IAISが「保険業界におけるFinTechの発展」と題するレポートを公表 | KPMG | JP

IAISが「保険業界におけるFinTechの発展」と題するレポートを公表

IAISが「保険業界におけるFinTechの発展」と題するレポートを公表

2017年3月14日、保険監督者国際機構(IAIS)は、「保険業界におけるFinTechの発展」と題するレポートを公表しました。このレポートにおいてIAISは、Fintechが保険業界に与える影響についてシナリオ分析により評価し、保険監督者が近い将来直面するであろう課題について説明しています。

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保険業界に影響を与えるFinTech技術

IAISはこのレポートにおいて、FinTechが保険業界の競争力、消費者選択、相互関連性、ビジネスモデルの実現性および規制監督に与える潜在的な影響を強調しています。本レポートでは保険ビジネスを変える可能性のある先進技術や技術革新を「InsurTech」と呼び、特に保険業界とその監督に関連する技術革新を評価することが必要であると述べています。このような技術としてレポートでは以下が挙げられており、これらの個々の技術が保険業界に与える影響について考察されています。

  • デジタルプラットフォーム(インターネット、スマートフォン)
  • IoT
  • テレマティクス
  • ビッグデータ、データアナリティクス
  • ロボアドバイザー
  • 機械学習、AI
  • 分散型台帳技術(DLT)、ブロックチェーン、スマートコントラクト
  • P2P保険、利用ベース保険、オンデマンド保険

シナリオ分析

IAISは、Fintechが保険業界に与える影響について、以下の3つのシナリオにより評価を行っています。

  1. 従来型の保険会社が契約者との関係を良好に維持し、テクノロジーファームを保険会社の利益のために活用する。
  2. 保険のバリューチェーンが徐々に分断され、保険会社は契約者との関係を維持できなくなり、保険料収入を得るためにテクノロジーファームやサービスプロバイダーとの関係に依存することになる。
  3. 巨大なテクノロジーファームが自身の技術力や分析力という利点を活かし、伝統的な保険会社を締め出す。

各シナリオでは、財物保険・自動車保険・健康保険の3種の保険種類のマーケットを想定し、マクロな視点から競合性・消費者選択・相互関連性・規制監督の能力の4つの観点で、ミクロな視点からビジネスモデルの実現性・事業運営・規制監督の3つの観点でFinTechによる影響を評価しています。

結論

このレポートにおける結論として、保険監督者は近い将来以下の4つの課題に直面する可能性があると述べられています。

  1. 監督者は、新しい商品やビジネスモデルの適切な評価を確実に行うため、技術革新がどのように作用し適用されるかを理解する必要がある。
  2. 監督者は、新たな技術革新のリスクと、それが保険契約者や保険業界全体に与える利益とのバランスを保つ必要があり、レギュラトリーサンドボックス(regulatory sandboxes)※1やイノベーションハブ(innovation hubs)※2のような、技術革新を促進する適切な環境を創設する必要がある。
  3. 監督者と政策当局は、変化するリスクとビジネスモデルに適切に対処するため、健全性と事業運営の双方の観点から規制の枠組みを評価し、必要な場合には調整する必要がある。
  4. 監督者は、将来的にFinTechを取り扱うことができるように適切な技術リソース、知識およびスキルを準備しておく必要がある。また、技術革新の適切な理解を高め維持するため、他のステークホルダーとの連携を促進する必要がある。

※1:英国等で検討が進んでいる、一時的に規制を緩和することにより革新的な技術の実験環境を提供し、技術革新を促進する取組み。
※2:参加者が様々な技術を持ち寄り情報交換やビジネスパートナーを見つけることのできるプラットフォームを提供することにより、技術革新(イノベーション)を促進しようとする取組み。

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