRから適用され、今後UFRは1年ごとに見直されることとなります。2018年に適用されるUFRでは、円金利が現行の3.2%から3.35%に、ユーロ金利が4.2%から4.05%に変更されます。

現行のUFR

現行のUFRは、1.期待実質金利と2.期待インフレ率の合計で計算されています。

  1. 期待実質金利は、2009年以前における世界各国の債券リターンのデータを総合的に分析し、全通貨で2.2%としています。
  2. 期待インフレ率は、各国の中央銀行のインフレ・ターゲット等を参考に標準的な通貨に2%を適用した上で、ヒストリカル・データ等からインフレ率に大きな差異があると認められる通貨については1%または3%を適用しています。この結果、円金利に1%、ユーロ金利には2%が適用されています。

この1、2の合計により現行のUFRは、円金利に3.2%、ユーロ金利には4.2%が適用されています。

今後適用されるUFRの計算方法及び見直しの実施プロセス

今回公表された計算方法でも、UFRが1.期待実質金利と2.期待インフレ率の合計を基に計算される点は変わりません。
ただし、新たな計算方法では以下の点が変更されます。

  1. 期待実質金利は、ベルギー、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、イギリス、アメリカの実質短期金利について1961年以降の単純平均をとることで決定され、全通貨に対して共通の値が適用されます。
  2. 期待インフレ率は、基本的に各国の中央銀行が設定しているインフレ・ターゲットに基づいて、通貨ごとに決定されます。

この1、2の合計値が、その時点で各通貨に適用されているUFRと15bps以上乖離している場合に、UFRは乖離している方向に15bps変更されます。
これらの計算は毎年行われ、各年の3月までに、翌年の1月から適用されるUFRが発表されます。

2018年に適用されるUFR

今回公表されたUFRの計算方法・実施プロセスは、2018年以降の割引率に適用されますが、EIOPAは2018年に適用されるUFRの値について発表しています。
円金利については、

  1. 期待実質金利は1961年から2016年のデータにより求められた全通貨共通の1.65%、
  2. 期待インフレ率は日本銀行の設定している物価安定の目標に基づき2%、

が適用され、これらの合計は3.65%となり、現行のUFR3.2%と15bps以上乖離しているため、UFRは15bps上昇して3.35%となります。
ユーロ金利については、期待実質金利と期待インフレ率の合計は円金利と同じ3.65%となりますが、現行のUFRが4.2%であるため、15bps低下してUFRは4.05%となります。

なお、現在、保険監督者国際機構(IAIS)が検討を進めている保険資本基準(ICS)においても、UFRと同様の概念として長期フォワード・レート(LTFR)が導入されています。2016年に実施されたICSのフィールドテストでは、円金利のLTFRは、長期経済成長率1.5%と長期インフレ目標2%の合計の3.5%が使用されています。

近年、MCEV等の評価においてUFRを使用する会社が増加しており、その多くはICSあるいはソルベンシーIIのUFRを使用しています。今回新たに導入されたUFRの計算方法・実施プロセスは、この評価に影響を与える可能性があります。仮にこの計算方法・実施プロセスを採用する場合、UFRが毎年変わること、日本銀行の政策変更によってUFRが直接影響を受ける可能性があること、等について慎重に影響を検討する必要があります。

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